シェル・シルヴァスタイン さく・え ほんだ きんいちろう やく
ページめくるたび 熱い想いになりました。 子供は子供なり、大人は大人なりに
考えさせられる本だと思います。
一本のリンゴの木と少年・・幼い頃は毎日木と遊び、2人は楽しく過ごす。木はうれしかった。
少し大人になり、少年は 買い物するお金を 木にねだりにくる。
木は ”お金は無いけど リンゴをもぎ取って売ったら” という。
木は 役に立てて嬉しかった。
その男は 大分来なかった。 ところがある日ひょっこり来て言う。
「僕は家が欲しい。」 木は言う。 ”私の枝を切り家を建てたら”
木はそれで嬉しかった。
又 男は長い間 来なかった。 そして 男が ひょっこり戻ってきた。
「歳はとるし 悲しいことばかり、舟に乗って 何処か遠くに行きたい。 船をおくれ。」
木は言った。 ”私の幹で舟をおつくり。 それで楽しくやっておくれ。”
木はそれで嬉しかった。
それから 男は よぼよぼになってやってきた。 木は言った。
”すまないね~ もう 上げる物は 何にも無いよ。”
男は言った。「リンゴはもうかじれんし、枝にぶら下がるのも無理、木登りも出来ないし。」
木は言った。 ”すまないね~ 何か上げられたらいいんだけど。何にも無い。
ただの 古ぼけた切り株だから。” よぼよぼの男は 言った。
「わしは 今 たいして欲しい物はない。 座って休む 静かな場所が 有りさえすれば。
わしはもう疲れた。」 木は言った。
”ああ それなら この切り株は 腰掛けて休むのに 丁度いい
さあ ぼうや こしかけて こしかけて おやすみなさい。”
おとこは それにしたがった。 木は それでうれしかった。
無償の愛が 光っています。 リンゴの木の方が 与えられ続けた男より
より以上 幸せだったのではないかと 思います。