おはようヘミングウェイ

インターネット時代の暗夜行路。一灯の前に道はない。足音の後に道ができる。

アロハシャツでイタリアン ハワイにて 11

2024-09-08 | Weblog

ハワイならではの郷土料理を味わうのもいいが、ハワイであえてお気に入りの洋食を愉しむのも一興である。オアフ島周遊の相方となった知人とともにワイキキの中心地区にあるイタリアンに出かけた。予約を知人が事前に取り、わたしが運転・案内役の知人をねぎらう夕食。宝石店ティファニーのお店を曲がった先に今宵の宴の場があった。ティファニーで朝食ならば、イタリアンで夕食となる。

お目当ての店はタオルミーナ・シチリアン・キュイジーヌ。総料理長は日本人で、ワイキキで人気のあるイタリアンだという。夕方5時の開店と同時に入店、2階にある席に案内された。細身で長身、愛嬌のいい黒人女性がわたしたちの席の担当となり、英語と日本語が併記されたメニューを手渡された。日本人が「ここのイタリアンは旨い!」としてたくさん訪れる店だと分かる。

知人はビール、わたしは赤ワインを頼み、愉しい周遊を想い巡らしながら乾杯。コースではなく、アラカルトで好きな料理を選ぶ。料理が主役ではなく、会話が主役となる宴なのだ。旨いイタリアンは滑舌をよくする盛り上げ役である。大盛のサラダを2人で取り分け、メーンディッシュのパスタを話の合間にフォークで巻き上げて食べていく。

予約客たちらが三々五々、来店して全席が埋まったようだ。それぞれの客たちは料理とアルコールを味わいながら歓談の時間を過ごしている。隣りの席には日本人の男女が座った。30代後半ぐらいで、現地勤務風で落ち着きを感じさせる2人だった。注文した料理がわたしたちと同じだった。おいしそうに食べていたわたしたちに触発されたのか、たまたま同じ嗜好だったのか。締めは珈琲に加え、イタリアンと言えば、やっぱりジェラート。今宵は大食ではなく、程よく食べるイタリアンだ。店を出たわたしたちはワイキキビーチへ出かけ、夕涼みを味わった。これもまた、目には見えないながら、おいしいデザートとなった。

イタリアンの開店前のひと時をギャラリーで過ごす。モダンアートは多様で描き手自身がキャンバスを舞台にめいっぱい愉しんでいる。巧拙はともかく、絵画を観る時間って素敵なひと時でもある。題材、色使い、独自性など、感性を刺激される。気さくなスタッフの了承を得て撮影させてもらう。

 

開店と同時に入ったタオルミーナ・シチリアン・キュイジーヌ。1番乗りだった。エレガントでスタイリッシュな雰囲気である。

 

注文した料理が出てくる合間、グラスワインを吞みながら自席から階下の店内を眺める。ハワイと言うよりは、ヨーロッパの風情が漂っている。パリの裏通りの小粋な料理店という感じか。

 

食後はワイキキビーチで夕涼み。着用したアロハシャツは日本から持参した手持ちのもの。里帰り着衣となる。ハワイでは正装として扱われる便利なシャツである。程よく焼けた両腕からはワイキキの爽やかな微風を感じさせるオードトワレが香り立つ。名付けてTHE BREEZE OF WIKIKI(ワイキキのそよ風)。そんな幻想が両腕にまとわりついた。

 

ダイヤモンドヘッドを背景にワイキキビーチの突堤から夕陽を眺める人たち。夏の宵の絵のような風景だ。

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