はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.235 レ・ミゼラブル

2013-01-19 20:32:53 | 映画



話題の映画「レ・ミゼラブル」を観た。

休日出勤の代休を利用して最近立て続けに壊れたシェーバーやプリンタを買いにいきたかったので妻を誘うと妻は映画を観にいくつもりだったと言う。
「せっかくだから観にいったらいいよ、僕は買物して待っているから。」と言って、念のため時間つぶしのための本も持って近くのイオンへ向かう。
「ところで何の映画を観に行くの?」と車の中で聞くと「レ・ミゼラブル」だと言う。
それなら僕も観たい。本を読んで待っているなんてもったいない。
ということで、妻と二人で映画を観ることになった。
妻と二人で映画を観るなんて何年振りだろう、ちょっと照れくさい。
最後に一緒に観た映画は「アメリ」だった気がする。

英語は決して得意ではないのだけれど、英語のプレゼンテーションを見たり聞いたりする機会が増えているので最近は常に英語を聞き取ろうという努力をしている。
そんなこともあって、映画を観るとセリフや言い回しに注力して「言葉」を追いかけてしまう。
レ・ミゼラブルはご存じのようにミュージカルの映画化なので、セリフが歌のため、会話よりは英語が聞き取りやすく言葉が耳に残りやすい。

To love another person is to see the face of God
誰かを愛することは神の側にいること

これがこの物語の主題なのだろう。
誰かを愛すること、愛する人を守ること。
欲や打算とかではなくて、純粋に誰かを愛すること。
血のつながった自分の子どもではないコゼットを、もちろん肉欲とかそういうものと無縁のところで、命を懸けて愛すること。

そして愛すること、守ることが、Who am I? ジャンがジャンである証である。
Who am I? 迷った時、ジャンは自分に問う。
私は誰だ?
そして、ジャンがジャンであるという答えを出す時、神はいつも側にいる。

どんなに辛くて、悲運で、気の休まることのない日々であったとしても、In my life ジャンの生涯は、幸せの物語だったのではないだろうかと思う。
「It is the story」これは物語、ジャン・バルジャンという男の物語だとジャンは言う。

敵役のジャベール。
Who am I? 彼も自分を強く持っている。
だが彼の正義はジャンの正義と一致しない。
ジャンを赦すことはIn my life 即ち、自分自身のこれまでの生き方を全否定することになる。

ジャベールはラッセル・クロウが演じている。
他のレ・ミゼラブルについて書かれているブログを読むと、本格的なミュージカルファンからのラッセル・クロウの評価は必ずしも高いとは言えない。
でも僕にしてみればラッセルの歌声が一番印象に残っている。
確かに高音の歌声はちょっと物足りなさを感じもしたが、低音を歌う時の声に痺れてしまった。
ホワイトスネイクのデイヴィッド・カヴァデールの声に似ていると思った。
セクシーな歌声なのだ。
ラッセル・クロウはロックバンドのボーカル出身。
そのロックな魂が僕の心に響いて、本格ミュージカルファンには響かない、と、そういうことなのかも知れない。