はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.222 色即ぜねれいしょん

2012-08-30 05:56:57 | 映画



とある休みの日。

僕は休みの日もぎっちり予定を入れるタイプだけど、めずらしく時間に余裕がある。

といって映画館にいくほどは時間がない。
すすめられている「サマーウォーズ」というアニメ映画でも借りてみようか。
レンタルビデオはほとんど借りないので、
近所のレンタルビデオ店の会員証は数年前に期限が切れている。
テレビで見れる「アクトビラ」というサービスで映画を探してみたが
「サマーウォーズ」は残念ながらなかった。

で、代わりに見つけたのが、
みうらじゅん原作、田口トモロヲ監督の「色即ぜねれいしょん」。
このコンビでの最初の映画「アイデン&ティティ」は映画館で観たし、
DVDも持っている。
色即ゼネレーションは原作の小説は持っているけど、
映画は、忙しかった間に上映が終わってしまっていた。

色即是空の是(ぜ)とかけてゼネレーションと発音しているんだろうけど、
ジェネレーションって言葉、いいね!

最近、うじきつよしの「子供ばんど」がオリジナルメンバーで活動を再開していて嬉しい。その子供ばんどの昔のレコードに「パワーロックジェネレーション」というタイトルのアルバムがある。収録されている曲も良かったのだけど(ちなみにパワーロックジェネレーションという曲はない)、タイトルのゴロというかリズムというか「響き」が好きだ。

あまりに好きだったので、7、8年前、勤めていた会社の高校生向けのイベントに
「シャカリキパワージェネレーション」というキャッチをつけたほど。

でもそのキャッチコピーは、残念ながら不評だった。
大人も子どもも冷めた世代で、「シャカリキパワー」なんて暑苦しい言葉、全然響きやしないぜ!いいよ、いいよ、そうやってクールぶってれば、と思っていたらなんとも情けない時代になっちまった。(うじきつよし風に)

何が草食系!だよ。失敗を怖れて、傷つくのを怖れて、青春をめんどくさがっていたら、人生の楽しさなんてなくなっちゃうよね。

イベントは全国の会場でやっていたんだけど、
仙台会場でとある高校生が僕に近づいてきて、

この「シャカリキパワージェネレーション」って誰が考えたんですか?
って聞いてきた。

僕・・だけど、と答えたら。

最高です!感動しました!といって握手を求めてきた。

まだまだ捨てたもんじゃない。熱い奴だっているんだよって嬉しくなった。

色即ぜねれいしょん。
色即是空って解釈は難しい。
色は空、形有るモノはいつかは失われる、
今をしっかり生きようってことかな。

映画の舞台は京都。
主人公は私立の仏教系の男子校に通う、
ボブ・ディラン好きのロックに憧れる文科系男子。

文科系と草食系は違うよ。
女の子に憧れるし、もんもんと妄想するし、しっかり青春してる。

僕は仕事で京都を担当していたことがあるし、
まず風景に親近感がある。

それから、僕は公立だったけど男子校だったし、
ギター弾いてロックに憧れていたから、気持ちがすごくよくわかる。

でも、僕はもっとずっと田舎に住んでいたし、ボート部で忙しかったし、
お金無かったし、ダサかったし、もっとずっと女の子に縁がなくて、
早く大人になりたいなあ、早く大学生になりたいなあと思っていた。

今、思い出すと、
大学生にも、社会人に対しても、何の根拠はなくても希望を持っていたなあと思う。

さあ、色即是空。
46歳。今だって、青春まっただ中。
僕だって色即ぜねれいしょんだからね。






Vol.221 承認の欲求の先

2012-08-25 12:39:06 | ライフ
僕がよくする話。

「スワロウテイル」の岩井俊二監督が30歳前半の時に、自分も30歳を超えたので、「これが代表作です」と言える作品を創りたいと常に思っています、と何かのインタビューで答えていたのを聞いて、僕も30歳だし(岩井俊二監督とは確か同年代)自分のしてきた仕事を誇れるようにしなくちゃと焦った。今、思えば30歳までにできることなんてたかが知れているし、30歳で代表作を創れる人なんてほんの一握り。でも、常にそれを意識していくことは大切なのだと思って生きてきた。

