はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.72 シンプリーレッド

2010-09-26 06:49:00 | 音楽
夕べは家族で楽しみにしていたシンプリーレッドのライブコンサートだった。

国際フォーラムに集まったお客さんはやはり若干年齢層が高く、我が家のように子ども連れも多かった。
時間通り、18時丁度にコンサートはスタートした。ミックハックネルは最初から素晴らしい声で、なんて歌がうまいんだろうと思った。
曲は最新アルバム(といっても2、3年経っている)「ステイ」とフォレスターのCMソングが入った「スターズ」からの曲が中心。

最初の頃は席を立ち上がって盛り上がる人が多くなく、椅子に座ってゆっくり音楽を聴けて良かったが、「ホールディング・バック・ジ・イヤーズ」や「ユア・ミラー」「フォー・ユア・ベイビーズ」と言った代表曲を座って聴くのは何か妙な気分だった。バンドはお客さんが盛り上がっている方が当然演奏しやすいようで、皆が立ちだしてからの後半の方が断然ノリが良かった。

「イッツ・オンリーラブ」はギターのアレンジがあれ?と言う感じで、なんかしっくりしなかったが、スズキケンジはさすがにうまかった。ライブじゃ結構弾きまくるんだ。でも長髪は気持ち悪いよ。お笑いのQ太郎みたい。
トランペットとサックスだけだけどホーンが入るとかっこいい。「イッツ・オンリーラブ」のトランペットを生で聴いて痺れた。

「マネー・トゥ・タイト」「サムシング・ガット・ミー・スターテッド」「フェアグランド」と一気に盛り上がった。
盛り上がったけど、やっぱり「フェアグランド」がアンコール前の最後の曲だった。
アンコールでは屋敷豪太がゲストで登場したけれど演奏は1曲だけ。
もちろん曲は「スターズ」。
そして、ラストは「イフ・ユー・ドント・ノー・ミー・バイ・ナウ」。

面白かったし、演奏も歌も最高だったけど1時間40分はちょっと物足りなかったな。ラストツアーなのに。
20年前に弟と見たライブは2部構成で3時間くらい演奏したので、どうも比べてしまう。
あの頃は「イナフ」とか「モア」とか「ニュー・フレーム」とかの名曲があったね。

Vol.71 マインドマップ

2010-09-25 07:18:11 | マインドマップ
僕はマインドマップ手帳に毎日マインドマップをかいている。
大体はスケジュールをかいているが、時々は企画をまとめたり、ビジョンを描いたりもしている。
それから、ビジネス書を読むと要点だけ書き記しておく。

最近、僕のメンターに新しくなりつつある「強み」を引き出してくれるMさんが、「かいてるマインドマップをブログにアップすべきだよ」としきりに言う。Mさんの言うことは聞いておいた方が人生の成功に近いし、最近読んだ本田直之氏の「パーソナル・マーケティング」にもパーソナルメディアを使って自分をプロモーションすべし、みたいなことが書いてあったので、時々はブログで紹介しちゃおうかなと思った。

今回はその第一弾、カーマイン・ガロ著の「スティーブジョブズの驚異のプレゼン」のマインドマップ。変なジョブズの絵に注目。ブランチは目次を写したような程度であるが、僕が後で本の内容を反復するにはこれで充分だ。本の内容は素晴らしかった。ガー・レイノルズの「プレゼンテーションZEN」「プレゼンテーションZENデザイン」とあわせて読むとさらに良いと思う。

Vol.70 麺家いろは

2010-09-19 21:43:24 | ライフ
先週、仕事で北陸に行ってきた。

羽田から小松空港に飛び、金沢~福井とまわり、翌日は富山へ行き、富山空港から羽田へ戻ってきた。
ちょっとしたプチ旅行である。

途中、東尋坊に立ち寄る時間もあった。自然が作り出した奇怪な岩石群にはもちろんびっくりしたけれど、パノラマに展開する地平線の素晴らしさにも息を呑んだ。

富山空港でおみやげに麺家いろはの「富山ブラック黒醤油らーめん」と「富山 白エビ塩らーめん」のセットを買って帰り、今日作って食べたのだけれど、今まで食べたラーメンでベスト3に入る勢いのうまさだった。
特に黒醤油らーめん。その色は京都の新福菜館のラーメンにも負けない真っ黒。しかし、味は意外とあっさり。でもコクがある。
むむむ、店で食べてみたいものだ。でも富山に行く機会はそうそうないしなあ。

