無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

酒田船頭北前料理

2022-10-31 12:57:46 | 酒田


今日の飽海地域史研究会の会場は、山王クラブである。


酒田市史にも載っている、本間家の北前船「日吉丸」の新造落成祝に出された「お料理」の復元された物を頂く為である。



本間光道が文化5年に本間船を急遽造らせたのは、蝦夷地に異国船が現れ、大砲などで脅かすため、幕府は松前藩を救う為に、南部藩、津軽藩、庄内藩、会津藩に救援を求めた。


(茶色の部分が庄内藩)
庄内藩も駆けつけるのだが、武士以外に食料や武器などを運ばねばならない。
完全なる民間の船というよりも、半ば公の船でもある。
その船は酒田湊から出航するので、本間家は俵屋栄蔵に船を造らせた。



それらの物資の運搬が終わると、本間家の持ち船は北前船として航路を行き来し、瀬戸内海から大阪へと販売地を増やしていった。



本間家文書に書かれている料理は、さすが大店の振る舞いとあって、豪華である。
酒田祭で見かける酒田の郷土料理とは、随分と違う。



メインシェフは、加茂水族館の魚匠ダイニング沖海月の須田シェフである。
彼も飽海地域史研究会のメンバーでもある。




その手助けをしてくれるのは、酒田南高校の調理科の2年生と3年生。
須田シェフからは、日本料理を学んでいるのだそうだ。




一の膳。漆塗りのお膳と器は、明治の頃の物で、山王クラブに保存されていた。



二の膳。北前船の帆かけ付きである。


米がゆに蕎麦の実が載っていて、禅の料理を彷彿とさせる。


椀には秋鮭、にらふさ、南禅寺(豆腐は押しなべて南禅寺と呼ぶ。)黄菊、椎茸、柚子
汁の味はやや薄め。

お刺身は海老を茹でたものと、真鯛の刺し身(文献では真鰈になっている。)


ごま豆腐、餡は醤油味(金沢風)と味噌ダレ(福井風)がかけてある。
味噌味もなかなかだった。


煮物は、鰊、厚揚げ、茄子(うんと細かい包丁目が入っていて感動する)いんげん、針生姜。どれも別々に味付けされていて、椀に盛られている。


帆掛け船の八寸
庄内米の鰊粥漬け(これは金沢や敦賀あたりの料理だと思う)、鱒の紅花押し寿司、蕎麦の実、豆腐田楽、南瓜の豆腐、銀杏



これは驚くことに、膾(なます)だった。鱒のなます。黄菊、いくら(酒田でははららごと言う)花穂、細いのは芽ネギだそうだ。


焼き物は真鯛味噌焼き。福井辺りだと小鯛を使うのだそうだ。
卵焼きの焼き目付き、茗荷の酢漬け
今回は、とてもここには書ききれないお値段で提供して頂いた。
赤字になったのではと、ヒヤヒヤした。
これと同じ料理を、来年の2月3日(日本遺産の日)に、加茂水族館のレストランで提供してくれるそうだ。


今まで食べたことのない味だった。


蔵座敷



加藤木工の船箪笥。パリの博覧会に行って賞を獲得したそうだ。
それの報告会も行われた。


山王くらぶの船箪笥。


傘福の飾り


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秋の色

2022-10-28 17:39:59 | 動物・自然


桜並木が赤くなった。


田んぼの彼方此方に、白い点々がある。
食事中の白鳥の群れだ。


庄内空港敷地内のコキア


日の当たる所が赤くて、日陰は緑のツートンカラー。面白い。


ホワホワである。


今日もいろは食堂。
ここのスープは、首まで浸かりたいほどの美味しさ。



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夕焼け

2022-10-28 17:36:47 | 動物・自然

窓の外が赤くなった。夕焼けだ。


眩しくて、目を開けていられない。


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晴れのち雨

2022-10-26 20:15:25 | 社会


この日の会議は山形県庁だった。
時間内に着くとは思われるのだが、一応国道13号線から東根ICを通り高速道路にのった。
早めにカーナビに入れておけば良かったのに、それを怠り東根ICが探せなくて彷徨いた。



