放射線調査1日目 ――現場レポート/グリーンピース

2011-03-27 12:14:29 | 社会
みなさん、こんにちは。
ボランティア・キャンペーンサポート担当の宮地です。

僕は、3月24日から福島県双葉郡内の福島第一原子力発電所の周辺地域での放射線調査を行うため、来日したヤン・バンダ プッタ(放射線安全アドバイザー/グリーンピースインターナショナル)とヤコブ・ナミンガ(グリーンピースオランダ)ら4人と共に山形県米沢市に来ています。今回の活動の目的は、原発周辺の正確な放射線レベルや、この周辺に住む方たちへの健康への影響を独自に調査することです。

調査に先立ち僕たちは3月25日、米沢市内で避難所になっている米沢市民体育館に向かいました。この避難所は福島第一原発の近くに住む人たちが多く、避難生活や原発事故のお話を伺ってきました。

「地震も怖かったけど、原発の事故を聞いてもっと怖くなってここに避難してきた」


「政府が発表している放射能レベルが本当なのか信じられない。私はここに避難してきたけど、まだ友達は福島に残っているからすごく心配」


「放射能が与える子供への影響がすごく心配。今はもうどこにも行けない」


「私は福島市南相馬に住んでいて、今回の地震と原発事故で自分の家を失ってしまいました。息子は福島第一原発で働いていました。いつも原発の安全性について大丈夫だと言っていました。まさかこんな重大な事故が起こるとは考えてもいなかったでしょう。私は一日でも早く自分の故郷に帰りたいと願っています」

僕は、避難所にいる方たちからこのようなお話を伺いとても辛く苦しい気持ちになりました。原発周辺に住む方たちは日常生活を今回の地震そして原発事故で奪われ、そしていつ原発事故以前の生活を取り戻せるか分からなくなりました。避難所での厳しい環境下での生活が続いています。小さな赤ちゃんも必死に耐えている姿もありました。それでも、お互いが声をかけて気遣う場面もあり、人の優しさ、強さを感じ復興への光を強く感じました。

避難されている方たちは、自分たちが住んでいる地域で実際に何がおこっているのか正確な情報を必要としています。今回の僕たちの活動が、少しでもその方たちのお役にたてることを願っています。

そして、翌26日、福島市内から福島第一原発まで30キロまでの間で、放射線レベルの測定調査を行いました。この日の活動を通じて、改めて今回の原発事故が与えた影響を実感しました。自主退避勧告が出ていない30キロ圏外の周辺の村落にとどまっている方はほとんど確認できませんでした。商店なども軒並み電気は消されたまま。ここに住まれていた方たちが、安全な場所に避難できているのかという思いを抱きながら、調査活動を行いました。

福島第一原発から半径30キロメートル地点には「危険 立ち入り制限中 福島県警察」の立て看板があり、岡山県警の方たちが制服姿にマスクをはめて検問をしていました。僕が持っている簡易測定器でこの地点を計測したところ、放射線数値は毎時11マイクロシーベルトに達していました。

また、地域によってはこれよりも高い放射線量が測定されました。この調査は数日間行い、その結果をまとめた上で東京にて報告する予定です。


今回被災された方たちに一刻も早い平穏な日々が訪れることを祈っています。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/1/blog/33958

独自の専門家チーム、福島県で放射線調査を開始

プルトニウム1トン入りの核燃料、4月に日本へ: 見送りに
こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。

悲しいニュースが多い中、すこし前向きな緊急ニュースが入ってきました。

昨日、グリーンピースはフランスの原子力企業アレバ社が、同国の核燃料工場で再処理した約1.2トンのプルトニウムを含む82体のMOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を4月上旬にもフランス、シェルブールから日本に向けて海上輸送する準備が進められていることを暴露しました(共同通信2011/03/25)。これらのMOX燃料には、合わせて約1.2トンのプルトニウムが含まれているとみられています


――と、日本でもプレスリリースを配信した直後、関西電力と中部電力がこれを当面延期するとの報道がありました。現在の福島原発の事態を考えれば、当然の判断ではないでしょうか。

共同通信(2011/03/25)
MOX燃料の海上輸送、当面延期 関電と中部電、地震と事故で

今回輸送される予定だったMOX燃料82体の行き先は、

東京電力の福島第一原発3号機(32体)
中部電力の浜岡原発4号機(30体)
関西電力の高浜原発3号機(20体)
放射能漏れ事故を起こしている福島第一原発3号機で使われる予定の燃料も含まれていたとみられます。前出の共同通信の記事では、東京電力については言及がありませんが、3号機の現在の状況を見れば、新しい核燃料が必要ないことは明らかです。

輸送される予定だったMOX燃料は、東京電力、中部電力、関西電力の3社がアレバ社に発注し、日本の原発から出た使用済み核燃料をフランスの再処理工場に運び、プルトニウムを取り出し燃料に加工したもの。プルトニウムは、体内に蓄積されると強い発がん性をもち、核兵器の原料にも使われる非常に有害な物質です。

フランスのシェルブールから日本へはこれまで、2010年4月、2009年3月、2001年と1999年の合計4回MOX燃料が運ばれています。

今回、このMOX燃料の輸送を止めることができたことで、福島第一原発だけでなく、プルサーマル計画、そして原発の将来にも大きな影響が及ぶことになると思います。

今回の大地震による福島原発の深刻な放射能漏れ事故は、私たちに欠かせない食べ物、水、空気、土などを汚染し、何百万もの人に不安を与えています。グリーンピースは、リスクを背負い原発推進のエネルギー政策を続けていくのではなく、災害に強い分散型の自然エネルギー、そしてより先進的なエネルギー利用の効率化に政策を変更することを訴えています。




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