無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

数珠

2013-04-11 23:09:11 | 社会
母親から貰った数珠は、数十年の時を経て数珠玉を繋いだ糸がボサボサに毛端立ち、何かの拍子にちぎれてしまうかと思えるようになった。仏壇のさとうさんのブログで、いくらでも修理ができると知り、仕事の帰りに寄ってみた。数珠の価値は判らない。もしかしたら買い換えた方が安い物であったかも知れない。それでも親に貰った物なので、私が生きている限りは使おうと考えた。修理にかかる日数は2-3日だそうだ。糸の色も少し地味な古代紫を選んだ。

9日の火曜日は仏壇のさとうさんの定休日だったし、私も山形にいた。10日に受け取りに行ったのだが、その日は偶然にも、私の伯母の通夜になった。母の実家の長兄の奥さんである。優しい伯母さんだった。子供の頃にどんなにお世話になったのか数知れない。悪さをして叱られても、帰り際に「まだ来いの~!」と言われからと、迷惑も顧みず何度も泊まりに行った。
母とも仲が良かった。私以上に、母は兄嫁の通夜に出たかったのだろう。その想いが数珠を間に合うように直させた気がした。綺麗に化粧された伯母の顔は、驚くほど母に似ていた。私は二度も親の葬儀に会った思いに囚われ涙がこぼれた。
コメント (4)
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