BUZ LIFE

毎度ご乗車ありがとうございます。

「大崎」行き山手線

2005年10月27日 | Weblog
文化祭手続きのためにいつもとは違うキャンパスに授業後向かう。その帰り道、乗った山手線は「大崎」とのLED表示。「新宿・池袋方面」とは違い、品川の一つ先、「大崎」駅でこの電車は「終点」となる。山手線が途中で止まる。機械的に何の思考もなさげに同一方向を永遠に回りつづけている山手線にも「終わり」があったのだ・・・!

当然のことといえば当然かもしれない。「大崎」どまり、というもはや山手線の機能を果たさない電車はそれでも定刻にホームに入線してきた。さすがにすいている。乗り込まずにわざわざ一本見送る人も結構見受けられる。すいているから、と、わずかな時間の快適を望み、乗り込む。あたりまえだが、普通の山手線。しかし、そのときはやってきた。

「次は、終点、大崎」アナウンスが入る。駅につく。乗客が降りる。全員。慣れない表情の乗客は、きれいさっぱり車内からいなくなり、もぬけの殻となった山手線車両が残った。いったい何時間走りつづけてきたのだろう。何人、何十人、何百人、何千人のいや、何万人の人を運びつづけたのだろう。大仕事を成し遂げた車両はそのまま大崎駅にしばらく停車。誰も乗っていない山手線、とは非現実的な話だが、この山手線に終わりを与えると、乗客を寄せ付けない、いつも乗りなれているはずなのに、遠い存在として扱われる車両となる。次の仕事はいつだろうか。しばらくは、機械に不必要かもしれないが、休息の時間となる。あたりまえに循環すると思っていた乗客に多少の不便を強いながら、またいつもとは違う姿の山手線を見る人に多少の思考を強いながら。

次に来た山手線は満員。この電車に乗り込み、大崎を後にする。いつもの山手線。この山手線は「新宿・池袋方面」。この電車も「大崎」行きを表示し、いつか、乗客をすべて降ろすときが来るのだろう。