県庁へは、山形蔵王ICで降りると、目と鼻の先で楽ちんである。
もうじき山形中央道が開通するので、ICを探す必要がなく、新庄から信号を通らずに高速を走れる。
(新庄では高速に信号機がついている。ホッホッホ)


会議が終わって、コストコでガソリンを入れた。154円/Lだった。
酒田では安い所で173円/Lなのだから、ガソリンタンクの空き具合を調整して山形に来ようと思う。
せっかく、先日会員になったガソリンスタンドの会員カードが、事務所の中で行方不明になり、約にたたない。

信号機の向こうの山は、蔵王。紅葉が山を包んでいる。


村山の道の駅から見た葉山。もうすっかり田んぼの稲刈りは済んでいる。
この道の駅に着いた頃から眠くなり、運転中でも数秒寝ているのではと思い、尾花沢の道の駅で仮眠することにした。
その頃、少し雨が降っていた。



目が覚めたら、御覧なさいな。虹だわ。
でっかくて、二重なのだもの。


それからしばらくは、虹が私の車の後を着いてきた。
帰りは雨だったのだ。


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北前船と酒田・飛島

2022-10-23 12:52:26 | 歴史


10月20日、第2回目の「北前船と酒田 飛島」の講義が始まった。
1回目も2回めも参加者は定数を超え、「申し込んだけど1回目は断られた。」と言う女性の声も聞かれた。

子供の頃に読んだガリバー旅行記には、巨人の島や小人の島、馬の島に、空飛ふ島も出てくる。そのモデルになったのではないかとの、今回は飛島の話である。



NHKのブラタモリで、飛島湊が酒田湊への風除け湊と言われたが、杉原先生の意見は、日本海側を運行する目的地が松前(蝦夷地)に向かう北前船の、沖通り(島から島へ渡るルート)の最北端だとし、船宿の御客帳がそれを物語っているとした。





飛島に関しては、酒田海洋センター内にも、飛島の本が数冊展示してある。
その内容も、酒田湊に劣らない繁盛した湊だったことがわかる。


御客帳には、入港した日時、船名、どこから来たのか、持ち主名が書かれている。




帆の形、家紋もわかりやすい。



船の形も描かれている。


飛島の絵図。上が北ではなく本土を向いている。
実用を大事にした地図だ。



前回は、宮野浦の阿部家文書で、酒田湊の幾らかの史料があったことを喜んだ。
飛島には9件の船宿があり、その内3件(沢口旅館、飛島旅館、鈴木延次)の文書が出てきて、史料の少ない酒田に比べて歴史を探るのに役立っている。


飛島には257種類の鳥が訪れる。日本に渡る鳥の過半数なのである。


温かい海流が近くを流れ、植物も暖地系植物の最北でもあり、寒冷系植物もまた然りである。
また、飛島固有の植物もあり、訪れた人々の目を楽しませてくれる。


鈴木家文書は、国立歴史博物館に70点が保管されている。

飛島旅館の文書は、写しが山大に40点保管されている。
飛島旅館は津の国(富山越中)の船が飛び抜けて多い。酒田ではその辺りの調査はきちんとされていないが、富山県は調査済みで本を2冊出版している。





沢口家から出た文書は、寛永6年の御客帳もや、北前船の掛け軸も見つかった。沢口文書は、飛島合同会社へ文書を売却したそうだ。


沢口家に残る英国製の皿。


飛島図絵・佐藤梅宇作(鶴岡市郷土資料館蔵)


飛島には縄文土器も発掘されている。テキ穴には人骨、中世では秋田の仁賀保の所有だった。


江戸時代になって、庄内藩から2名の島役人が入る。任期は正月に決まり、3月から9月の半年。
島では米が採れないので、烏賊(スルメ)が年貢だった。島内には157軒の家があり、各1000枚が年貢だったとされる。
この157軒は、増減せず、常にこの数字を保っていた。人口は1000人ほど。
島役人は船の入港税(湊こう銭・塩こう銭)を藩に収めていた。
島役人は庄内藩の武士だが、島には3名の肝煎りがおり、代々受け継がれていた。


