根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

シクラメンに思う

2008-11-18 04:27:50 | エッセイ、コラム
写真は花屋に並んでいた、ガーデン・シクラメンかミニ・シクラメン、もしくはガーデン・ミニ・シクラメンです。
花屋の前を通りかかった時にサッと撮っただけなので、正確な名前までは確認しませんでした。
ただ小ぶりのシクラメンである事は確かです。
パンジーやシクラメンが、花屋に沢山並んでいるのを見ると『あぁ冬だなぁ』って思います。


♪真綿色した~

フレイズで始まる曲で年配の人には白のイメージが強いかもしれませんが、実はシクラメンは色とりどり。
大きさも大小揃っています。
割と耐寒性があるのがガーデン・シクラメンで庭植えが出来るように品種改良されたものです。
通常は匂いはそうしないシクラメンですが、中には匂いがする「香りシクラメン」というものもあります。
私が花業界を離れて結構経つので、今はさらに新手の品種があるかもしれません。

パンジーも本来は春の花なのですが、耐寒性がある事から、冬場で花が乏しくなる季節に重宝される花として今や冬に花屋の店先を飾る定番商品なっていますね。

さてこの先、クリスマスの10日くらい前まで花市場はクリスマス向けのポインセチアの大量入荷で大繁忙期です。
市場の花置き場はもうそれは恐ろしいくらいにポインセチアだらけになります(苦笑)。
定番の赤に加えて、ピンク、オレンジ、白、更には赤に金粉をまぶしたものなのだの、種類も豊富です。
大きさも色々あります。


原油高騰にそれに連動した穀物の高騰、世界同時株安に円高で沢山の人が頭を抱えています。
庶民レベルで景気が回復した実感はまるでないので不況がずっと続いているように私には思えるのですが、政府見解では一旦は回復した景気もまた逆戻り、社会は現在ギスギスしています。
だからこそたまには5分でも花屋でも覗いて、気持ちに余裕を持たせて下さい。
出来れば購入して部屋なり、ベランダなりに飾ったり、庭がある人には庭に移植したりしてみて下さい。
こういう時だからこそ敢えて、そういう作業が必要だと思います。
荒(すさ)んだ時に見る花は普段の百倍美しく見えます。
そして、そういう土いじりする事で気分が他に向かい、気持ちが少し安らぐかもしれません。
そんな風に生活の中に花がある事は精神衛生上非常に良い事です。
目覚めた朝に眺めるカラフルな花々は気分を落ち着けかなり前向きにしてくれるものです。

昨日も中央線で人身事故があり、中央線は麻痺して朝のラッシュ時に東京を代表する路線が大混乱でした。
自殺か単なる転落事故なのかは分かりません。

是枝監督がミュージシャンのCoccoに密着したドキュメンタリー映画の予告編の中で、彼女がライヴのMCで言っていました。

「私がみんなに言いたいのはただ一言、“生きろ!、生きろ!、生きろぉーっ!”」

っと。

映画『ラブファイト』

2008-11-16 11:37:27 | エッセイ、コラム
原作:まきの・えり『聖母少女』、監督:成島出、出演:林遣人、北乃きい、桜井幸子、大沢たかお、他、の映画『ラブファイト』を観てきました。


ストーリーは、いじめられっ子の稔(林遣人)と、彼の幼なじみで喧嘩が滅法強く彼をいじめっ子たちから守る亜紀(北乃きい)の2人を主人公に、2人が男の子から「男」へ、女の子から「女」へと変わり、幼なじみの関係から男と女の関係に変容していく、という割とありがちなものを、2人が共にボクシングを始め実際に拳を交えるという強烈なスパイスを加える事で非常にユニークな構成にしたものです。
2人が通うボクシング・ジムの会長・大木には“大沢たかお”が扮し、またこの作品で初プロデュースもしています。


比較的面白い作品でした。
こんな風に大人になる段階で心身共にぶつかり合う男女はまずいないでしょうけど…(笑)。

今回、林遣人、北乃きい、大沢たかお、の3人は本格的なトレーニングを積んで吹き替えなしでボクシング・シーンを演じたとの事。
素人目には全く違和感のない迫力あるシーンになっていました。
ボクシングではないですが、喧嘩のシーンで北乃きいが披露する回し蹴りのまたキレイな事!

