全国の緊急事態宣言の解除で閉じた新型コロナウイルス騒動の第1幕。いま、わたしたちは第2幕目の中にある。コロナウイルス対応担当の経済再生相が言うように、小さな感染の動きは必ず起きますが、それを大きな感染の動きにしないことです、との指摘に応じることができるかどうかが演目の主題となる。そして第2幕が閉じると―第1幕に再び戻るということもありうるが―、次なる第3幕となり、大団円となる終幕はワクチンが出来て、多くの人たちに免疫ができるまでとなる。
この間、感染したものの、発症することなく普通に暮らしをして、なにげない日常の一環として、笑い、食べ、働く人たちが増えていき、社会全体として免疫ができてしまったという状況が広がっていくのかもしれない。ワクチンが完成し接種するときには既に体内に免疫あり、というわけだ。こうした希望的観測風な展開の裏をかくようにしてウイルスは感染を増幅しながら変異して凶暴性を高めて社会を混乱させ、幕引きを長引かせるかもしれない。
コロナウイルス騒動前には3密だった社会の動きが感染拡大に伴って経済の歯車が逆回転した。社会で循環していたお金の流れがあちこちで動脈硬化を起こしてしまった。飲食、宿泊、接客業などを主体に休業や売上激減で深刻な影響を受け、事業者や従業員らの困窮の声がメディアでいくつも取り上げられた。支給が遅いなどの理由で評判が芳しくないアベノマスクをはじめ、甚大な額面の公的資金の投入が首相の口から発表された。空からお金が降ってくる! そんな超が付く大盤振る舞いな支援、支給策の連発である。不要不急な行動の対極にある必要緊急にして空前の金融政策となる。
経営者の知人と電話で話しながら「コロナウイルス騒動が落ち着いたら、増税が始まるな。まずは消費税からだろうか」といった先読みの展開が話題となった。さらに1人10万円を支給するという特別定額給付金にいたっては、こんな形でベーシックインカムが実現してしまうなんてと驚いたほどだ。ベーシックインカムの論議はコロナウイルス騒動前から格差社会を失くしていく一助としてあったが、国民1人ひとりに働かなくても生活資金を支給するなんて、資本主義社会でそんなこと夢物語ではと思っていたが、瓢箪から駒ではないが、コロナウイルスから10万円という展開で日の目を見ることになった。実績が1例でも出来たという意味合いは大きい。国の金庫番の財務省はしかめっ面だろうが。わたしのところにも「重要」「親展」と黒地に白抜きの文字が表に印刷された封書で申請書が自治体から届いた。善は急げ!(銭は急げ!)で即仕上げて投函した。武術の心得があるから何事につけ打ち返しが速い性分なのだ。
人類よ、こんにちは! こんな塩梅で人から人へと感染し世界中に広がった新型コロナウイルス。立ち技、寝技、関節技で人々の健康、暮らし、経済生活に悪影響をもたらす非生物だが、ヒトを翻弄するにも程がある。個人的な思いとして宣告しておこう。共存はしても共栄はさせないよ。ワクチンが出来れば、元居たコウモリのところにとっとと戻ることだな。VIRUS RETURNS.これが終幕での君たちの最終場面だよ。バットバ~イ、コロナウイルス!