命にかかわるような暑さが猛威を振るう世の中にあって、修験道の山麓にある里山古民家で閉門蟄居、食事は一汁三菜に徹し、こまめ、こまめの繰り返しでまめが発芽するくらいの頻度で水分補給を繰り返すという、品行方正にして瞑想三昧な規則正しい生活を続けるとどうなるか。即身成仏、悟りの境地に達するかと思いきや、朝が来たから起きて、昼になったから食事をし、夜が再び訪れたから就寝するという、ただただ規則正しいだけの生活を繰り返すだけの、普通の人になることが分かった。なにが足りないのか? たえず流れ行く時間が織りなす暮らしの中に綾と彩、ぴりりとした刺激、渋み、酸味、あるいは爽快さをもたらすスパイスなるものが不足していると気づく。それで、暮らしに潤いと艶を加味するスパイスなるものはどこにあるのか。都会にあるという森を訪れて探してみよう。
階下フロアーから吹き抜けの壁面を飾る書棚。本は読むだけでなく見るもの、眺めるものでもあるんだね。
色鮮やかな装丁の本が並ぶ書棚。本の森には知の果実がたわわになっている。
書棚の森の中にある喫茶店のディスプレイ。積ん読も読書の1つだよね。
喫茶店の外観。LPレコードあり、色付きグラスありで、インテリアを活かす才に涼しささえ感じてしまう。
吹き抜けの壁って、いいよね。
そうか、本は手に取って読むだけではなく、頭に乗せて感じ入るものだったのか!
暮らしの中に埋没した歯ブラシも魔法を掛ければアートになる。
歯ブラシがアートになれば、色鉛筆だってアートになるよね。
色鉛筆がアートになるなら、分度器や三角定規もなるに決まってるさ。
苔なんかアートの本家本元の資格十分。額の中の苔が大森林を表す。
絵葉書も蝶ネクタイもキーボードも本の頁もすべてがアートに生まれ変わる。
スパイスなるものとはアートそのものだ。暮らしの中に取り入れておくべきもの、それはアートを創り出す感性。
映画館は身近にある異空間。猛暑の夏の憂さを吹き飛ばすには、空調の利いた真っ暗な空間に腰かけ、大画面で繰り広げられる冒険活劇なんかがお勧め。
清く、正しく、美しく、男どもにめっちゃ強いのが女たちです。
最上のスパイスなるものとは、行き着くところ、くの一だ。
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