藤田ひろみのブログ

心豊かなまちづくり 苫小牧市議会議員 藤田ひろみ

震災後に生まれた「共働」という思想

2010年01月23日 | インポート


月刊誌「潮」に、阪神・淡路大震災15年の特集があり、ノンフィクション作家の柳田邦男氏と、日本災害復興学会会長の室崎益輝氏対談を、興味深く読みました。

その中で柳田氏は、「震災後の15年間を通じハードと同時にソフトも変わってきています。都市部であろうが、中山間地域であろうが、人間は一人では生きられません。お互いが支え合いながら生きている。災害ですべてを失った人々はコミュニティを再生していく過程を通じ、人と人がつながって支え合う新しい文化の形が生まれたのです。震災文化が生まれたことは、歴史的意味を持つ。」と

また、室崎氏は「行政が被災者一人ひとりの問題にまで取り組むことは、絶対にできない。ボランティアの存在が無ければ、震災後の困難は乗り切れない。震災をきっかけに、皆が助け合うボランティア文化が生まれた」とありました。

また、柳田氏は「大震災直後は、とにかく「5000人が死んだ」と大騒ぎになりました。ビートたけしさんは、そういう言い方はおかしいと言った。「一人が死ぬという悲劇が、5000件同時に起きたんだ」。そう考えないと真相は見えないというのです。」

「一人に焦点を当てながら、行政や企業、医療機関や研究者、市民団体までみんなが力を合わせていく。それぞれが持っている特技を生かしながら、被災者救援や復興に取り組んでいく。震災をとおし、「共働」という言葉も生まれました。」と

思わず、うなずいてしまいました。震災後のボランティアでは「ふれあい広場」や、足湯コーナーが開設され、一人に焦点を当てた支援が行われました。一人が大切です。全体だけではなく、きめ細かい支援が欠かせないと実感しました。