鳥海山は休火山である。それを思い知ったのは昭和の40年代の終わりに、突如噴火を始めたからである。煙のたなびく鳥海山を見るなんて、想像もしていなかった。災害が起きて逃げまどうほどの噴火ではなかったし、頂上の雪が黒くなっちゃった程度の事だが、噴火前と後では、山頂の姿がちょっとだけ変わってしまったのを覚えている。
さて、その鳥海山には鳥海湖と言うカルデラ湖がある。そこには昔から大蛇が住むと言う伝説が延々と伝えられていた。私の従兄弟も山岳部で、鳥海湖に向かう大蛇の這った跡の話は聞かされていた。草むらも、はっきりと跡が残るほど、草がなぎ倒されていたのを見たことがあるのだそうだ。山男の間では、ほら話が多いのだが、山小屋で聞かされると、現実味を帯びてくる。大蛇の姿の写真でもあれば、水曜探検隊が出ただろうにと思ったが、こんな映像もあったのね。
鳥海山の大蛇
今ではもうそんなロマンのある話は聞かれなくなった。ある意味、残念だなと思う。