情報プラザ(中町庁舎)の向かいに秋明菊が咲いていた。
ピンクでもこんなに綺麗。


秋も深まってきた。



おまけ:飽海地域歴史研究会で見せて頂いた史料。

ペリーの黒船が日本の周りを彷徨いていた頃、飛島にも異国船が入ってきた。
時期をずらして、米国船も露国船も寄港した。



なんと、2-3発の大砲の弾を飛ばしてきて、上陸したらしい。庄内藩は大騒ぎ。
酒田市史には、殺生どころか小石さえ持ち帰ってはならない賽の河原で、ウミネコを鉄砲で撃ち、焼き鳥にして食べ、島民は大きなショックを受けたとされる。


絵も残っている。
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2022(公社)建築士会全国大会 あきた大会1

2022-10-23 12:51:52 | 

お隣の県へ行くとて、8時半に建設会館を出発する。
人数の割に大型バスがやってきた。一人4列確保できるかな。


雲ひとつない秋晴れである。
水平線の上には飛島が鎮座しているが、バスのガラスが青色仕様なので、よく見えない。



日本海は、潮の流れで模様が付いていた。


南を見ると、共同火力の煙突が酒田の位置を示している。


男鹿半島の寒風山である。
男鹿半島を含む入り江には、洋上風力が並んでいたが、それもはっきりと撮すことが出来なかった。
洋上風力、酒田でも計画が進められているが、果たして良いものかどうかは判らない。


象潟の道の駅で一時休憩をする。
秋田市内に入り、秋田市民俗芸能伝承館に入る。



竿燈が展示してある。


説明を聞いているらしい。







右の文書は、竿燈のお囃子の楽譜なのだろうと思う。


これだけの揺本があるのは、町内別でお囃子が違うのか。


四季折々の行事の絵巻もあった。


竿燈よりも古くから伝えられている芸能の数々。


実際に飾られているお面がちょっと怖い。



階段の途中に貼ってあったポスターで、稲庭城を知る。
うどんの名前だけではなかった。こちらの方が古いのだろう。
これは、登ってみたいな。




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2022(公社)建築士会全国大会 あきた大会2

2022-10-23 12:51:33 | 
秋田市民俗芸能伝承館は、通称ねぶり流し館と呼ぶらしい。
ねぶるのか、ちょっと怖い名前だわ。
館内を見学して、別口の出口を通ると、隣の旧金子邸土蔵の前に出た。


秋田は黒い土蔵が多い。
白壁よりもはるかに何工程も、左官の手数がかかっている優れものだ。




町家づくりの土間が表玄関までつながっている。






旧金子邸は太物(綿織物・麻織物) を扱っていた商家らしい。
帳簿も保存されているのは有り難い。












表の店側は、2階建てのようで、床組が天井になっている。
座敷周りは天井が高く、なかなかの造りである。
昭和初期の建物らしい。



土間通路の柱の奥行き(狭い)場所に、履物が一列入る下駄箱があった。


蔵の中に入る。


粋な半纏が掛かっていた。


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2022(公社)建築士会全国大会 あきた大会 3

2022-10-23 12:51:14 | 


予定では、ここから少し歩いて赤レンガ郷土館に向かうようだ。
皆まとまってではなく、各自行動する。
大町をあるくと、日章旗が見えた。日本銀行秋田支店だそうだ。
衛兵もとい、警備の人が立っていた。


そろそろ着く頃だ。あっあれだ!


なかなか綺麗に補修されている。


なんだか、盛岡の銀行を思い出す。


この暖炉は、実際に使ったのだろうか。





大型金庫室があった。



ここは貴賓室のようだ。




廊下の天井


階段は、大理石で出来ている。


階段の踊り場に隠し扉が。


天井のステンドグラスはバラかな?


