5月に開催した『東京工芸大学みらい博』の「今になくて未来にあるモノ」コンテストに応募して以来、すっかり未来の街を描くことにはまっている我が子だが、次はドコモの「僕たち私たちの未来のくらし」コンテストに応募するんだと張り切っている。
そんな彼の参考になればと思い、弥生美術館で開催している『昭和少年SF大図鑑展―S20~40'ぼくたちの未来予想図―』に連れて行った。
昔の漫画雑誌などに掲載された、未来を描いた絵を集めた美術展で、赤や緑の原色を多用したイラストが懐かしい。
息子は、「宇宙や海やが多かったね」と云い、さっそく影響されて今日あたりは海が舞台となる未来の街を考えている。
昭和少年SF大図鑑展に行った足で、江戸東京博物館の『日本・ギリシャ修好110周年記念特別展 写楽幻の肉筆画』を見てきた。
この展覧会、9月まで開催してはいるが、はじまったばかりの今ならまだそんなに混んでいなくてゆっくり見ることができる。
写楽の作品は、今回の主役の扇に描かれた肉筆画の他、版画が2点出展されていた。他の浮世絵にない独特の色使いとバランスの悪さが癖になる。
浮世絵といえば、着物をきっちり描き込んでいて美しいが、その柄や色はひょっとして画家のオリジナルデザインではなかっただろうか?だとしたら、着物のデザイン画としての機能なのかも知れない、なんてぼんやり考えながら鑑賞した。
お化け好きの息子に北斎の百物語を見せる目的があった。
提灯のお岩さんや、さらやしきの絵には予想通りの反応でうれしかった。
それにしても北斎はつくづく藍が美しい。
最近は復刻版が10万円くらいで売り出されていて欲しいかどうかと云えば、もちろん欲しいが、今回出展されていたものと比べると色がだいぶ軽い感じが気がする。
特に藍は違う。
美術展に行くと僕は図録をよく買う。今回も迷ったが、見本をパラパラとめくって買うのをやめた。
残念ながら色がまったく違う。浮世絵の色は図録では表現できないものだ。
浮世絵は実物に限る。