バグダードでアラブ服を着て爆発準備中の2米国人逮捕_米軍が救出ほか/アラビア・ニュース

2005-10-13 08:34:27 | イラク
9月にイラク警察がアラブ服を着て爆発物や起爆装置を所持していた英国の秘密工作員がバスラで逮捕され、英軍戦車によって「解放」されたが、占領軍によるテロ活動と、捕獲された官製テロリストの強奪は英軍の専売特許では無い。似通ったケースで米人二人が住民によって逮捕された。12日付のアラビア語紙クドゥス・プレス(本社ロンドン)が特報で伝えた。
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 イラクの首都バグダード西方の住宅地の中心部でアラブ服を着て変装し爆発物搭載車を爆発させようとしていた米国人2人を数人のイラク人が取り押さえた。

 バグダード西方のガザーリーヤ地区の住民が本紙に語ったところによると、11日の午後カプルス(発音不確か)という車種の車を同地区の住宅地近くに停めていた二人を発見、逃げ出す前に不審に思い逮捕した。二人は米国人であることが判明した。

 イラク警察が連絡を受け現場に到着した5分後に米軍の大部隊が現場一帯を包囲し、住民が呆気に取られている中、二人を装甲車のハマーで急ぎ連れ去った。

 本紙通信員がガザーリーヤの警官に電話で問い合わせたところ、この事件の存在と、二人はアラブ人では無いことを確認したが、正確な国籍までは特定しなかった。

 なお、バスラの警察はおよそ1ヶ月前に、バスラで爆発を起こそうとしていた英国人二人を逮捕している。
二人はその後英軍によって強引に釈放されたため、バスラの住民と英軍との関係が緊張している。

http://www.qudspress.com/data/aspx/d35/15265.aspx
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このような事件はアラブの自由系メディアでは時折報道されるので占領軍がテロ活動をしていることは現地では常識であるが、西側大手メディアは黙殺している。
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ライス米国務長官顧問団が捻り出した当面のイラク出口作戦

コンドリザ・ライズ米国務長官はおよそ1ヶ月前、自身の顧問団と、大きな危機に見舞われた時に対策を練るために歴代の米国当局が助力を求めてきた一部の米国人専門家を会議に召集した。議題はただ一つ、イラクの現状とこの泥沼からの脱出法だ。パリ在住で出版社を経営するレバノン人の政治論客アリー・ナーフィズ・マルアビー氏が12日付のバスラ・ネットで報告する。
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  ライス女史は会議の冒頭語った。「イラクでの暴力の激化は米国当局を懸念させる。我々の人的物質的損失は極めて憂慮すべき状態に増大した。今日メディアの目から隠蔽出来ていることは、まもなく不可能になる。物的損失は資金を出してくれる筋に駆け込むことも可能なので、我々の基本目標は特に人的損失を減らすことだ。

 専門家の意見は次のように要約できる。「イラクの現状は政治的にも治安上からも袋小路にあるので、イラクから抜け出すことが必須だ。イラクの国民は米国に協力してきたイラク人を誰も信用しておらず、彼らは実のところ、政治的にも治安上からもお荷物になっており、米軍の警備無しにはバグダードの要塞であるグリーン・ゾーンから一歩も出られない状況だ」

 顧問団の意見も専門家のそれと大同小異であるが、撤退工程を次のように身勝手に描いている。

1)投票率は度外視しても、所謂「憲法」を承認する。

2)米軍が名誉ある形でイラクから撤退するために、対話する相手となるべき「イラク抵抗勢力」という名前を付けた架空組織、或はどうでも良いような組織や政党、勢力でも構わないから探し出す。

3)「外国人テロリスト」こそがイラクでの政治解決を邪魔し、イラクの民間人を襲撃していると印象付ける対象として、所謂「アブー・ムスアブ・ザルカーウィ」とイラクのアルカーイダに的を絞る。

4)抵抗勢力やバース党司令部が発するいかなる声明も公表しないよう、メディアに圧力を掛け続ける。

5)人々の関心の的を、憲法草案に対する国民投票の4日後に始まると発表されたサダム・フセイン(元)大統領の裁判に向けさせる。国民投票の結果は、賛成の割合が75%から85%と事前に決められている。

以上5項目をざっと検討するとそれぞれ以下の点に気がつくであろう。
1)米国とイスラエルのロビーで用意された「憲法」は仮に3つ以上の州がボイコットしても、国民投票という茶番劇を通じて制定される。何故なら憲法は承認されるために存在しているのだから。

2)この第二項目も極めて重大だ。仲介者を通じて米国人が、現状を沈静化し、(米軍にとって)安心できる勢力を政界に引き入れるために対話を求めて、特にスンナ派の諸勢力や諸政党、諸組織に接触しているとの情報が流布している。米軍に協力するトロイの木馬を見つけ出すために、イラク・イスラム党などのような勢力が、米軍と、傍流の抵抗勢力組織やスンナ派有力者との橋渡し役を確保するために活発に動いていると言われている。
 入手した情報によると、接触を開始した時には、何の進歩も無く、相手陣へ食い込むことも出来なかった。その理由は恐らく、彼らの中には抵抗勢力と相対立した立場に身を置きたがらない者が居るからだろう。また、米軍やその手先であるバドル旅団やダーワ党、ペシュメルガなどが、特にスンナ派地域や、占領とその手先に反対する全ての勢力に対して猛烈な攻撃性を有しているという理由もある。
 
3)ザルカーウィやアルカーイダに関してだが、次のような疑問が湧く。アルカーイダが長年アフガニスタンで活動しているのに、何故現地の米軍にゲリラ戦を指揮し、有効な抵抗運動を出来なかったのか?極稀にしかそのような話を耳にすることが無いのは何故か?

4)抵抗勢力の背柱たるイラク・バース党の書記長のイッザット・ドーリー・イラク共和国副大統領の声明と、アブー・ムスアブ・ザルカーウィと称せられる人物の声明とどちらが重要だというのか? ニュースメディアやテレビ局は、インターネットのサイトからザルカーウィやアルカーイダの声明を見つけ出したと騒ぎ立てるが、何故同じネットに掲載されているイッザット・ドーリーの声明を見つけないのだろうか? 如何に重要であってもバース党の声明は無視され、どんなに不毛な内容でもザルカーウィやアルカーイダのものなら持て囃されるのか?

5)サダム・フセイン大統領の裁判というのは、米軍の甚大な損失などから関心を逸らすための劇の一環だ。米国人は米軍の死者については話題にしても、負傷者に関して語ることは滅多に無いが、ドイツと米国の消息筋によると、侵略開始以後の米軍の負傷者は4万人を超え、その6,7割が生涯の障害者である。彼ら障害者はいずれ(病院から)社会に出てきて米国が蒙った人的損失の大きさに米国と国際世論を驚愕させるだろう。また負傷者は死者よりも遙かに国庫の負担となる。 

 今まで眠りこけていたアラブ連盟が急に目覚めて「イラクの国民和解」に向けて動き出したが、占領以後、バース党員や民族主義者、愛国者、イスラム主義者など全ての抵抗勢力同士の和解は既に実現しているのだ。彼らが占領反対勢力と占領軍の手先との和解などと寝ぼけたことを目指しているのなら、また眠りに付いたほうが良かろう。

http://www.albasrah.net/ar_articles_2005/1005/nafth_111005.htm



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