旅人

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花子と モンゴメリーと アン

2008-07-06 | 私の本棚
”アンのゆりかご・・村岡花子の生涯”  村岡恵理著 (花子の娘みどりの次女)
1893年(明・26年)生れの花子の生涯は、近代日本の女性史を 紐解いているようでした。
交友関係に 真杉静枝・柳原白蓮・市川房枝・吉屋信子・廣岡浅子・片山廣子・加藤シズヱ・徳富愛子・・政治・経済・文学と幅広い。

10歳の時 父(茶商)につれられ麻布の東洋英和女学院に給費生として入学。10年間の寄宿舎生活で、モンゴメリーとの縁が作られていきました。
世界第二次大戦勃発前に、送還されたカナダ系教師達が、花子に原書を託し、翻訳し出版して欲しいとの思いを花子は叶えたかった。大戦中 灯火管制の下で、花子は”アン・オブ・グリーン・ゲイブルス”を密かに訳し続けた。
昭・20・4月 訳了。 27年に やっと三笠書房から”赤毛のアン”と題して 刊行することが出来た。
その後アンシリーズ10冊・エミリー3部作・果樹園のセレナーデ・丘の家のジェーン・パッとお嬢さん の16冊を刊行することができ、17冊目にかかった昭・43年75歳で亡くなった。
遂に念願だった プリンスエドワード島を訪れるれることもなく。
モンゴメリー・花子・アン三者の 生い立ち・生き方は 微妙に 似ているところが発見されて面白かった。
モンゴメリー・アンは肉親に早くわかれ、花子も両親こそいたが、父親は 家族より理想を追い求める、主義者であって 家族散り散りの状態であった。
モンゴメリーも花子も病弱の夫に代わって、文筆で生計を立てている。
アンとメアリーの関係 花子と白蓮との関係が そっくりでした。

原作は 1908年(明・41)丁度100年経ちました。未だにみんなに愛されている訳が解かりました。
明るく・前向きで・向上心一杯の、少女の成長が 私達に 今でも 勇気と希望を 与え続けて くれています。

私も 落ち込んだ時 手にする本の一冊です。また 読んでみたくなりました。

余談・・モンゴメリーの故郷・プリンス・エドワード島は 先住民が 島を "Abqweit(波間に浮かぶゆりかご)" とよんでいたそうです。形が”ゆりかご”そのものであったためらしい。

  今日の誕生日花  イワタバコ(イワタバコ科)  涼しげ

    今日の一句 ☆ 洗い髪 路地吹き抜くる 風のあり  鈴木真砂女