根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

本とキャベツ

2005-10-27 15:41:36 | ダイアリー
大村一朗という人物が書いた『シルクロード・路上の900日』という本
を読んだ。
中国の西安から中央アジア・西アジアを経てローマまで2年半かけ
て徒歩旅行した日本人が帰国後7年の歳月を経てまとめあげた紀
行文である。

徒歩旅行ゆえの詳細な路上観察、普段は我々が知る事ない中央ア
ジアの人々の人間性や風俗、そういったものがよく書かれた本であ
った。

イスラムの教えに「旅人は大切にしなさい」というのがあるのだが、
筆者もご多分に洩れず沿道の人々にご飯をご馳走になったり、家に
泊させてもらったりと親切にされていた。
中世の影響を色濃く残す宗教ゆえ、他の宗教を信仰する人々には異
様に映るイスラム教であるが、実際現地に入ってみれば悪い点は少
なく、むしろ旅人にとってはいい点も多い宗教なのだな、と思った。
むしろ、異様に映るのは我々の無知さゆえの偏見なのだ、とも感じさ
せられた。
まぁ、筆者は多分に性善説にたっている人間なのか、よく人を信じて
悪い奴に騙されてもいたけれど…。

沢木耕太郎の『深夜特急』を面白い、と感じた人は充分楽しめる本で
しょう。


キャベツが安い。
涼しくなり本来、彼らが好む気候になってきたのか、安価で出回って
いる。
1つ80円~100円といった所か。
貧乏人の私は当然「買い」だ。
そんな訳でキャベツ料理を食べている私なのだが、それで分かった
のはキャベツというのは生でも、炒めても、煮ても、さらには漬物にし
てもイケるユーティリティー・プレイヤーなのだな、という事。
それぞれの料理で個性を発揮し、またその一つ一つが美味い。
ここ数日私がよく食べているのは、キャベツと油揚げの蒸し焼き。

キャベツ半個を適当な大きさに切り。鍋に塩をまぶしながら敷いて
いく。それを弱火で蒸し焼きにしてゆくのだ。そうすると熱と浸透圧
の関係で水分が外に出て嵩が4分の1程になる。
そこに昆布だし、鰹だし、鶏がらスープの素、酒を適量加え味を調
え、さらに油揚げを投入し油揚げがしんなりとしてきたら出来上が
りだ。

キャベツのシャキシャキとした食感に旨味をたっぷりと吸った油揚
げが何とも絶妙な一品である。
お試しあれ。


雨のち晴れ。
雨が降る度に季節が深まってゆく。
空が高い。

厚木に向かうのか一機の軍用ジェット機が爆音を轟かせながら秋
空の中を飛んでいく。
戦争と平和は紙一重。


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