10月は里親月間です。昨年、花里倶楽部は里親さんご夫妻をお招きし講演会を主催しました。今年は諸事情により講演会等のイベントは主催しませんが、昨年の私たちの講演会がキッカケとなり里親登録をされたご夫婦がいらっしゃいます。とても素敵なご夫妻で本当に嬉しく思っています。また、先日は県内在住の方から問い合わせをいただきました。このブログをご覧になったとこのとで、これも大変嬉しく思っております。
私自身、里親に登録をしていますが、一度も委託はないまま・・・5年? 登録のキッカケは「オレンジリボンキャンペーン」でした。偶然、かなり早期の段階でオレンジリボンキャンペーンを知り(ネットで知りました)早速活動参加申し込みをしました。その後、東京で行われた活動報告会に参加し、オレンジリボンの産みの親である専門里親さんやヘネシー澄子先生、アン基金の方々、他全国で活動する方々にお会いすることができました。この時の感動。里親さんて何て素敵な人たちだろうと心から感動し、これは「人生をかけたボランティア」だと感じました。本当に里親さんは心がピュアで温かいのです。また、オレンジリボン考案者の里親さんのお話に心打たれ、その後も活動を続けています。残念ながら、白河ではボランティアの認識が違うのか「オレンジリボン」をボランティアの利権と考える他ボランティアグループ及び人もあり、嫌な体験も重ねました。好意で差し上げたリボンが違ったカタチで配布されたと知ったこともあります。このリボンまでボランティアの利権となるのかと衝撃を受けましたが、理性を失うことなく活動を続けてこれたのは、発案者の里親さんの想いと人柄です。
今年も悲惨な子ども虐待問題がありました。近所の人が通報しても助けることができなかったケースもありました。「通報」に関しては啓発が進んだと思いますが、その後に関してはどうでしょうか。児童相談所の仕事は大変だと思います。保護する家庭の親が皆良い人だとは限りません。子どもに暴力を振るう親に優しく話しかけ子どもを保護するということは難しいことでしょう。しかし、そこには命があるわけですから、対策を考えなければなりません。また、保護した後の問題もあります。施設はいっぱい、里親への委託は進まない。実際、委託を受けない里親さんも少なくありません。親権の問題も含め、多くの問題があると思います。また、世間の里親への理解不足もあります。
里親制度・・・夏休みの1週間等や連休などの短期間なら預かってもいいという人がいますが、私の知っている限り、現在このような形での委託は「福島県」ではないと思います。緊急保護で短期間の委託はあるとしても、こちらが望んでの短期間はないと思います。
子どものいないご夫婦・・・実際、登録をする人の多くはお子さんのいないご夫婦です。私も子どもはいませんが、登録した時点では子どもをあきらめる年齢ではなく(もしかすると今も)、実子と里子と区別することなく育てる欧米的な考えでした。血縁よりも縁という考えです。お子さんのいない方が「子どもに恵まれなかった」という表現をされることがありますが、私は一度も言ったことがありません。「恵まれている」と感じるから里親登録しました。だって、五体満足で生まれ、貧しくとも飢えることなく育てられました。生意気と言われてもへこたれない強い性格を持ち、普通に生きれることの幸せを思えば、これ以上何を求めるのでしょう。私の同級生は1歳にもならない赤ちゃんを残し32歳で天国へ旅立ちました。私は彼女よりも10年以上も生きています。また、世界には飢えた子どもがたくさんいます。今も戦争の中で苦しんでいる人たちがいます。この時代にこの日本に生まれたことに感謝しています。そして、愛情に恵まれない(何より必要なもの)子どもがいるなら、私で役に立てるならと里親登録をしました。
子どもに恵まれなかったと思う方々の中に苦しみを見ることがあります。それは、社会の偏見や周囲の言葉により心傷ついて生きてきた・・・その苦しみかもしれません。少子化が問題とされる日本で肩身の狭い思いをし、ママ友のない生活をし、「足りない」という思いが心をよぎるのかもしれません。しかし、私は全く違う考えです。足りないものを欲しがるのではなく、あるものに感謝したい。雨は犯罪者の上にも降ります。太陽は誰の上にも平等に降り注ぎます。
お子さんのいないご夫婦も「人生に恵まれているから社会貢献したい」と登録するようになってほしいと感じています。登録後、行政の対応などを見て「子どもを誘拐したいほど欲しい」とバカにされてるんじゃ?と思ったことが何度もあります。その都度、行政サイドの意向を確かめ、改善を求めてきました。先日も里親コーディネーターの自宅訪問があり、里親登録理由について申し上げました。「人生に恵まれているから社会貢献がしたい」と。お子さんのいない方々、差別的発言に甘んじることはありません。堂々と生きましょう。そして、堂々と「里親です」と言える社会にしましょう。