ただ126分という長さを完全に活かしきれていないなぁっという感じもしました。
途中退屈だなぁっと思う事も何回もありましたから。
もう少しコンパクトにしてリズム良くみせても良かったのではないかなっと個人的には思いました。

しかし、ラスト・エピソード、そしてその後エンド・ロールに移る部分はかなり格好良かったです。

映画『ハッピーフライト』

2008-11-16 10:16:37 | エッセイ、コラム
監督:矢口史靖、出演:田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵、田畑智子、寺島しのぶ、岸辺一徳、他、豪華出演陣多数、の映画『ハッピーフライト』を観てきました。


ストーリーは、ANAの羽田→ホノルル間を飛ぶ国際便1980便にスポットを当て、飛行機をつつがなく運行する為に奔走する航空会社のスタッフたちの汗と努力と涙、そして笑顔を描いた群像劇です。


非常に面白い作品でした。
単なる飛行機物の映画ではなく、一便一便を安全に快適に運行する為にどれくらいの人たちが関わっているのか、というのを細かく分かり易く描きながらも、103分という時間に凝縮しているのが素晴らしい。
そこをまたシリアスタッチで描くのではなく、適度にコミカルに描きつつも、最終的には手に汗握る緊迫感に満ちたエンターテイメント作品に仕上げている点が矢口監督らしいというか…。
伏線もよく利いています。

私は最初の方からかなり映画に入り込んで途中からは映画館にいる事を忘れて、飛行機に乗っている気分になっていました(笑)。


非常にオススメです。

電車で逢った美人さんです!

2008-11-15 16:05:00 | エッセイ、コラム
シネコンに行った帰りの電車の中で「美人さん」に出逢いました。
名前は「ナポリ」ちゃんという女の子です。
とても行儀が良く、賢い娘さんでした。
仕事は助手、もしくは介護の仕事といったらよいでしょうか。
電車の中でも、雇い主さんの役に立とうと一生懸命周りに注意を払っていました。

映画『ヤング@ハート』

2008-11-12 23:38:16 | エッセイ、コラム
監督:スティーブン・ウォーカー、出演:コーラス隊「ヤング@ハート」のメンバー、他、の映画『ヤング@ハート』を観てきました。


アメリカはマサチューセッツ州ノーサンプトンに実在する、ロック・ナンバーをレパートリーに持つ平均年齢80歳のコーラス隊「ヤング@ハート」の練習風景やライヴの模様に密着したドキュメンタリー作品です。


素晴らしい作品でした。
まずは、平均年齢80歳のジッチャンやバッチャンが、ロック・ナンバーを唄いこなすというミス・マッチ感!
もうここで掴みはOK(笑)。
コーラス曲の題材としてソニック・ユースの「スキッツォフレニア」が練習会場に流された時にはみんなこの曲の爆音に耳を塞(ふさ)いでいるのです。
しかし、そういった激しい曲もコーラス隊を指揮するボブ・シルマンの指導の元、練習を重ねていくとオリジナルのパワーに負けない独特のグルーヴ感を帯びた彼らの曲になってゆくのです!

こういう年齢のコーラス隊ですから途中で亡くなってしまう人も出てきます。
刑務所の慰問公演に出掛ける朝、コーラス隊のメンバーのボブが亡くなり、その追悼としてボブ・ディランの「フォーエヴァー・ヤング」が唄われた後には刑務所の受刑者たちは涙を流して拍手喝采、コーラス隊と抱き合うというシーンも登場します。

要所要所にアクセントとしてアーティストのPVみたいな映像も出てきますが、これも非常にクールです。

他にもジェームス・ブラウンやプリンス、コールドプレイなど、多岐に渡ったロックの名曲が「ヤング@ハート」のレパートリーとして登場し、人生の酸いも甘いも噛みしめた彼らの手に掛かると、本来ラヴ・ソングなどだったものがもっと普遍的な意味を持ったものに昇華されていく事が素晴らしかったです。

