陸上案こだわらず。大野・額賀両氏が会談。普天間移設、柔軟対応で一致

2005-10-13 20:22:02 | 沖縄
大野功統防衛庁長官と自民党安全保障調査会の額賀福志郎会長は十二日、防衛庁で会談し、米軍普天間飛行場の移設先をめぐり、日本政府が主張してきたキャンプ・シュワブ陸上案にこだわらず、柔軟に対応することで一致した。(沖縄タイムス)
大野長官は「どの案にも一長一短がある。事務当局には柔軟に対応するよう言ってある」と述べ、陸上案にこだわらない意向を示した。額賀氏は陸上案について「上の方の陸上(内陸)にこだわって米国と対立してもいけない。いい知恵を絞るべきだ」と指摘。米側が提案している辺野古リーフ内縮小案(浅瀬案)の検討に加え、シュワブ沿岸兵舎地区への滑走路建設も視野に入れ、近く党の考えを提案する考えを示した。
 額賀氏は、在日米軍再編協議について「今後のアジア太平洋地域で、日米同盟関係がどうあるべきかが問われていることが原点にある」と強調。普天間飛行場の移設先見直しで、日米協議が決裂することに懸念を表明した。

 その上で「普天間の問題を除いては画竜点睛を欠く。先延ばしはできない」と述べ、早期の決着が重要との認識を示した。

 シュワブ陸上案については「ヘリポートが造られると、米軍の機動的な訓練に支障を来す」とし、実現は難しいとの見方を明らかにした。

 米側が主張する浅瀬案は、日米特別行動委員会(SACO)で合意した辺野古沖案の延長線上にあるとし、「それしか(可能な案が)ないのか考えてみる必要がある」と述べた。


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浅瀬案に反対表明/14名護市議、市長に撤回要求


 在日米軍再編の焦点となっている米軍普天間飛行場の移設先見直しで、名護市議会(定員三〇)の議員十四人が連名で十二日、日米協議で有力視されている辺野古リーフ内縮小案(浅瀬案)に反対を表明。同日、稲嶺恵一知事や政府、岸本建男名護市長に要請文書を提出した。岸本市長には浅瀬案容認発言の撤回を求めた。

 十四人は野党議員が中心だが、現行の辺野古沖移設計画に賛成してきた六人も含まれる。

 要請後、県庁で記者会見した宮城康博市議らは「市議会としての意思を明確にしたい」と述べ、来週中にも臨時市議会を開き、浅瀬案などへの反対決議を全会一致で可決するよう働き掛ける考えを示した。

 県庁に府本禮司基地防災統括監を訪ねた宮城市議ら四市議は、浅瀬案について「名護市長の議会を無視した『個人的見解』を根拠に、地元の容認意思とする米国の考え方は間違いであり、容認できない」と主張。キャンプ・シュワブ陸上案にも反対し、県外移転を求める要請文を提出した。

 府本統括監は「現行案(辺野古沖移設)でなければ県外移設という知事の強い姿勢は崩れていない。報道されている二案は、従来検討されて消えたという過程を踏まえて対応したい」と説明。県として浅瀬案やシュワブ陸上案に反対する姿勢を示した。

 県庁での要請に先立ち、四市議は名護市役所で末松文信助役と面談。宮城市議は「市長の真意がどうであろうと、『誘致』という間違ったメッセージを米国に送っている。市民・県民を無視した暴走行為ととられても仕方がない」と指摘。発言の撤回や記者会見などでの正式な釈明を求めた。


今月末に地元説明/大野長官


 大野功統防衛庁長官は十二日、在日米軍再編協議の地元への説明について「十月末には報告する」と述べた。米海軍厚木基地(神奈川)夜間離着陸訓練(NLP)の岩国基地(山口)への移転反対や、米軍再編の地元への情報提供を要請した桝屋敬悟衆院議員(公明、比例・中国)らに述べた。

 大野長官が地元への説明時期を明言したのは初めて。政府は十月末に中間報告をまとめる方向で米側との調整を続けており、中間報告が実質的な「地元への説明」になる公算が大きくなった。

 沖縄を含めた基地を抱える自治体は、米軍再編協議で政府が地元の意向を聞き、それを踏まえた上で米政府との交渉に臨むことを求めている。

 しかし、現時点で再編案を明確に示されている自治体はなく、十月中に予定される中間報告前の地元への説明は難しいのが現状。このため政府内でも「中間報告が事実上の地元への説明になる。その後に関係自治体の意向を踏まえ、最終報告の検討に入ることになるだろう」(防衛庁幹部)との見方が強まっている。

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