Vol.69 東京タワー

2010-09-01 04:51:59 | 文学
 今さらではあるが「東京タワー」を読んだ。

 この「東京タワー」や「おでんくん」が大当たりする前からリリーフランキーには注目していて、家の本棚には4冊の文庫版のエッセイがある。
 「東京タワー」はリリーフランキーが家族のエピソードを中心に自分の半生を小説にしたもので、エッセイで既に書かれている話が多いので僕は内容をほとんどあらかじめわかっていた。
 キャストがリリーフランキー本人とギャップがあり過ぎるし、美化された過度な脚本なんじゃないかと思って、映画やドラマは興味が持てずに結局は見ていない。
 そんなわけで、何で今さら「東京タワー」なのかと云うことなのだけど、理由は簡単で最近ようやく小説が文庫化されたのである。

 小説の後半でリリーさんの最愛のオカンが病気で亡くなってしまう。僕はやはり父が亡くなった時のことを思い出す。
 
 僕が実家に帰るのを待って、いよいよと云う感じで病院に父を連れて行くとそのまま入院となった。弟も来ていて個室の病室に家族、親戚皆揃った。
 「個室になったらもういかんぜよ」とリリーさんのオトンは言った。その通りだと思った。
 母親は看病で疲れきっていたし、僕は二度と良くならないのが分かっていながら苦痛を必死にこらえる父親の姿を見ているのがつらかった。
 父親がこの世を去るその日、近くの百貨店で新しいパジャマを2着買ってきた。弟は一旦自分の家に帰った。
 僕の長男はまだ幼稚園にも行っていなくて、母親は疲れていたので僕らもその日は家に帰ることにした。明日はタッパーと何とかを持ってこなくちゃね、と母親は明日持ってくるべきものをメモに書き出していた。
 僕はなんとなく今日が最後になるんじゃないかなと薄々思っていた。母親と長男と妻を家に送っていったら、病院に戻って父親の側にいてやれば良かったとずっと後悔している。
 その夜はいつ呼び出されても大丈夫な様にお酒は飲まずにいた。
 夜中を過ぎて僕の思った通り、病院から電話がかかってきた。母親と僕とで病院に駆けつけると、既に父親はこときれていた。苦痛とまでは行かないけれど、少し苦しそうな表情をしていて、おそらく亡くなる寸前には必死で「お母さん」と母親のことを必死で呼んだんだろうなと想像できる。うちの父親は仕事から帰ってきて母親の姿が見えないと、ただいまを言うより先に「お母さんは?」と言った。亡くなる間際は自分の身体が思う様にならなくて相当母親にわがままも言ったようだけれど、とにかく何をするにも一番は「お母さん」で生きがいは家族だった。でも、そんな父親を一人で逝かせてしまった。本当に申し訳なく思う。
 
 伊坂幸太郎のデビュー小説に死んでいく人の手を握る役割の女性と云うのが登場する。
 「東京タワー」では、オトンも見守る中、息子に手を握られてオカンは旅立つ。
 僕が亡くなる時は妻に手を握っていてもらいたいと思う。
 親父にそうしてあげられなかったことが悔やまれる。親父ごめん。

 人は満月の時に生まれて、三日月に死ぬ とリリーさんのオトンが言っていた。
 そういえば、うちの長男が生まれた日は満月だったし、下の子の時ははっきりは覚えていないけれど満月かそれに近い月だったはずだ。
 親父が死んだ日はどんな月だったんだろう。もうすぐ春がくる、風が強い日だった。