はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.297 お父さんの夏休み-2 JIMI:栄光への軌跡

2015-08-31 11:04:35 | 映画


ジミ・ヘンドリックス、
最初にその名前を目にしたのは何の本だっただろう。
ロッキンオン?
ロッキンf?
ヤングギター?
それとも友だちから聞いたのかな。
ロックキッズだったから、
もちろん知っててあたりまえのギタリストだった。

好きなギタリストかと言われたら、
当時の僕にはブルースすぎて、
実はそんなに好きなわけじゃなかったんだけど、
エレキギターを弾く高校生としてはやはり聞かないわけにはいかなかった。
でも、お金がなかったし、
高校へ行く途中にあった貸しレコード店で、
パープルヘイズの入っているアルバムを1枚借りて聞いた程度。

で、
去年からバンド活動を再開したこのタイミングで、
ジミヘンの映画だよ、と紹介されれば、
ロックおじさんとしては、
やっぱり観ないわけにはいかない。

ところが映画を知った時にはほとんどの映画館で上映が終了していた。
再上映を注意してチェックしていたら、
1週間だけ下高井戸シネマで上映されたので、
このたび予定を調整して観にいったという次第。

クラプトンのステージに飛び入りで演奏したら、
クラプトンが自信を失くしてステージを降りたというエピソードとか、
サージェント・ペパーズを演奏したエピソードとか、
そうそうそんな話、昔、聞いたことある、とか思って、
たぶんニヤニヤしながら観ていたんだろう。

そして、観終わったら、
やっぱりギターを弾きたくなった。

9月のバンドの練習日を決めて、
ライブも実現させなくちゃ。

二通りの人間がいる。
やる奴とやらない奴。

やっちゃえ、オッサン。

Vol.296 お父さんの夏休み-1 うらめしや~、冥途のみやげ展

2015-08-29 06:29:06 | 芸術


夏になるとNHKが「日本怪談百物語」とか「文豪怪談」といった面白い番組を放映してくれる年もあるし、雑誌で妖怪やお化けの特集が多い年もあるのだけれど、今年はそうでもない。
「お化けが足りない。」とフェイスブックに書き込んだら、風流人の山野辺さんから「上野でやってる幽霊画展は見たかい?」というコメントをもらった。

調べてみると三遊亭圓朝コレクションの幽霊画中心とあった。
圓朝コレクションの幽霊画ならば、何年か前に谷中の全生庵で開催された幽霊画展で観てはいたのだけれど、今回の幽霊画展は話題にもなっているようだし、行くべきだと思って予定を調整した。

中央に蚊帳が吊られた休憩場所がある展示室にずらりと幽霊画が並べられている。
そのほとんどは色がなく、会場全体がモノトーンの色あせた印象になっている。
耳を澄ますと風の音の効果音が流れている。

絵とは謂えどもこれだけの幽霊に囲まれ、みつめられると動きが不自然になる。
かくかくして思うように足が出ない。一歩を踏み出すのが億劫だ。
足がすくむというのはこういう状態なのだろうか。
心なしか頭も重い気がするし、目眩もする。

蚊帳越しに観る幽霊画もまた一興。面白い演出だ。

幽霊画と言えば「円山応挙」といつしか子どもの頃から教わってきたが、実際に応挙の絵を観たのはおそらく大人になってからだ。
応挙の幽霊は儚げではあるけれど、線が柔らかく、ふっくらとしていて優しそうで、恐ろしさは感じない。
今回は応挙本人の画はないようだけれど、手本にして描かれた作品がいくつか展示されている。

展示室の最後のコーナーの手前で展示されているお化けのお面は強烈なインパクトでこれはトラウマになるかも。

帰りにショップで泉鏡花小品集「おばけずき」を購入。
夏はもう終わりな感じだけれど、秋に怪談を読むのも悪くはないだろう。