熊本県の着ぐるみマスコット、くまモンが天皇、皇后両陛下に謁見する栄誉に浴した。ウルトラマンやゴジラ、ミッキー、ミニーでさえ叶わなかったのに、くまモンはとうとうやり遂げた。ゆるキャラのご時世、ここに極まれりである。
マスコミのウエッブサイトに動画や記事が掲載されている。ゆるキャラ史上、歴史的な瞬間にして画期的な出来事の目撃者として必見の内容である。

熊本県をご訪問中の両陛下が県庁を訪ねた際、くまモンが出迎え、歓迎の踊りを披露した。両陛下が見守る中、くまモンはYOSAKOI系の激しいダンスを繰り広げた。ゆるキャラとは名ばかりの素速くて、きれとこくのある動きだった。見かけはメタボな体形だが、めまぐるしい動きに荒ぶる野生児を感じた。このダンス、くまモン体操と言うらしい。
今にして思えば、くまモンはそこかしこに出没していた。テレビ、新聞、雑誌をはじめ、製品のパッケージなど至るところで目に付いていた。「ああ、熊本県のゆるキャラか。よくある動物の着ぐるみだ」。わたしには関心の持ちようのない存在だったが、世の中はそうではなかったようだ。ゆるキャラグランプリで優勝したり、観光客が一緒に写真を撮っているのがテレビニュースになるなど知名度と人気度を上げていった。
知人の大学教授に「なんで、あんなものが流行るの」と尋ねる。「今の日本の雰囲気を象徴しているんだよ。生真面目でもなく、と言って悪ふざけでもない。気ぜわしい世の中でほのぼのした気分に浸りたいんだよ」。なるほどね、と答えるしかない。
くまモンの顔をあらためて見てみる。これが、時代が求める顔だ。

耳がないとオットセイみたいだ。リンゴのような赤いほっぺをしているが、ウブな奴ではなさそうだ。なんせ両陛下の前でYOSAKOI系ダンスをやり抜いたほどだから。
皇后さまがくまモンに質問した記事が出ている。
「くまモンはお1人なの?」
しゃべらないくまモンに代わって知事が答える。
「子どもの夢を壊さないために、くまモンはくまモンです」
よくわからない会話である。皇后さまは多分、独身ですかと尋ねたのではないか。
これに対して知事の答えは不可解である。独身か既婚かのいずれかが答えのはずだが……。
「くまモンはくまモンです」。なんば言いよっとね、意味がわからんたい。
両陛下にまみえたくまモン、園遊会に招待があるやもしれぬ。勢いで叙勲も?
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