真っ青の空だった。暑い。


そして昼食会場の無限堂に行く。


ご飯は白米。おっとビールが来た。


これに稲庭うどんが付いた。
もうお腹がぱんぱんである。


 
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2022(公社)建築士会全国大会 あきた大会 4 (長いよ~)

2022-10-23 12:50:55 | 

あきた大会の会場のあきた芸術劇場ミルハスに到着する。


ミルハスは、今年の3月に完成した。
コロナ禍の為、本当は昨年に秋田大会の予定だったのが1年遅れた。
それが功を奏して、新しい施設での全国大会を行う事が出来た。


受付を行う。例年になく参加者の数が多い。
皆さん、3年間じっと我慢をしていた、その反動だろうと思う。
しかも秋田県は美味しいものが多い。尚の事唆られるのだろう。


ミルハスは美しい建物だった。色彩計画が素晴らしい。
秋田杉を始め、秋田名物を全面に押し出した設計だ。


記念座談会を聴講する。


女子トイレは白一色だった。白いサインも可愛らしい。


壁はグレーのテラコッタ


RC造(鉄筋コンクリート)の打ち放しは、一部分を除いて秋田杉の型枠を使っており、その木目が美しい。
その上に、赤錆色の塗装が施してある。


階段の段板は、これでもかの暑さの木材(集成材ではあったが)が使われていた。



色の配分も良い。


建築士会賞の作品が並んでいた。


私のカメラでは、微妙な色光が撮せない。
赤錆色が続く打ち放しのてっぺんは、グレーの光でグラデーションになっていた。



窓際のベンチが使いやすい。


ミルハスの大きな窓からお堀が見える。
この堀には、大きな蓮が沢山生えている。
今日は刈り取りの作業員が2名入っていた。
ミルハスは見る蓮ではないのかと思う。


秋田名物曲げわっぱで出来た飾り窓。


大劇場と中劇場を分ける中央の廊下。
ここはエントランスのエレベータ乗り場から続く所。


その奥の緑も美しい。
建物を取り巻く大ケヤキの並木は、本当に大きな欅に育っている。


中劇場入り口


色使いが上手いなと感じる所。
他の木材の色と赤錆色のRCの壁と違い、消火栓付近はモノトーンで抑えている。


エントランスを上から見た所。
格子の下側には、チューブ状のLEDが流してあった。


何台かのエレベータが設置してある。


大劇場入り口




「泣ぐこは、いねがぁ~~!!」の男鹿半島のナマハゲによる太鼓のパフォーマンス。


なかなか上手な打ち方である。
携帯で録画もしたのだが、またしても縦長に撮したために載せることが出来ない。


大会が始まった。


外部に出た。ミルハス向かいの旧秋田県立美術館の前には、「もっきり」のコーナーがあった。
秋田の地酒をもっきり(枡付き)で飲めるコーナーである。
残念ながら、ミルダケになった。


堀を挟んで向かいには、出店とイベント会場が設置してある。
夕方、竿燈がここで繰り広げられたのだが、見ることは叶わなかった。


お堀のあたりから見たミルハス


ここは秋田の城の外堀


たった1輪、蓮の花が咲いていた。
葉を比較しても、私がいつも見ている物と違って、随分と大型である。
花は、同じ位の大きさなのだけど。


秋田の佐竹藩のお城は、久保田城と言うらしい。
久保田は秋田県の地酒の名前だとばかり思っていた。
ちなみに久保田は美味しい。


久保田城跡は、千秋公園となっている。


幟旗は黒とオレンジであり、秋田県建築士会の面々もオレンジのジャンバーを羽織っていた。


優しいカーブである。


やっと全容を撮すことが出来た。


千秋公園(城跡)は、ここからさらに登っていく。


内堀には(睡蓮だと思う)が蔓延っていた。


千秋公園


け・け・けの秋田は、私が想像していたものとは違っていた。
「け」と言う方言は、酒田でも使う。「食べて」と言う意味である。
一のけ・・・秋田に来て!
ニのけ・・・秋田の食文化を楽しんで
三のけ・・・秋田の建築文化を知って
なのだそうだ。


