根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

秋の夜長に…

2007-10-09 04:41:45 | エッセイ、コラム
彼岸花が咲いたと思ったら、みるまに金木犀の花芽が茎から顔を出し、蕾が沢山付いたなと思っていると、一気に開花してむせかえるような芳香だ。
今日は随分振りに『水道の水が冷たい』と感じた。
富士山にも雪が積もるし、長いこと稼働していたエアコンも現在は活動停止状態、季節は変わり始めるとなると結構急激だ。

秋が深まり始めると人恋しくなる。
孤独の溝を埋めるため、互いの傷を舐め合うため、あるいは来たるべき悪しきイベント「クリスマス」に独りでいたくないがため、利害関係が一致してこの時期付き合い始めるカップルも多いことだろう。
それくらい秋の夜長は黙って独りでやり過ごすには厄介なものだ。

かくいう私も何となく眠れずに、こうして駄文を綴っている。
あと2時間もすると夜も明けてしまうから、あぁまた意味なく夜更かししてしまったか、という徒労感だ。

しかしここで暫定的にカップル成立してしまった恋人たちは長続きするものだろうか…。
互いの寂しさを充足するように、欲望に身を任せ、お互いを貪りあった末にあるのはちゃんとした「愛」なんだろうか…。
衝動のまま互いに体を求めあった末、新しき鼓動が胎内で波打ち始め、その結果「結婚」となった場合、幸せになれる確率と不幸な結果に終わる確率はどちらが上なんだろうか…。
そんなこと全てが「秋の寂しさ」から始まっているとしたら、秋から初冬にかけてはちゃんと気を入れて過ごさないと、場合によっては大きな傷を背負って人生を台無しにしかねない。
秋とはそんな注意が必要な季節なんだなぁ。
まぁ、そんなことは私とは無縁なことではあるのだが。

そうこうしているうち、低くつけたラジオからキャロル・キングの「去りゆく恋人」、原題「So Far Away」が流れ始めた。
しっとりとして郷愁感に満ちた切ない曲だ。
全くこんな曲かけられたら意味なく寂しくなってしまうじゃないか!
ラジオ局も粋なのか罪作りなのか。

秋の夜長に携帯で打ち始めた駄文であるがさすがに打ち疲れてきた。

そろそろ勘弁してやるか(笑)。