おはようヘミングウェイ

インターネット時代の暗夜行路。一灯の前に道はない。足音の後に道ができる。

ぺ・ヨンジュンとキム・ジョンイル

2004-11-29 | Weblog
 朝鮮半島の2人の人物が日本を席巻している。1人は歓喜で迎えられ、もう1人は嫌悪の対象としてマスコミにその姿を現す。

 NHKの本腰を入れた放送で、「冬のソナタ」の主演俳優、ぺ・ヨンジュンへの女性ファンのラブコールは高まるばかりだ。韓国の俳優の中でも抜きん出たスター性を持ち合わせ、女性的とも言える笑顔と感謝の仕草は、絵に描いたような好青年の印象を与える。「冬のソナタ」で流れる曲「最初から今まで」の、フランス語を思わせるような歌声は、声高で荒々しいという朝鮮語のイメージを一新させた。極めつけがぺ・ヨンジュンだ。洗練された姿は、韓国人という民族性や国籍を超えた魅力を日本人に見せ付けた。まさにスタアの誕生だ。

 一方、拉致事件や核問題で悪しき話題を提供する北朝鮮の首領、キム・ジョンイル。飢えて痩せた子供や貧困が漂う田園風景を映したニュースの一方で、太鼓腹で肥満型の姿は悪政者そのものだ。国民に生活の犠牲を強いり、自らと一族のみが幸せを享受するという歪んだ社会をつくりだした主でもある。サングラス姿で軍幹部を鼓舞する映像は、その風貌が示すように漫画的でもある。こんな人物に人生を左右される国民は不幸と言うものだ。

 ぺ・ヨンジュンはドラマを通じて夢を与え、キム・ジョンイルはその現実から悪夢を与える人物だ。あまりにも対照的な2人の存在。歩む方向はまったく反対ではあるが、2004年の朝鮮半島の歴史に足跡を残した。果たして来年はどんな展開を見せるのか。
 

 
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ガチンコ

2004-11-22 | Weblog
 魁皇の綱とりがかかる大相撲九州場所に出かけた。7日目で溜まり席6列目という相撲見物には好位置だ。立会いのぶつかり合いの「ゴン」という肉弾相打つ音も響いてくる。満員御礼が掛からなくなって久しいが、この日の後方の桝席には空きが見えていた。偶然だが隣席には、相撲の実況放送のうまさと「泣きの杉山」で知られた元NHKアナウンサーの杉山邦博さんがおり、ラジオ放送のイヤホンを耳に当てながら、眼前で繰り広げられている対戦の星取表を熱心につけていた。

 相撲の魅力はなんと言っても、強敵の力士たちが千秋楽に向けて優勝争いをし、毎日の一番一番で星の潰しあいをすることにある。そこに巨漢あり、筋肉質あり、あんこ型あり、技のうまさありなど多彩さが加わると愉しみは倍増するというものだ。

 若貴時代を頂点に相撲人気は今ひとつだが、横綱貴乃花に見られた「心技体」がそろった華のある力士がいなくなったことが大きい。勝負事だから勝てばいいというだけでは観客は納得しない。勝ち方の華麗さというものが、かつての名力士たちと比べると減った。横綱の大鵬、佐田の山、若乃花、北の富士、千代の富士、北の湖をはじめ、大関貴乃花(横綱貴乃花の父)、その息子たちの若乃花、貴乃花には強さや華麗さ、人気を得る風体があった。外国勢では高見山、小錦、武蔵丸、曙も巨漢で強かった。

 憎らしくなるほどの強さと、土俵際での上手投げなど華麗な技での勝ちっぷり。こうした相撲を見せる日本人力士が不在なのが、相撲の醍醐味を薄れさせている。外国人力士の活躍はいいことだ。それにも増して日本人力士の活躍が見たい。朝青龍を震撼させ、貴乃花の人気を上回る力士は、いつ出てくるのだろう。
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21世紀型男性 Ⅱ

