根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

マックの最後…

2007-10-12 12:34:11 | エッセイ、コラム
私にとって「マック」とはハンバーガー・チェーンの名前でもなく、コンピューター・ブランドの名前でもない。
ゴールデン・レトリーバーの友達犬の名前である。
Fさんの家で飼われていた犬だ。


そのマックが7月21日に亡くなっていたことが、やっと明らかになった。

調子が悪いことは梅雨入り前くらいから聞いていて、持ってもこの夏までと聞かされた。
それならばとマックの家まで、お見舞いに行ったのは7月の上旬のことだったか。
飼い主さんには菓子折りを、マックには病気に有効な成分が含まれたクッキーを持って…。
腰を悪くして他にも体のあちこちにガタがきていたマックは玄関で横になっていた。
結局、それがマックをみた最後になった。
暫く後にFさんの家の前を通ったときには、「マック・グッズ」が片付けられていて、あぁマックは逝ってしまったんだなぁ、と何となく悟ったのだった。
それからなかなか飼い主さんに会う機会がなく、話しを聞けずにいたのだが、先日やっと飼い主さんから話しが聞けた。
まだ梅雨が明けない7月21日の朝8時過ぎ、家族に見守られながら天に召されたとのこと。
14年間の犬としては長い人生、犬の年齢としては96歳にもなる、いわば大往生だったらしい。

私の話しを黙って聴いてくれたこともあったし、逢えば喜んで尻尾を振ってくれた。
鼻の頭によく泥をつけていたし、呼ぶとボールや軍手など必ず何かくわえてきてみせてみたり、夏の暑い日には頭だけ車の下に突っ込んで寝ていたり…お茶目で可愛い仕草をみせて私をよく和ませてくれていた。

愛想の良い犬だったので、通り掛かりの人に「マック、マック」とよく可愛がられいたみたいだ。
マックには一体何人の友人がいたのだろうか…。
みんなに愛され、可愛がられた犬だったことだけは間違いない。

そんなマックだけに

「最近マックの姿をみかけないですけど、どうしたんですか」

などと飼い主さんは見知らぬ人からも尋ねられるらしい。

彼の存在は何気に近隣住民の中でも大きく重要だったことがうかがえる。

飼い主さんと、マックはあぁだった、こうだったと、ヤツの可笑しい行動を懐かしく話した。
飼い主さんも私のようにマックを好きでいてくれた人がいるのが嬉しそうな様子だった。

マック、家族や友人に愛され、人に安らぎを与え、長生きをした、幸せな犬。

死後は葬式も挙げてもらい、お坊さんにお経も唱えもらい、火葬にしてもらったそうだ。

マックはもうこの世にはいないが、みんなの心の中で生き続け、そしてお茶目な仕草で沢山の人にこれからも癒やしを与え続けることだろう。

ありがとう、マック。
君に出逢えて嬉しかったよ。

合掌…。



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