法律の周辺

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公害被害者に対する債権の免除について

2006-11-29 16:49:38 | Weblog
asahi.com カネミ油症,仮払金放棄へ特例法 与党チームが骨子

 徳政令,といったら怒られるだろうか。いずれにしても,異例。

 なお,債権管理法の免除要件は記事にあるとおりだが,債権管理の基準に係る第10条には,「債権の管理に関する事務は,法令の定めるところに従い,債権の発生原因及び内容に応じて,財政上もつとも国の利益に適合するように処理しなければならない。」とある。


「国の債権の管理等に関する法律」の関連条文

(趣旨)
第一条  この法律は,国の債権の管理の適正を期するため,その管理に関する事務の処理について必要な機関及び手続を整えるとともに,国の債権の内容の変更,免除等に関する一般的基準を設け,あわせて国の債権の発生の原因となる契約に関し,その内容とすべき基本的事項を定めるものとする。

(定義)
第二条  この法律において「国の債権」又は「債権」とは,金銭の給付を目的とする国の権利をいう。
2  この法律において「債権の管理に関する事務」とは,国の債権について,債権者として行うべき保全,取立,内容の変更及び消滅に関する事務のうち次に掲げるもの以外のものをいう。
一  国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律 (昭和二十二年法律第百九十四号)により法務大臣の権限に属する事項に関する事務
二  法令の規定により滞納処分を執行する者が行うべき事務
三  弁済の受領に関する事務
四  金銭又は物品管理法 (昭和三十一年法律第百十三号)第三十五条 の規定により同法 の規定を準用する動産の保管に関する事務
3  この法律において「各省各庁」とは,財政法 (昭和二十二年法律第三十四号)第二十一条 に規定する各省各庁をいい,「各省各庁の長」とは,同法第二十条第二項 に規定する各省各庁の長をいう。
4  この法律において「歳入徴収官等」とは,各省各庁の長,各省各庁の長以外の国の機関で他の法令の規定により債権の管理に関する事務を行なうべきこととされているもの又は第五条第一項若しくは第二項の規定により債権の管理に関する事務を行なう者をいう。

(管理の基準)
第十条  債権の管理に関する事務は,法令の定めるところに従い,債権の発生原因及び内容に応じて,財政上もつとも国の利益に適合するように処理しなければならない。

(履行延期の特約等をすることができる場合)
第二十四条  歳入徴収官等は,その所掌に属する債権(国税徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。)について,他の法律に基く場合のほか,次の各号の一に該当する場合に限り,政令で定めるところにより,その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において,当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
一  債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
二  債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ,その現に有する資産の状況により,履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
三  債務者について災害,盗難その他の事故が生じたことにより,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため,履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
四  契約に基く債権について,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ,所定の履行期限によることが公益上著しい支障を及ぼすこととなるおそれがあるとき。
五  損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ,弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
六  貸付金に係る債権について,債務者が当該貸付金の使途に従つて第三者に貸付を行つた場合において,当該第三者に対する貸付金に関し,第一号から第四号までの一に該当する理由があることその他特別の事情により,当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため,当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。2  歳入徴収官等は,履行期限後においても,前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分(以下「履行延期の特約等」という。)をすることができる。この場合においては,既に発生した延滞金(履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金をいう。以下同じ。)に係る債権は,徴収すべきものとする。
3  歳入徴収官等は,その所掌に属する債権で分割して弁済させることとなつているものにつき履行延期の特約等をする場合において,特に必要があると認めるときは,政令で定めるところにより,当該履行期限後に弁済することとなつている金額に係る履行期限をもあわせて延長することとすることができる。

(履行期限を延長する期間)
第二十五条  歳入徴収官等は,履行延期の特約等をする場合には,履行期限(履行期限後に履行延期の特約等をする場合には,当該履行延期の特約等をする日)から五年(前条第一項第一号又は第六号に該当する場合には,十年)以内において,その延長に係る履行期限を定めなければならない。ただし,さらに履行延期の特約等をすることを妨げない。

(免除)
第三十二条  歳入徴収官等は,債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約等(和解,調停又は労働審判(労働審判法第二十条 の規定による労働審判をいう。第三十八条第三項において同じ。)によつてする履行期限の延長で当該履行延期の特約等に準ずるものを含む。以下この条において同じ。)をした債権について,当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約等をした場合は,最初に履行延期の特約等をした日)から十年を経過した後において,なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり,かつ,弁済することができることとなる見込みがないと認められる場合には,当該債権並びにこれに係る延滞金及び利息を免除することができる。
2  前項の規定は,第二十四条第一項第六号に掲げる理由により履行延期の特約等をした貸付金に係る債権で,同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基いて当該履行延期の特約等をしたものについて準用する。この場合における免除については,債務者が当該第三者に対する貸付金について免除をすることを条件としなければならない。
3  歳入徴収官等は,履行延期の特約等をした債権につき延納利息(第二十六条第一項本文の規定による利息をいう。以下同じ。)を附した場合において,債務者が当該債権の金額の全部に相当する金額をその延長された履行期限内に弁済したときは,当該債権及び延納利息については,債務者の資力の状況によりやむを得ない事情があると認められる場合に限り,当該延納利息の全部又は一部に相当する金額を免除することができる。

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