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2022(公社)建築士会全国大会 あきた大会 5 横手

2022-10-23 12:50:37 | 


秋田市から高速道路を使って横手市に入る。
宿泊先のホテルが横手市だった。
どうして能代や大湯、角館あたりに取れなかったのだろうと残念に思ったが、もう参加者が多すぎて秋田市周辺はいわずもがな、全然取れなかったのだそうだ。



ホテルにチェックインした後、夕食を外に食べに出た。
ホテルもそうだったが、横手駅近くの居酒屋に移動する。
駅の反対側だったのだが、駅のコンコース(通路)を利用すると近い。


駅構内に飾り付けがされてあった。
そう言えば、お酒も立派な発酵だわ。


どうして夕食の写真がないのと問われると、行った居酒屋が魚民で、ご馳走が並べられても撮したら良いのか迷ったからだ。
二軒目の食堂では、横手やきそばをチョイスする。
せめてその写真はと言うと、食べかけで気がつき、見た目が美しくないので中止した。
焼きそばは太め柔めで美味しかった。


ホテルの部屋の中は暑かった。
疲れている筈だが、何度も目を覚まし、寝苦しい夜を迎えた。


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2022(公社)建築士会全国大会 あきた大会 6 増田

2022-10-23 12:50:19 | 

私が泊まった部屋の窓は、玄関と反対側にあり、足場がかかっていた。
邪魔ではあるが、その隙間から横手の風景を撮す。
もっと広がりがあったなら、横手のお城まで見えたかどうかは判らない。
お城は、もっともっと左の方角なのである。



ホテルの朝食(バイキング)またしても横手やきそばをチョイス。
牛乳がベラボウに美味しかった。今年一番のヒットである。


横手の町中探索は行わず、バスの乗客となる。
昨日のように、雲ひとつない青空だったら、出羽富士鳥海山が見えただろうに、雲が邪魔をした。


横手市の旧増田町に着く。
私はもう何度も訪れているので、案内人になれるかもと言った所だ。


全国大会のエキスカーションにも組み込まれているので、面白そうな重要文化財住宅は、秋田大会の世話人によって入るのを却下された。
外観だけでも撮しておけば良かった。増田の蔵の日に来ても、ここは開いていなかったのではないか。
旧松浦千代松邸(国指定重要文化財)らしい。


その隣、毎度お馴染みの山吉肥料店に入る。
ここの山吉さんのおじさんは、増田で一番「町家や蔵」について詳しいのではと、私は思っている。


安心して聞いていられる。蔵の前に天皇陛下が皇太子殿下の頃に、案内された写真が飾られていた。
黄色のチェーンの後ろが、その写真である。


増田の蔵は、墨塗りで普通の白壁よりも10工程も多く、左官の手間が掛かっている。


この角の白い部分は、黒壁を削るのではなく、黒塗りにする時点で隅だけ残すのだそうだ。

蔵の中は、蔵座敷になっており、内部立入禁止だった。
おかしいな、私が始めて来た時には、見せて貰った記憶があるのだが。
東日本大震災で、表側に長い亀裂が走ったそうだ。
すると、震災前のずっと昔に、訪れていたのだな。
この辺りの家々は、羽黒山信仰なのだよとの詳しい話も、その時にお聞きしていた。


蔵の防火と言えば、味噌である。
隙間に味噌を塗って、日が入らないようにした。


山吉さんの蔵は、昭和10年に完成した。増田では一番若い蔵だそうだ。
棟札には、大工の棟梁の他、脇棟梁、石工頭、左官頭、人夫頭、当家代官の名前が並んでいた。代官(?!)

