新年の開花の1番乗りはロウバイだった。ロウバイ科ロウバイ属だが、北風に全然狼狽することなく、目にも鮮やかな黄色の色彩が景色の中に浮き出てきた。中国が原産だったのか。
2番手は白いウメの花だった。葉に先だって開花し芳香を放った。奈良時代に中国から渡来した。バラ科サクラ属という。初めて知った。樹木を1周りして開花の様を眺め回したが、バラにも、サクラにも思いが至らなかった。
すっかり忘れていたのがあった。ツバキ! 白、ピンク、赤のトリオ・ザ・パンチョス。咲き終えると、花びらを散らすという軟派なことはしない。介錯されたようにポトリと花ごと落ちる。地に落ちて、その艶やかさでもうひと花咲かす。ツバキ科ツバキ属。まさに本家本元である。
ツバキが出れば、サザンカにもお出で願わなくては。こちらも白、ピンク、赤とツバキと同じトリオ。葉はツバキより小さくて細い。花の散り方は1枚ずつはかなげに落ちていく。ツバキ科ツバキ属だが、分家のようだ。
ここからは思い出し先着順でいこう。まずはレンギョウ。春の到来を告げる黄色い蝶のように枝にまとわりついている。その色彩はお日様に照らされて、ほのぼのとした温もりと、取り立てて理由もなく小さな幸せをなぜか感じさせてくれる。眺めていると微笑みを返したくなる。
しっかり者なんだけれども、なぜかネガティブな名で呼ばれるボケ。鳥で言えばアホウドリ、4つ足で言えばナマケモノみたいに、選挙では連呼できない名前である。漢字で書けば、木瓜。木と瓜でボケと無理やり読ませられるとは。ここまでボケられるとツッコミようがない。バラ科ボケ属とか。バラ科として誉れ高く、威勢良く胴上げされて、ボケ属として無慈悲にして、冗談抜きに地面に落下させられる運命を辿る。白、ピンク、赤と花の色合いはボケてはいないのだけれどもね。この言い方自体がある種のハラスメントか。名誉棄損で訴えられる? そのときは、とボケるか。
コブシの白い花が青空を背景に風に揺れる様はなかなかいい。モクレンよりひと周り小さめの花たちが鈴なりになって大きな白い花の塊へと化ける。早春の白昼に照り輝く花火のようだ。
優勝パレードで撒く小さな紙吹雪か、あるいは小雪の舞いのようなユキヤナギ。原産地は日本! メード・イン・ジャパ~ンだ。長く伸びた枝に覆いかぶさるように咲き誇る。風に吹かれて揺れている。なんと素敵で爽やかな春のスイングなのか。
春の季節にだけ存在感を誇示するのがヤマザクラ。緑の山の中にあって日ごろはからっきし目立つことがないが、開花のときだけは山の中の王様か女王様となる。ソロでよし。デュエットやトリオもいい。さらにオーケストラで春を奏でる様は壮観でもある。
ゴールデンウイークと言えば、九州じゃツツジでござる。白、ピンク、赤とはじけるような咲きっぷりは行楽気分も盛り上げてくれる。絵具で染め上げたようなとはこのことか。かき氷にかける蜜の彩りを連想してしまう。
ツツジの高揚感を上から目線で静かに見下ろしているのがフジ。行楽客の騒がしさとは別世界の佇まいを見せている。世の中が浮き足立ってもけっして熱することもなく、いつも冷静沈着にして、はしゃぐことはない。平安時代の楚々たる貴婦人のようでもあり、アジアン・クール・ビューティーのようでもある。
人知れず静かに咲くのはヤマブキ。日差しの弱い木陰でヤマブキ色としか言いようがない印象的な色合いを見せている。新緑の葉の中で3Dのように色彩が浮きあがっている。前後左右を見渡して誰もいなければ、そっと唇をよせて軽くキッスをしたくなるような魅力を持っている。
2番手は白いウメの花だった。葉に先だって開花し芳香を放った。奈良時代に中国から渡来した。バラ科サクラ属という。初めて知った。樹木を1周りして開花の様を眺め回したが、バラにも、サクラにも思いが至らなかった。
すっかり忘れていたのがあった。ツバキ! 白、ピンク、赤のトリオ・ザ・パンチョス。咲き終えると、花びらを散らすという軟派なことはしない。介錯されたようにポトリと花ごと落ちる。地に落ちて、その艶やかさでもうひと花咲かす。ツバキ科ツバキ属。まさに本家本元である。
ツバキが出れば、サザンカにもお出で願わなくては。こちらも白、ピンク、赤とツバキと同じトリオ。葉はツバキより小さくて細い。花の散り方は1枚ずつはかなげに落ちていく。ツバキ科ツバキ属だが、分家のようだ。
ここからは思い出し先着順でいこう。まずはレンギョウ。春の到来を告げる黄色い蝶のように枝にまとわりついている。その色彩はお日様に照らされて、ほのぼのとした温もりと、取り立てて理由もなく小さな幸せをなぜか感じさせてくれる。眺めていると微笑みを返したくなる。
しっかり者なんだけれども、なぜかネガティブな名で呼ばれるボケ。鳥で言えばアホウドリ、4つ足で言えばナマケモノみたいに、選挙では連呼できない名前である。漢字で書けば、木瓜。木と瓜でボケと無理やり読ませられるとは。ここまでボケられるとツッコミようがない。バラ科ボケ属とか。バラ科として誉れ高く、威勢良く胴上げされて、ボケ属として無慈悲にして、冗談抜きに地面に落下させられる運命を辿る。白、ピンク、赤と花の色合いはボケてはいないのだけれどもね。この言い方自体がある種のハラスメントか。名誉棄損で訴えられる? そのときは、とボケるか。
コブシの白い花が青空を背景に風に揺れる様はなかなかいい。モクレンよりひと周り小さめの花たちが鈴なりになって大きな白い花の塊へと化ける。早春の白昼に照り輝く花火のようだ。
優勝パレードで撒く小さな紙吹雪か、あるいは小雪の舞いのようなユキヤナギ。原産地は日本! メード・イン・ジャパ~ンだ。長く伸びた枝に覆いかぶさるように咲き誇る。風に吹かれて揺れている。なんと素敵で爽やかな春のスイングなのか。
春の季節にだけ存在感を誇示するのがヤマザクラ。緑の山の中にあって日ごろはからっきし目立つことがないが、開花のときだけは山の中の王様か女王様となる。ソロでよし。デュエットやトリオもいい。さらにオーケストラで春を奏でる様は壮観でもある。
ゴールデンウイークと言えば、九州じゃツツジでござる。白、ピンク、赤とはじけるような咲きっぷりは行楽気分も盛り上げてくれる。絵具で染め上げたようなとはこのことか。かき氷にかける蜜の彩りを連想してしまう。
ツツジの高揚感を上から目線で静かに見下ろしているのがフジ。行楽客の騒がしさとは別世界の佇まいを見せている。世の中が浮き足立ってもけっして熱することもなく、いつも冷静沈着にして、はしゃぐことはない。平安時代の楚々たる貴婦人のようでもあり、アジアン・クール・ビューティーのようでもある。
人知れず静かに咲くのはヤマブキ。日差しの弱い木陰でヤマブキ色としか言いようがない印象的な色合いを見せている。新緑の葉の中で3Dのように色彩が浮きあがっている。前後左右を見渡して誰もいなければ、そっと唇をよせて軽くキッスをしたくなるような魅力を持っている。