10年前に完成した葉山中学校。Yさんのブログの映像を見て、これは是非に見てみたいとお願いした。その成果が今日の見学会になった。設計者はYさんのお師匠さんで、吉村順三に惚れ込み、市役所を辞めて1年がかりで事務所入りした人物だ。設計した建物そのものも、コンセプトも、色彩も、デティールも素晴らしい。
校舎の手摺りの一部に、ソーラーパネルを取り付けた。積雪の多いこの地域では、冬期間の雪からの反射によって、発電率が高くなるのだそうだ。
玄関へと向かう。
風除室
昇降口は吹き抜けで、とにかく明るい。
まずは2階の図書室へ
打ち合わせと説明を受ける。
南側開口部の広さだけではない明るさ。よって、植物が良く育つ。
この学校は山形県では珍しく教科教室型の中学校である。教科毎に教室が変わる。その為に個人のベースはこのロッカーになる。
多分1-3階で、ロッカーの色が違うと思う。ここはピンクと天井がオレンジだった。階段もそうだが、原色では無く微妙に彩度の落ちた色の選び加減が、非常に上手い。
個別の教室は、各教科と共同で、後ろの黒板がホームルーム用、前の黒板が教科用になっている。
その生徒達の動きをカバーする階段は、双方向から上り下りの出来る仕掛けがついていた。
ともかく、デティールがうまくまとまっている。
階段室上のトップライト
唯一の和室。床の間には鎧甲が飾ってあった。
窓の切り取り方も美味い。風景が絵になる。
中央の廊下は移動だけでなく、多目的に使用する。
この天井の見切りもまたシステム天井である。この格子状のレールに、様々な物を吊すことが出来る。
防火戸、防火区画も使い方もうまい。
音楽室。天井は躯体をうまく使い、音響効果を上げている。
この日は土曜日だったが、吹奏楽の練習で集まった生徒達、元気な挨拶の野球部員もいた。
三味線が並んでいる。
家庭科室、調理室と裁縫と一緒の部屋のようだ。
トイレを分ける衝立のコーナーも、うまく木材を利用している。ボードも張り方も幅木、建具枠も小気味が良いほど、スッキリと仕上がっている。
屋外階段からは甑岳が見えた。
理科室の天井にはリングがついていた。これを利用して滑車などを吊り下げ、実験を行う。
久しぶりの化学の実験道具。
テーブルにはシンクが着いていた。天板を開けると、流し台になる。
2階の渡り廊下で、体育館へ向かう。RC造の躯体の角は、ピン角である。ここは渡り廊下の為に、コーナーに木を用いている。
この葉山中学校は、3校を統合した。校舎は解体されたが、その門が3つ、それぞれ中庭に移設されている。
体育館棟。赤い扉を開けて体育館のギャラリーへと進む。
こちらは武道場。可動式の椅子を設置して、講堂にも用いると言う。
この体育館のギャラリーは観客用と、ランニングの練習用にも用いられる。
体育館は、黄色みの色が強く、少しうるさかった。
バレーボールの練習中であるが、床に棒高跳び用のポールを設置する箇所が埋め込まれている。マットはステージの上に積み重ねてある厚みのあるブルーのものがそれ。なんでも全国大会で1-2を争う選手がいるそうだ。
ギャラリーを歩いてみる。
窓回りには手摺りが設置してある。それも、なかなかの気の使いようである。
細かい所が見られて勉強になった。
1階の渡り廊下。
体育館の外観
美術室
技術室前の廊下。作品が置いてある。
料理も木工も、男女とも行えるのは羨ましい。我々が中学生の頃は・・・ブツブツ
技術室と書かれてある室名プレートは当たり前だが、上部に教科名(数学Aなど)下部にクラス名が並列されているのは面白い。
統合前の戸沢中学校。
大高根中学校
葉山中学校