他の家の蔵も、同じような黒壁が多く、飾りの組子が違っている。



増田の町家は、玄関から奥の離れた倉庫まで、土間を通して行き来できる。



その途中に台所があったり、作業できるスペースが組み込まれている。




家紋が入った風穴は、一度嵌め込んだら壊さない限り取り外せない。




エクスカーションの為に、座敷に飾り付けられた婚礼セット。
右側の赤い小さな打ち掛けは、山吉さんのお母様が嫁いできた時に来ていた物。
右側の白地に模様の打ち掛けは、奥さんが着て結婚式をあげた。
火鉢は桐材をくり抜いて作り、漆と蒔絵を施したもの。
五重の重箱も、皿類もなかなかの優れものだった。


この建物の主の女将さんは、秋田美人だった。
以前に寄らせて頂いて、家そのものを蔵造りにして欲しいと役場から願われ、防火帯として存在を見せている。
女将さんの話も伺いたかったが、バスの発車の時間が迫っていた。




秋田オレンジ隊がいる。


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2022(公社)建築士会全国大会 あきた大会 7 旧石田理吉邸

2022-10-23 12:50:07 | 


増田にやって来て、ここは見ないと駄目だろうと、旧吉田邸に入る。
吉田家は醸造業から医者へ転向し、地域医療に貢献した方だとか、一時町長だか村長をやっていた時期もあったとか。
商家の立ち並ぶ増田に於いて、木造3階建て(5寸柱)の住宅は珍しい。
ただ、ここに住んでいたのではなく、渡り廊下で隣の住宅と繋がっており、こちらは迎賓館のような使われ方をしたらしい。


1階和室の床の間


床の間にあった棟札。昭和12年の建築。


黒柿の欄間


書院の柱も黒柿だった。縁側の木製戸も腰板が黒柿。


欅の縁側


階段手すりも手作り。



階段脇の電気のスイッチ


2階和室の床の間 床柱も床框も黒柿。


和室の隣は洋室。


床は寄木造り


天井は繊維壁塗りだそうだ。


造作の見事さ



金物。


まさか、床まで黒柿ではあるまいな。


3階廊下の手すりは竹だった。



3階は宴会の出来る大広間
雨漏りの跡があるな。



ここでも欄間は黒柿。
よくこんな大きな黒柿があったと驚く。



縁側から道路を観る。


1階の蔵座敷に移る。



柱間隔が1尺(303mm)の贅沢な造り。


蔵は物の貯蔵の他、1階は蔵座敷として使用するのが、増田の特徴らしい。


床の間。案内してくれた方が、床柱は黒檀、床框は紫檀、一番右の床柱はタガヤサンだと教えてくれた。
黒檀紫檀は見たことがあるが、鉄刀木(タガヤサン)は名前だけ聞いていて、見るのは始めてだった。


木目が細かい。


2階の梁の大きいこと!!


手すりと言うか、落下防止飾りと言うか。


1階の和室にあった虎の絵は、酒田の本間家出入りの絵師が描いたのだそうだ。ただ、銘がない。
藤田嗣治もここに逗留し、絵を描いていたと言う。


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2022(公社)建築士会全国大会 あきた大会 8 最終

2022-10-23 12:49:46 | 


増田のまんが美術館に行く。
ここは前回も行ったが、ほんの時間つぶし程度で、中をゆっくりとは見ていなかった。
ホールの椅子は、「ウオオオー」だったのに、今気がつく。
その奥にカフェがある。そこへ行ってみた。

 

東村アキコやないかい。
本人は別嬪、私は「雪花の虎」が好きである。もしも上杉謙信が女性だったらを描いた書籍なのだが、胸に染みる作品だった。

カフェの壁には、来館した漫画家が直接壁に絵を描いていた。

 

竹村恵子:わぁ~い本物だ~~!


萩尾望都:お会いしたかった。



江口寿史



誰?!

田中圭一:漫画の神様、手塚治虫氏の画風そっくりにシモネタ漫画を描き、手塚るみ子(治虫氏の長女)とも仲良しで、どうやら公認されているらしい。


最低漫画全集とやら、手塚るみ子の帯書きが楽しい。

男子の漫画がなくてゴメン。


吹き抜けの壁一面に飾られていた絵。
この美術館には、漫画家の原画が保管と展示してあり、印刷物にはない緊張感が絵から感じられた。

建築的には如何かとは思ったものの、中の展示物や書物をみると、長期間増田近くのホテルに逗留し、ここの財産を見るだけに通うのも一興かと思える。
本当に中身が凄かった。