それから15年以上を経て、有名人になったとか、ベストセラー作家になったとか、そういうことはまったく叶ってはいないけれど、それでも僕がやってきた仕事はこれです!と自信を持って言えることが少しずつ増えてきた。特にこの5年はたくさんの新しいことにチャレンジしてきたと思う。

マズローの欲求段階説。僕はキャリアカウンセラーなので、マズローの説を聞くことも語ることも多い。説明の上ではなるほどねえと納得はしているものの、それを実感として体験しているかというとそうではない。

僕が所属する学校広報ソーシャルメディア活用勉強会というフェイスブックグループがある。フェイスブック上の議論の活発なグループであるが、リアルでも積極的な活動を続けている。今年に入ってからは5月に東京で勉強会を開催。6月に岩手県の震災被災地を視察する遠野での勉強会合宿を実施。そして先週、8月23日(木)、五反田のDNPさんの会社のホールでの「教育カンファレンス」!

先に書いたように「僕がやってきた仕事はこれです!」と言えることがほんの少し増えてきたけれど、ずっと僕は「僕がやった仕事」という個人の評価を求めてきたのかも知れない。だから、いつも、自分は、自分だけは、間違っていないか、正論を言っているか、ミスをしていないか、すべきことをしているか、に重点が置かれていた。そこの先にあったのはおそらく、マズローのいう3段階目の「所属の欲求」とその上の「承認の欲求」なのだ。いつも僕のモチベーションはそこにあった。

そして、今回の学校広報ソーシャルメディア活用勉強会「教育カンファレンス」の運営に携わる。
「承認の欲求」をモチベーションに、自分の成功、自分の活躍を求めていつものように動き出したのだと思う。当然、あちこちでぶつかる。いっそ逃げ出しちゃおうかと何度も思った。くじけて、凹んで、やけ酒呑んで、でも、そしたら励ましてくれる人が大勢まわりに居た。
僕は一人で仕事をして、一人で何とかしようとしていた。
それってつまり自分が認めてもらいたかったから。
だから、自分のミスややり方のまずさを指摘されるとカチンときて、「ちゃんとやってるのに」と思い、アドバイスを素直に受けとれなかった。
それがそもそも自分の弱さだ。

ボコボコになって、凹むだけ凹んで傷だらけの時にやっと気がついた。

運営なんて完璧じゃなくても良い。ボロボロだって良い、不細工で全然良い。
だって今回のカンファレンスの目的は運営がスムースなイベントをすることじゃなくて、このイベントによってメッセージを伝えて、人々の心を動かして、教育を良い方向へ向けて、活動を促進することなんだから。

今回の運営をやってきて、僕はマズローの承認の欲求の上の世界をはじめて体験した。
このイベントのミッション、目的に辿り着けるならば、自分の評価なんてどうだって良い。誰か一人が頑張るんじゃなくてみんなで創りあげること、みんなで成し遂げること、そしてそれが社会を動かすってこと。

叱ってくれた方々、励ましてくれた方々、みんなのお陰で僕はちょっとだけ成長できました。心から「ありがとうございます」と言います。

こういう経験を積み重ねて、僕はもっともっと成長して自分の人生を意味のある人生にしていこうと思うし、まだまだこれからなのだとは思うけれど、40代も半ばを過ぎていては少し遅咲き過ぎたかなとも正直思う。
あと15年早く動き出せたなら、もっと良かったのにと思うから、心から若い人たちを支援しなくちゃと思う。