2004-11-17 | Weblog
 私案としての素養。Ⅰの続き。

 文学論を語ることができる

 コンピューターに強い

 パイプ姿が様になる

 スーツ姿が似合う

 和服姿が粋

 映画評論ができる

 可能性に挑戦する気概がある

 夫婦円満であること

 犬か猫を大事に飼育する人であること

 人生哲学をしゃべることができる

 人間としての迫力、滋味があること

 品格、親近感をかもしだせること

 他人に幸福感を与えること

 歴史を語ることができる

 大富豪にして小説家、旅行家、創業者
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21世紀型男性 Ⅰ

2004-11-16 | Weblog
 次世代に向かう21世紀型男性の要素はいかに。こうありたい男性のための私案。

 ベンチプレスで100キロのバーベルを上げる

 書籍、新聞の早読みができる

 武術の素養あり

 冒険家であること

 旅が好き

 友に佳い女がいる

 質実剛健

 旨い料理を知っている

 見識あり

 きれいな日本語を話せること

 英語で議論ができ、ユーモアを語ることができる

 カップチーノ1杯で1時間の物語りができる

 鳥、虫、植物の名前を知っている
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ブルース・リーを撮った男

2004-11-15 | Weblog
 映画にとってカメラマンの存在がいかに大きいかを実感させられた。監督の思いを映像として描ききれるかは、作品の出来、不出来を左右する重要な要素のひとつだ。福岡市で開かれたアジア映画の祭典「ブルース・リーを撮った男 カメラマン西本正」に足を運んで分かったことだ。

 ブルース・リー作品の傑作の一つ「ドラゴンへの道」のカメラワークを西本正(にしもと・ただし)が担当した。リーのたっての願いから実現したという経過が、祭典の対談の中で強調されていた。対談には、映画評論家の山根貞男やジャッキー・チェンの一連の作品を手がけた元ゴールデン・ハーベスト副社長、チャイ・ランらが出席し、「日本・香港映画交流の現場」として西本正の役割や香港映画の興隆などについて語っていた。

 西本正のことは初めて知った。1921年福岡県筑紫野市生まれで、戦前は満州映画協会に所属し、戦後は新東宝を経て、50年代後半にカメラマンとして香港に渡った。カラー撮影やシネマスコープ撮影などの技術を香港映画界に導入し、香港カラー映画の父と呼ばれるほど貢献した。38年間在住し、96年に病気療養のため帰国、97年に76歳で亡くなっている。

 この間、「ドラゴンへの道」やリー遺作の「死亡遊戯」などを手がけたほか、マイケル・ホイの「ミスターブー ギャンブル大将」など香港映画49本の撮影に当たった。このなかには石原裕次郎らの日活青春アクション映画を撮った井上梅次が香港映画用にリメークした作品のカメラマンも務めた。日本での撮影作品には、「肉体の門」(48年、マキノ正博監督)や「東海道四谷怪談」(59年、中川信夫監督)などがある。

 1人の日本人カメラマンが香港映画界に貢献し、評価されるべき足跡を残したことは素直にうれしい。クンフー映画やアクション映画の中で燦然と輝くブルース・リーの作品にかかわったとくれば、うれしさは倍増するというものだ。一隅を照らす存在という生き方もいい。

 
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在米日本人向けフリーペーパーを読む

2004-11-12 | Weblog
 「WEEKLY U.S. Front Line」という名の日本語フリーペーパーを知人からもらった。在米日本人向けでニューヨークで発行され、タブロイド版をひと回り小さくした大きさで五十五頁。スタッフは男性編集長をはじめ、編集、広告、デザインなど十九人と、ロサンゼルス支局に五人という体制だ。男性十人、女性十四人でいずれも日本人だ。
 
 知人の友達がニューヨークで見つけて持ち帰り、それが私に回ってきたというわけだ。編集記者の記事をはじめ、ニューヨークタイムズ特約の記事、依頼原稿などで記事面は埋めてある。硬派記事中心で、グルメ巡りや飲食店紹介などがほとんどないところが日本のフリーペーパーと異なる。

 業種別広告索引という頁が記事面より前にあるのが特徴だ。掲載の多い広告を見ると、移民法などを専門とする「弁護士・法律サービス」、歯科医や美容形成外科などの「医師」、「人材派遣・紹介」、日本人学校や学習塾などの「教育関連」、健康食品・サプリメントなどの「健康関連」、「不動産関連」、「旅行関係」などが上位だ。広告索引の下の方にある但し書きに引かれた。「掲載の広告につきましては、一切の責任を負いかねますのでご承知おきください」という一文だ。広告の中身についての判断は自己責任ですというわけだが、ちょっと首をかしげるような但し書きではある。

 面白そうな広告文を拾ってみる。
 その1 「24時間日本語緊急ロードサービス」・・・確かに在米日本人には助かるサービスだ。
 
 その2 「市内観光&ガイドブック付 アイスランドの秘湯ブルーラグーン」「ロスから一番近い天然硫黄温泉」・・・米国にいても日本人の温泉好きは変わらない!
 