名曲は唄そのものに力があり、それはアレンジや唄い手が変わろうとも、その魅力は失われず、さらに新たな解釈によって力を増すものだ、というのを気付かせてくれる作品でした。
オススメの映画です。

映画『小森生活向上クラブ』

2008-11-12 01:21:59 | エッセイ、コラム
原作:室積光『小森課長の優雅な日々』、監督:片嶋一貴、出演:古田新太、栗山千明、忍成修吾、有森也実、佐野史郎、豊原功補、他、の映画『小森生活向上クラブ』を観てきました。


ストーリーは、一流会社に入り現在は課長職を得、幸せな結婚をし一男一女にも恵まれ、東京郊外にマイ・ホームも持っているものの、日々の生活にどこか鬱屈さを感じている42歳の中年男・小森正一(古田新太)を主人公に、彼が痴漢冤罪を他人になすりつけようとする自意識過剰の女性に対して普段のストレスを爆発させ弾みで電車のホームから突き落としてしまい人身事故で殺してしまう事から始まるものです。
その後、小森課長は六本木でピストルを手に入れ、さらに小森課長の「陰の顔」に賛同する部下たちまで現れ、密かに世の小悪人たちを退治する「KSC(小森殺人クラブ)」を発足するに至りますが、それは小森課長自身でも収拾のつかない所にまで発展していきます。


痛快なブラック・コメディを予想していたのですが、鑑賞後には嫌な感覚が残る作品でした。
少しブラックさがコミカルさを上回っていたようです。
前半は結構笑えたり、痛快さもあったのですが…。

また劇中の「現実」の中に小森課長の「夢」と「妄想」と「心象風景」が頻繁(ひんぱん)に挿入されるために、この作品を分かり難くしていました。


面白いテーマの作品ではありますが、明快さに欠けるのとバランスの悪さから一般ウケはしないだろうなぁっというのが正直な所。
お金とお暇のある方はどうぞっというのが私の感想です。

映画『天国はまだ遠く』

2008-11-10 23:29:05 | エッセイ、コラム
原作:瀬尾まいこ、監督:長澤雅彦、出演:加藤ローサ、徳井義実、他、の映画『天国はまだ遠く』を観てきました。


浮かない顔をしながら夜の列車に揺られる女・山田千鶴(加藤ローサ)、彼女は京都府の宮津駅に降り立つ。
人気(ひとけ)がなく、秋風が身にしみる駅前のタクシー乗り場で、1台のタクシーを見つけ、運転手に「北に行って下さい」とだけ告げる彼女。
山道を走る事しばし、運転手が連れて行ったのは「民宿・たむら」。
とっくに陽も暮れた中、予約もなしに山奥の民宿を訪ねる千鶴に対して、奥から不思議そうな顔をして出てきたのは商売っ気のまるでない青年・田村遙(徳井義実)。
彼は客を迎え入れる準備を事務的にぶっきらぼうにし、直ぐに奥に下がります。
その夜、千鶴は大量の睡眠薬を飲み自殺を図るのですが…、というのがこの映画のイントロダクションです。
人生に疲れた女と心に傷を持つ男の交流を描いた作品です。


そこはかとなく切なく暖かい作品でした。
一見非常に重い内容に思える作品ですが、シリアスながらも適度にユーモアも交えて作ってある映画です。

物語の舞台となる宮津市の風景は山があり海がある場所で、日本三景の「天橋立(あまのはしだて)」を有する景勝地、そして劇中スクリーンに映し出される、日本人の田舎の原風景として誰もが心に描くような、山村の景色も心を穏やかにしてくれるものでした。

手の平越しの太陽に満天の星空、と長澤監督お馴染みの場面も登場。

決して派手な映画ではないですが非常に良質な作品です。
特に都会生活や人間関係に疲れた人には「安らぎ」と「明日への活力」を与えてくれる映画だと思います。