チェルノブイリ事故跡は、「まるでジャングルに覆われた古代遺跡」ほか/JCJふらっしゅ

2011-04-22 00:50:24 | 社会
▽チェルノブイリ事故跡は、「まるでジャングルに覆われた古代遺跡」

 CNNは原発事故から25年になるチェルノブイリ隣接エリアを訪問。これほどま
でに荒れ果てた光景はほかに思い当たらないほどの「死のエリア」。CNNはそれを、
「まるでジャングルに覆われた古代遺跡のようだ」と表現した。チェルノブイリ事故
で「何人が死亡し、何人が死に至ろうとしているのかという議論」にも決着はついて
いない。ゴルバチョフ氏もさまざまな場で、チェルノブイリ事故がソ連崩壊を招く要
因のひとつになったとの見解を述べている。

 事故直後に放射能を浴びた作業員28人が死亡、さらに20人が数年のうちにさま
ざまな死因で亡くなり、被曝が原因とみられるがんによる死者は4000人にも上る
とされている。パニックを恐れた政権は当初、プリピャチの住民に普段通りの生活を
続けるよう指示、事故の重大さが否定しようもない事態となってはじめて避難命令が
出された。事故発生から36時間が経過していた。住民は数日後には戻れると聞かさ
れた。少しばかりの書類や現金、食料だけを持ってバスに乗ったという。

 CNNによると、事故現場には通常よりもかなり高いレベルの放射能が残存する。
近年は人数限定で短時間の観光ツアーも実施されているが、人が安全に住めるのは何
世代も先になるかもしれないというのが、専門家らの見方だという。被災者支援組織
の「ウクライナ・チェルノブイリ連合」は、過去25年間で、事故後の復旧作業に参
加した14万人が死亡していると報告している。それに、放射能の影響がどの程度を
占めるのかは明らかでない。

 専門家からは、「被災者の間で特定のがんが急増したことに加え、強い不安症状が
みられる」との指摘がなされていること、ウクライナ政府は、「事故の影響が及んだ
地域はスイスよりも広く、原発の半径30キロ以内は今も無人のまま」だとしている
ことを、CNNのレポートは付け加えている。

原発事故から25年、チェルノブイリは今(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/30002500.html

▽「作業員の造血幹細胞の採取・保存を」医師グループが英医学誌で提言

 15日、日本人の医師グループが英医学誌「ランセット」への投稿で、東京電力
(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故処理にあたっている作業員たちが生死に
かかわる量の放射線を被ばくした場合に備えて、作業員の造血幹細胞をあらかじめ採
取・保存しておくべきと提言。自家末梢血幹細胞を採取・保存しておけば自家移植を
行えるとしている。(→AFP)

 AFPによると医師グループは、<原子炉を完全に廃炉に持ち込むまでは何年もか
かり、突発的放射線事故で作業員たちが被ばくするリスクも高まるため、自家末梢血
幹細胞を保管しておくことの重要性は増す>と訴えている。また、<日本の原発業界
がこうした措置によって評判に傷がつくことを恐れ、作業員の自家末梢血幹細胞の保
存を拒否している>と不満を訴え、「最も重要な使命は、原発作業員たちの命を救
い、地域社会を守ることだ」と呼び掛けている。

原発作業員の造血幹細胞保存を、日本人医師グループが提言(AFP)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2795880/7096251

▽国及び関連機関の<いいかげんな情報><情報不足>が混乱を生み出す源泉

 4月上旬から、福島県海域で採取されたコウナゴから基準値を超える放射性物質が
検出され、コウナゴ漁はすでに自粛されているが、日本政府は20日、あらためて同
海域で獲れたコウナゴの出荷停止と摂取制限を福島県知事に指示した。

 日本政府はその一方で、原発周辺からの避難住民が、複数の避難所で放射能汚染の
有無を検査した証明書を提示するよう求められたり、ホテルの予約を断られたり、子
どもがいじめにあったりしたという報道を受け、福島第1原子力発電所の周辺から避
難してきた住民を差別しないよう自治体や企業、国民に呼びかけをおこなった。

 19日には茨城県つくば市が、福島県からの避難住民に対して、避難所に入る前に
放射能汚染検査を受けた証明書の提出を求めていた。つくば市の当局者は、「避難住
民は自分が被ばくしているかどうかを知る必要があり、避難住民のために行った措置」
だったと後に説明したが、「証明書の提出がなぜ必要」とされたのかの説明にはなっ
ていない。だがそもそも、責任逃れと問題先送りの体質から、事実の隠蔽と事故の過
小評価を根付かせようとしてきた政府及び関係機関の<いいかげんな情報>と<情報
不足>が、そうした混乱を生み出す源泉となっている。菅政権はその事実をもはや隠
蔽することはできないし、断じて許されることではない。

福島で水揚げのコウナゴに出荷停止と摂取制限(AFP)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2796373/7112350
政府、原発事故の避難者を差別しないよう呼びかけ
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2796285/6964402

▽国は「母乳検査と母子の支援」の取り組みを

 市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」が20日、「母乳に放射能汚染の心
配があります。汚染の高かった地域のお母さんたちに母乳の検査を呼びかけます。全
国の皆さんに母乳検査と母子の支援を訴えます」と呼びかけた。

 同団体は、「本当に母乳に放射能汚染はないのか」という心配から、茨城県のお母
さんたち5名、福島県3名、宮城県1名に母乳を提供してもらい、放射能検査をし
た。その結果、「茨城県のお母さんの母乳の複数から、ヨウ素-131が検出されま
した。福島県の方の母乳は不検出(1名検査中)、宮城県の方の母乳も不検出でした」
との報告を行った(母乳は生活協同組合などを通じて呼び掛け、千葉のほか、宮城、
福島、茨城県内の女性9人から提供を受けた=共同通信)。

 そのうえで、同団体の代表は、「安全性について判断はまだできないが、母乳は赤
ちゃんが口にする。国は早急に広範囲な調査を実施してもらいたい」と、国に対して、
母乳の汚染を監視・検証対象として取り組むよう訴えている。

【マスコミ関係者の皆様へ】汚染の高かった地域のお母さんたちに母乳の検査を呼びかけます
(母子支援ネットワークHP)
http://hairoaction.com/?p=306
母乳から微量の放射性物質 市民団体の独自検査(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042001001060.html

[JCJふらっしゅ]
http://archive.mag2.com/0000102032/index.html
まぐまぐID:0000102032/不定期刊(ほぼ日刊)購読無料/plain_text
<禁無断複製転載>
・発行所/JCJふらっしゅ編集部 http://archive.mag2.com/0000102032/index.html

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