三鷹事件の再審請求/村岡到

2011-11-14 10:36:11 | 社会
一一月一〇日、一九四九年七月に起きた三鷹事件の死刑囚竹内景助氏の長男が東京
高裁に対して再審請求を申し立てた。
 この日午後からは東京地裁前の道路で支援者が集会を開いて応援、夕方には弁護士
会館で「三鷹事件再審請求報告集会」が開かれた。約六〇人が参加。
 三鷹事件は、GHQ統治下の同年に相次いで起きた下山事件、松川事件と合わせて
三大謀略事件とされている。無人の電車が暴走して六人が死亡。政府が直ちに「共産
党の犯行」と決めつけ、マスコミも迎合報道、国鉄労働組合員一〇人が逮捕、起訴さ
れ、裁判では竹内氏の単独犯とされ、死刑が確定。竹内氏は無罪を主張して再審請求
したが、六七年に病死。
集会では、最初に竹内氏の長男のメッセージが読み上げられ、「死刑囚の家族」の極
度に辛い人生体験が参加者の心を打った。高見沢昭治弁護士ら再審弁護団が再審請求
の要点(新証拠二八点)を解説し、三鷹事件再審を支援する会世話人の大石進氏(元
日本評論社社長)が、祖父の布施辰治弁護士と竹内氏との往復書簡の内容を紹介し
て、この再審を何としても実現させ勝利しようと呼びかけた。
 大石氏が昨年著わした『弁護士布施辰治』(西田書店)の「第九章 最後の大舞台
三鷹事件」には三鷹事件の全容が詳しく解明されている。特に、竹内氏が「単独犯
行」を自供する経緯について、検事の悪辣な誘導・強要と合わせて弁護士の責任も明
らかにしている。また、犯人にでっち上げられた共産党員の被告や布施を除く弁護団
が自分たちの無罪の主張に重点を置いて「竹内単独犯行」説に加担したことにも抑制
の効いた批判を加えている。
 「冤罪大国」とも言われるほど冤罪が後を絶たないが、その最初の例でもある三鷹
事件の再審請求は極めて大きな意義を持っている。
集会では、再審請求支援の賛同人としてJR浦和事件被告の上原潤一氏、三鷹事件研
究者の渡部富哉氏渡部富哉氏などとともに村岡到も挨拶した。
 「赤旗」は四段見出しで報道した。
 来年一月一九日(竹内獄死の翌日)には武蔵野公会堂で支援集会が企画されてい
る。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
三鷹事件の書評 (新美みつ子)
2011-11-18 19:26:50
三鷹事件について裁判官が書いた本(今、手元にない)に読書新聞に書評した記憶があります。「砂上の楼閣」とその裁判官は言っていたのです。冤罪です。

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