道の駅おがちで昼食を摂る。



湯沢の城を探したが、見えなかった。


その代わりに、東北中央道の進捗具合が見えた。
随分と進んでいる。


山形県の金山側も随分と進んでいる。


稲住温泉の白井晟一作品を観ようと思ったのだが、ここもエクスカーションに組み込まれており、参加者以外は却下だった。


隣の旧秋ノ宮村役場は・・・・・屋根が落ちていた。
昨年の豪雪が原因だろう。




面白そうな建物だったのだが。


後は山形県に向けて進む。金山から青沢越(国道13号線ー国道344号線)をして酒田へ向かった方が早いかと思ったら、戸沢経由(国道13号線ー国道47号線)で帰ると言う。


その方が道路が良いからだそうだ。


お陰で、ウエストライン(酒田新庄道路)の高速の新しい一部分を通ることができた。


ここは松尾芭蕉が山形から最上川を下って、上陸した場所。
記念碑が立っている。


もうじき酒田だ。


湯沢は、里芋の名産地だ。売り方が半端ではない。
10キロくらいを大袋に入れて、店頭に並べてあった。
私は1200円のを買ったが、Fさんは1600円のを買っていた。
バスの座席に積みきれない。


お酒のプリン。秋田の地酒「やまとしずく」と読む。



Fさんに送って貰って、帰ってきた。
白井誠一作品はちょっと残念だったけど、天気も良いし楽しい旅だったと思う。

しかし、ホテルの浴室にあったシャンプーとリンスが害をなし、またしても皮膚科に通うことになる。
自分の石鹸を持って行くべきだった。暑い日に帽子を被らずに歩いたせいなのか。
まったく厄介な体質になったものだ。もう少し賢くなれないものか。と言うのが反省点である。



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バロセロナに行きたい!

2022-10-13 10:49:43 | 

山形の(株)市村工務店の創立130年記念事業で、バルセロナの田中裕也氏の講演会が行われる。
早速申し込んだ。田中氏とは、ガウディの研究所になっていたグエル邸で逢った事があった。


今は昔、建築士会の青年部と女性部が、スペインに行った事があった。
少しだけ観光、後はフリーに申し込み、ガウディの建物を片っ端から見て廻った。でも時間が少なくて、全部は到底巡れない。

グエル邸の前で、爬虫類を模した門扉の前でワイワイしていると、中から女性が現れて日本人かと聞いた。
中にも日本人がいるので、入ってみたら良いよと、案内してくれた。
中に居たのは、田中裕也氏だった。サグラダ・ファミリアで彫刻を手掛けている日本人は知っていたが、建築では知らなかった。
彼は、サグラダ・ファミリアの図面を起こしているのだそうだ。
この建物の図面を、ガウディは描いていない。
施工に役立つようにと、模型は造っていた。が、スペイン内戦でものの見事に壊された。
それを集め、図面化している。好きだからできるんだろうな。描いた図面も見せて頂いた。
世界遺産になった建物だが、その建築に携わっていると言う自負もあるのだろう。
ガウディに対する、彼の著書も多い。

市村さんから、上の写真が送られてきた。懐かしい。
一緒にスペインへ渡ったメンバーは、(カメラを構えている人も合わせて)6人の他+6人の12人。
自分の見たい場所を求めて別行動した。田中氏に会ったのは6人だけ。
数年前、米沢のSさんに電話をして、「またバルセロナに行こうね!」と言ったら、「私は行けないから、みんなで行ってきて。」と返ってきた。
癌の末期で、顔も変わっているから会えないとも言われる。何だかな。
1年も経たない内に、訃報を聞く。そっか、みんなで行けないのか。

過去、様々な旅を仲間達と行ったが、この旅ほど笑いっぱなしの旅はなかった。何をしても楽しかった。そんな昔の話である。


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米粒写経 談話室 2022.10.12 ~どっこい生きてる~

2022-10-13 07:02:07 | 音楽・芸術・文学
 

米粒写経 談話室 2022.10.12 ~どっこい生きてる~
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