経産省前テントひろば 153日目 テント日誌 2/10~11

2012-02-12 19:20:44 | 社会
<テント日誌 2/10(金)>
   夜、保安院前での静かな、熱のこもったアピール
   ―― 経産省前テントひろば 152日目 ――

2月10日(金)晴れ 小春日和

 最近の朝の「散歩」は、Fさんとゆく。噴水の氷がなければ、今日は温かい、Fさんの皮膚感覚は、よごれものを洗うところからくる。温かければ、仕事がはかどるということになる。

 8日のテント日誌の衝撃と波紋をテント周辺でどう伝えるべきなのか、悩む。反・脱原発の天下国家を真正面に論じるべき次元に、経産省もある。それが彼らの任務だ。しかし、その露払いに、’ZTK'をオマネキするとは! たとえ、貧しいテント暮らしとはいえ、問題をここまで矮小化するとは! そう叫びたい気持ちの人々が、これから迎えるだろう、次元の低い「交渉」を思うと滅入ってくる。
 こうした矮小化は、日本の国際的威信と尊厳をひたすら、ますます損なうことにしかならない。ドイツやロシアのジャーナリズムは、テントにまず来て、福島に向かった。原発阻止の闘いは国家レヴェルであり、日本のこの一年、とりわけこれからの福島は、人類の未来が問われる人類史レヴェルにあるという認識のもとに、であった。テントの意義を消す弾圧の方法として、こんな陋劣な指揮を執る日本の国家官僚の「やりてばばあ」ぶりにあきれかえってものもいえない。

 国家や企業の犯罪性がむき出しになる。権力者の無法性を裁判所に訴えたところで、司法が権力に弾圧されていれば、さきのばしに、犯罪性は拡散しつづけてゆくことにしかならない。暗黒街としての核開発シンジケート!
 こうした鬱屈にこたえるように、この日、トゥイッターデモ@samioさんは、単独で、トラメガを携え、経産省別館前に立ち、官僚の矜持と威信にかけて、脱原発へ、再稼動阻止へのかじを切れ! と冷静かつ知的に訴えた。
 国家官僚の正しい道義心というべきものを反省すべきだ、と訴えた。権力の知性破壊に抵抗するみごとなスピーチだった。公務員試験に受かる知力があるならば、なぜ、核開発の犯罪性を納得し、政府権力の無反省を転換できないか、Sさんは諄々と説いた。
 科学技術が人間の知性を抑圧していないか、科学技術をもって、ひとびとの人間性を破壊していないか、経産省はまるでブローカーやエージェントのように、コンピュートピア帝国の人間支配に臆面もない。核開発のためには、福島原発事故がまるでなかったかのような情宣活動を生徒たちにする。
 いまこそ、法による規制をかけなければ、国土あって国民のいない寡頭支配の国になる。Sさんの単独抗議の意義は深い。いつしか、20人に及ぶ共感の渦に取り巻かれていた。そして次々に自分の思いを経産省の官僚達に静かに、熱をこめて訴える。ここが暗黒列島になりきらぬよう全面的抵抗運動を展開しなければならないとつくづく思う。
                                              (Q記) 

★テントでのイベント予定
●2月12日(日) 18時~20時  ライブ; 栗原優(ボーカル)&鈴木峻(サックス)
●2月13日(月) 15時~17時  反原発テント談話室「共生の思想を語ろう」 第3回                      課題提起 川本 祥一さん
●2月14日(火) 12時~14時 「原発廃止へ!日本&ドイツ交流会。ドイツ左翼党、ドロテ・メンツナーさんを迎えて」 

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<テント日誌 2/11(土)>
     再稼動阻止!を掲げ、今年最初の大行動  
    ―― 経産省前テントひろば 153日目 ――

