石原慎太郎氏宛て警告・性的少数者差別発言に関する人権救済申立事件/日弁連

2014-04-28 17:17:39 | 社会
元東京都知事である石原慎太郎氏は、東京都知事であった時に、東京都庁を訪れて条例改正案の成立を求める要望書を提出した東京都小学校PTA協議会等5団体の代表者に対し、「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」等と発言した。

また、都政記者クラブ所属の記者から上記の発言の真意について質問を受け、「(同性愛者は)どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」等と発言した。

さらに、週刊ポストに掲載された記事において、「同性愛の男性が女装して、婦人用化粧品のコマーシャルに出てくるような社会は、キリスト教社会でもイスラム教社会でもあり得ない。日本だけがあってもいいという考え方はできない」等と主張(発言)した。

かかる各発言は、いずれも東京都知事としての発言であり、同性愛者等の性的少数者を蔑視し、社会から排除しようとする差別発言である。
また、性的少数者に対する差別あるいは差別意識を助長する発言であり、性的少数者の人権を侵害している。
石原氏が現在も衆議院議員であり、これまで日弁連が差別発言による人権侵害を二度にわたって指摘し、要望及び警告してきたことを踏まえ、同氏に対して他者の人権を侵害する差別発言をこれ以上繰り返さないよう強く反省を求め、再度警告した事例。

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日弁連総第3号
2014年(平成26年)4月22日

元東京都知事 石 原 慎太郎 殿

日本弁護士連合会
会長 村 越 進

警 告 書

当連合会は,Xほか2名の申立てに係る人権救済申立事件(2011年度第22号人権救済申立事件)につき,貴殿に対し,以下のとおり警告する。

第1 警告の趣旨

貴殿は,東京都を統轄し,代表する東京都知事であった時に以下の各発言を行った事実が認められる。

1 2010年(平成22年)12月3日,18歳未満の青少年の福祉を害するおそれがある書籍,雑誌,映画,がん具等の販売,頒布,貸付,観覧等について,自主規制を求めたり,不健全であることを指定したりすること等を定める
東京都青少年の健全な育成に関する条例(以下「東京都青少年健全育成条例」という。)について,東京都庁を訪れて条例改正案の成立を求める要望書を提出した東京都小学校PTA協議会等5団体の代表者に対し,東京都知事として「子供だけじゃなくて,テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」等と発言した。

2 同年12月7日,都政記者クラブ所属の記者から上記1の発言の真意について質問を受け,東京都知事として「(同性愛者は)どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」等と発言した。

3 週刊ポスト2011年(平成23年)2月25日号45頁以下に掲載された記事「我欲の時代だからこそ軍隊経験で修練を」において,東京都知事として,東京都青少年健全育成条例による規制の必要性を説く前段で,日本を駄目にする「我欲を満たすための野放図な害悪」として「同性愛の男性が女装して,婦人用化粧品のコマーシャルに出てくるような社会は,キリスト教社会でもイスラム教社会でもあり得ない。日本だけがあってもいいという考え方はできない」等と主張(発言)した。

これらの発言はいずれも,東京都知事としての発言であり,同性愛者等の性的少数者(以下「性的少数者」という。)を蔑視し,社会から排除しようとする差別発言であるとともに,性的少数者に対する差別あるいは差別意識を助長する発言であり,性的少数者の人権を侵害している。
そのため当連合会は,現在も衆議院議員であり,政党の共同代表でもある貴殿に対し,これまで差別発言による人権侵害を二度にわたって指摘し,要望及び警告をしてきたことを踏まえ,貴殿による度重なる人権侵害発言は極めて重大であると判断し,他者の人権を侵害する差別発言をこれ以上繰り返さないよう強く反省を求め,再度警告する。

第2 警告の理由
別紙「調査報告書」記載のとおり。
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/hr_case/data/2014/complaint_140422.pdf

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