根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

はるび

2007-03-04 16:41:59 | エッセイ、コラム
暫く前から朝にウグイスの啼き声で目覚めるようになった。
彼らも上手く啼くには練習が必要なようで、初めはどこか
不自然な感じで啼いていたのが日に日に上達して、この
ところは上手に啼いているのが聞き取れる。

沈丁花の匂いが香っていると思ったら木蓮の花が咲き出
した。
梅は今日の暖かさで既に花吹雪を散らしていた。
暖冬であったので季節が早く進むという感じではあまりな
いのだが、感覚としては2週間くらい季節が早いか。

近所の駐輪場に駐車してあるスクーターのシートの上で、
陽に当たり気持ちよさそうに寝ているノラ猫を見つける。
起こさないようにそーっと近づき、猫の背中をチョンチョンと
突付いてみる。
暖かさでかなり深い眠りについていたのか、背中の皮膚
をピクピク動かすだけで目覚めない。
もう一度突付いてみると、さすがに今度は変だと思ったの
か、ハッと寝覚め、見知らぬ人間がそこにいるのを認める
と飛び起きて安全圏まで走って逃げて行った。
毛を逆立て眼を真ん丸にして驚き私の様子を窺っている彼
の姿を見て、思わず声を上げて笑ってしまう。
警戒心の高いノラ猫でさえ我を忘れ寝入ってしまう春の日
である。
春にはこういう楽しみもある(笑)。