 その3 「マンガ喫茶 アトム 日本のマンガ、約2万冊!」・・・米国にまで進出してましたか。
 
 その4 「そうです!! 仕事見つけて人生変えて、それがあなたの人生です。」・・・日本人向けにしては変な日本語。
 
 その5 「日本語テレビ番組郵送レンタル 取り扱い番組数150本以上! 在庫テープ1000本以上!」・・・日本のことはやっぱり気になる? それにしてもビジネスチャンスの見本みたいな商売だ。
 
 まあ、これぐらいにしておくが、米国での日本人向け商売の在り様の一端が伝わってくる。「WEEKLY-」は東京・神奈川の一部書店で310円で販売されている。インターネット版(www.usfl.com)もあり結構楽しめる。
 
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ニューヨーク、ニューヨーク

2004-11-06 | Weblog
 世界で一番好きな街はと問われて、いつも即座に答えるのがニューヨークだ。街の魅力、活力とは即、そこに住み、集う人たちの魅力、活力に比例すると思う。多様性と現世の俗っぽさに満ちたところがお気に入りだし、一方で美術館や公園など文化・芸術、憩いの場所が充実しているのもいい。それに誰も私のことを知らないという、「透明人間」気分にも浸れる。
 
 ニューヨークの中でもセントラルパークが私には最上の場所だ。ジョギングをしたり、散歩したり、住民や観光客らがのんびりと行き交う姿はこころなごむものがある。広大な公園内を歩くと本当に人けのない場所があるなど、大都会の中でちょっとした森の探検気分も味わえる。これで小雨でも降って樹木の陰で雨宿りというのもいい。

 シープメドウという草原に仰向けになって雲の流れをぼんやり眺めると、「本当にニューヨークにいるのかな」といった不思議な気分にしてくれる。キャッチボールをしている親子や、私と同じように仰向けになって日向ぼっこしたり、ペーパーバックを読んだりしている風景があちこちに広がる。
 
 セントラルパークは映画やテレビドラマの撮影場所としても有名だが、私が訪れた春先にもテレビドラマの撮影があっていた。見知らぬ若い男女の俳優が低木のそばで会話を交わす場面だった。椅子に座っておしゃべりしたり、木陰で憩う人など絵になる風景だと思っていたら、全員がドラマのエキストラで、本物以上に本物の雰囲気がある演技だった。

 大好きな都市だけれど、あえて難を言えば、食べ物の味覚がやはり私にはちょっと合わないことだ。長年、日本食で過ごし日本の食事は最高と思っている人間にしてみれば、味覚の違いはいかんともしがたい。それに英語という外国語を話さなくていけないというのも、思っている以上に神経を使っているものだ。みんながみんな、カーペンターズの歌のようにきれいな英語で話さないしね。
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この世で最高の女

2004-11-03 | Weblog
 男にとって最高の女とはどんな女になるのだろうか。
 
 ある富豪いわく、いろんな意味で男を立てる女だ。立てられた男は気持ちがいいもんだ。
 
 あるプレイボーイいわく、性格がいい女だ。性格の悪い女は男に失望だけをもたらす。

 ある「ひも」いわく、金持ちで世話好きの女だ。男に何一つ不自由させないからだ。

 ある小説家志望の男性いわく、料理がうまい女だ。食事は健康、仕事、生活などすべての基本だから。

 どれも納得がいくものばかり。知人の女性が言っていた。女が男に愛情を感じているかどうかを見分ける簡単な方法は、男にきちんと手作りでおいしい食事を食べさせているかだそうだ。手抜きや冷凍ものを出しだしたり、やたら外食をおねだりするようになったりしたら要注意だという。と言うよりも愛情はかなり薄れているという。女は、本当に大事な男にはきちんとした、おいしい食事を三度、三度つくりたくなるそうだ。

 愛妻弁当がいつのまにか消えた日は愛情の炎が消えた日なのかもしれない。男のためにご飯をつくる情熱がなくなったら、愛情もなくなったも同然というわけだ。

 

 
 
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