Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

嘆きのピエタ

2013-08-22 16:46:20 | 映画
     韓国の鬼才 キム・ギドク監督が
    69回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を取った作品

    『嘆きのピエタ』
    
    タイトルにあるピエタとは、「死せるキリストを膝に抱いて嘆き悲しむ
     聖母マリア」をあらわしています。

    母親の愛を知らずに孤児として育った主人公ガンド
    天涯孤独な彼の仕事は極悪非道な借金の取り立て屋
    その残酷なまでの取り立ては
    債務者に怖れられる存在---


     そんな彼の前に突然 母親と名乗る女性が現れる事によって
     愛情を知らない彼の心に 徐々に変化が起こっていきます。。。





    ガンドが取り立てに行く債務者には
     母親がいて妻がいて、子供がいて、、、、愛する家族がいます。
     そしてそこには、家庭が存在しています。
     しかし、そんな家族の愛情を知らないガンドの
     取り立ては 情けや憐みなど 一切無い
     非人道的なものです。



    対して、愛する事によって守りたいものがあり
     それを失う事の怖さを知る者は
     その恐怖の前に時に、無力である事をまざまざと見せつけられます。

    劇中 お金によって 左右される人々の人生の
     裏側には、お金より大切なものが
     必ず深く存在している事を
     認めなければならなくなります。


    そしてそれこそが、生きる目的であり
    意味なのだと確信するのです。
    
    後悔、復讐、怨恨が渦巻き
     人間の闇の部分が浮き彫りにされながらも
     それすら 相手を知る事によって
     最後は愛情に向って少しずつ変化していく
      心の動く様は 観ている側も、それを疑似体験しているようです。


     聖母マリアを人々が
     母として崇めるなら
     母性愛は万人に 分け隔てなく 平等に与えられる事が
     当然なのかもしれません。

     愛情を知った主人公ガンドは
     それを失う事の前で、恐怖に怯える弱い自分に気づき
     同時に
      贖罪や懺悔の前に 決して、抗わない強さを見せるのです。。。
     


     
     

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