 福島原発事故発生一年目を迎える前段集会としての「全国一斉さようなら原発1000万人アクション」が、午後一時から、代々木イヴェント広場、ケヤキ並木で行われた。それに先立って、テント広場は、ケヤキ並木渋谷口で、たんぽぽ舎、反原発自治体議員市民連合、福島原発事故緊急会議、東電前アクション、全交などと連帯して、前段の前段集会を開いた。テント合唱隊結成を呼びかける若者も積極的に参加した。
 いつしか、渋谷口では、どこかの党派のびらまきなども便乗しているかのごときだった。
背景に、テント広場がそのまま移動したように、再稼動反対・テントひろばの旗が、1ダースほど立てられていた。代表格の人々は、まだひとけのない並木で、びらをまきはじめていた。フランス・レジスタンス時代の思想家、シモーヌ・ヴェイユは、晩年に「3人以上の対話は、別の力が働き、真実の対話から遠ざかる」というようなことを記していたが、これはハイデッガーの「存在と時間」の思想に通底しているのかもしれない。戦争責任論が書けたのは、ヤスパースだった。
 イベント会場に先立つ渋谷口でのメッセージの交換は、明瞭なうそ偽りの無い、みずからのキャリアを踏まえた素晴らしいスピーチの連続だった。12時に近づくと、ひとけ無かった並木通りは、200人近くの人々であふれるようなにぎわいになった。
 東電前アクションKさんは、仲間の不在を「不当逮捕」によると伝え、救援カンパの袋がまわされ、即刻、5万以上の厚い気持ちが集められた。
 すでにおそらく彼は、反権力の火の玉にされてしまったのだろう。人間回復をもっとも希求するものが火の玉に落としこめられる、これが、反体制闘争の現実といえる。しかし、彼は、復活するだろう。
 周恩来は、日本軍残留兵士をリンチしないよう厳しい命令を人民に伝えた。権力は、人をエネルギーに変換してきた。軍の、組織のためのエネルギー。戦争が終われば、人間に返してあげなさいというのが、周恩来の認識だった。われわれが戦っているのは、戦中、あるいは、戦前の権力体制なのだった。

 大江健三郎さんなどのスピーチを、群集の中で携帯椅子に座って、ひとり聞いている人を見かけた。「戦前の思想」の著者、柄谷行人さんだった。テントにきたドイツ・ジャーナりストも取材活動をしていた。ドイツ各地10箇所以上で、反・脱原発集会がこの日も催されていると聞いた。広場の向こうの歩道橋にも、びっしりひとびとが会場を覗き込んでいるのがみえる。会場では、旗の数は多く、読みきれない。
 テント広場は明治公園へのデモの隊列に参入した。1挺団500人を優に、こえている。明治公園だけで、5挺団ではなかったか。4時近く、解散地点でのビラまき、署名請願など終えたときには、小春日和もかげりをみせていた。夜、新宿から、怒りの太鼓隊などのデモもあった。
 
 夜のテントは、真剣な対話で、鈴なり状態だった。デモでの逮捕者は無いと思われる。 この一年に何をしたか、何ができたか、議論には終わりが無いようだった。現在が歴史のようだ。表現以前の歴史が、テントに渦巻いている。
                                         ( Q記 )

★お知らせとご案内

●テント全体会議  2月18日(土) 午後2時~5時  スペースたんぽぽ
・前回1月20日の全体会議から1ヶ月、”激動”の日々を経験してきましたが、この間の報告と、テントを取り巻く状況についての認識の共有化を基にして「テントを守る」態勢やアクションをどう強化していくか。
・正念場を迎えている再稼動阻止の闘いで、テントはどういう役割を担えるのか、どのよ うな行動に取り組んでいけるのか。
これらについて、たくさんの方々から意見、考え、提起、創意をいただければ、と思います。
 全体会議ははじめて・・・という方もどんどん参加して下さい。ここでのたくさんの人々の活発な討論が、テントのエネルギーを生んでいく源泉となるでしょう。

●テントひろば 応援の集い 「撤去すべきはテントではなくて、原発だ!」
 2月18日(土) 午後6時半~8時半  スペースたんぽぽ
・ドキュメント「おてんとさまがみている。1/27の映像」上映
・お話 浪江町の酪農家・吉沢さん(11/3にも、1/27にもエム牧場の宣伝カーで駆けつけ、参加者の魂を揺さぶるようなお話をされた方)
・椎名さん(原発いらない!福島の女たち)、淵上さん(経産省前テントひろば)のアピール  
 参加費:1000円(上映終了後の参加者、学生、テント全体会議参加者は500円)

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ダッ!ダッ!脱・原発の歌/制服向上委員会【PV】

原発さえなければ:橋本美香&制服向上委員会


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