まずは、自分の子どもをきちんと見守ろう。

なんて、
僕たちがやりました!と胸を張れる仕事を一つ終わらせて、充実した週末を過ごしている日に思ったこと。

Vol.220 恐竜王国2012

2012-08-16 21:05:36 | ライフ



夏休み。

栃木の実家と埼玉の実家を2件まわって、毎年夏休みは終わりだ。

もうちょっと子どもたちに夏休みの思い出をつくってあげなくちゃと思い、幕張メッセで開催中の恐竜王国2012に行ってきた。

5年くらい前、長男が今の次男と同じくらいの年齢の時に、パシフィコ横浜で開催していた恐竜展に行ったことがあるが、長男はもうすっかり忘れているそうだ。
きっと次男坊も今日のことは忘れてしまうのだろう。

恐竜の解釈はここのところ次々に新しくなっている。ジュラシックパークの映画が公開された時にはシッポが宙に浮いて、やたら動きの素早い恐ろしい恐竜が登場した。
最近では恐竜は爬虫類よりもむしろ鳥類に近いとされている。僕の子どもの頃の恐竜は、ワニのようにゴツゴツしていて固そうで愚鈍な雰囲気の大きなトカゲだったのだけれども、最近の恐竜のイメージではカラフルな毛がふさふさとしていて、俊敏そうな鳥そのものである。解釈の違いでこうもイメージが変わるものなのだなあと思った。

そういえば、ダーウィンの「種の起源」の文庫本を買ってある。ぼちぼち読もう。

Vol.219 てるてる坊主とプール

2012-08-15 07:19:38 | ライフ


 毎年実家に帰ると子どもたちとプールに行く。

 スイミングスクールにいかなかったので平均程度にしか泳げない長男は、夏休みの学校のプールへは嫌々に通っているが、僕と行くプールは楽しみにしてくれている。
 次男坊は去年の記憶とかあまりないから、プールって何だろうと思いながら、浮き輪をかぶるという非日常性に浮かれている。
 今年、実家に着いた次の日、天気予報が見事に外れての晴天の中、3人で予定通りにプールに行った。
 2時間、ほとんど水中から上がることなく、泳ぎっぱなしの遊びっぱなし。
 次男坊も最初はおっかなびっくりで、そろりと浮き輪にのっていたけれど、最後は自分の手足で方向をコントロールして進めるようになって大はしゃぎだった。
 母親の家に帰ると僕の弟と彼らの従妹が来ていた。そこで、明日もプールに行こうという話になった。
 翌朝起きてみたら、残念ながら雨。プールは無理か、と僕は思ったけれど、子どもたちはまったくあきらめていないし、悲しんでもいない。プールがはじまるのが10時からだから、まだ2時間いじょうある、絶対やむよ!って。
 
 ところが雨はなかなかやまない。9時近くになった頃、彼らは3人でてるてる坊主をつくった。

 なんと10時前には雨がやみ、晴れ間さえのぞくようになった。

 恐るべし子どもたちの願い。強く思えば願いは叶うってことを教えてもらっちゃったね。

Vol.218 スマホを捨てよ、町へ出よう

2012-08-15 07:17:18 | ライフ
 ビデオカメラを持って旅行に行ったことはあるだろうか?
 一眼レフのカメラを持って子どもの運動会を見に行った経験はあるだろうか?

 カメラを持ってしまうと、目的が撮影になってしまって、本当に美しい感動的な景色だったり、子どもの真剣な表情をファインダー越しにしか見られなかったりする。 記録に残すことがそれほど大事なのだろうか。
 大切な瞬間はきちんと自分の目で見て、メディアにではなく脳に焼き付けるべきではないか、なんて最近思う。

 スマホを持つようになって、どこでも連絡が取れるようになって、世界は極めて狭くなった。
 
 その季節ならではの、その場所ならではの体験ってあったはずなのに、スマホがある生活ではいつも同じ風景になってしまった気がする。

 スマホではなくて心で繋がる生活をめざしてもいいかな?