まなびの途中

色々な仕事をしてまいりました。
色々な出会いがありました。
勘違いもありますが、
学んだことを書いてまいります。

ニュースが、犯罪者への手引き事例集に成り下がっている。

2007年09月06日 | 社会的全般
皆さんがとりあげている話題。
例の高校2年生を平手打ちにした警察官。
なんだか、警察を支持する「異例」の電話、メールが届いているらしい。

傷害警官:乗車マナー悪い高校生殴打、支持する声続々

  横浜市旭区で4日、神奈川県警大和署の巡査長(33)が乗車マナーの悪い男
  子高校生(16)を平手打ちし傷害容疑で現行犯逮捕された事件で、巡査長の
  行動を支持する電子メールや電話が続々と県警に寄せられ、5日午後4時まで
  に計300件を超えたことが分かった。監察官室は「警察官の逮捕事案でこう
  した反応は初めて」と戸惑い気味だ。

元の事件は、このように報道された。

巡査長を現行犯逮捕=高校生を平手打ち-神奈川県警

  横浜市内の路上で定時制高校の男子生徒(16)を平手打ちし、けがを負わせ
  たとして、神奈川県警旭署は5日までに、傷害の現行犯で同県警大和署巡査長
  小磯慶洋容疑者(33)を逮捕した。「大変申し訳ないことをした」と容疑を
  認めているという。
  調べによると、小磯容疑者は4日午後10時50分ごろ、同市旭区の相模鉄道
  鶴ケ峰駅改札前の路上で、男子生徒と口論の末、顔面を平手で殴るなどし顔面
  打撲を負わせた。
 
  高校生が電車内で回転式拳銃の形をしたライター(全長約36センチ)を乗客
  に向けて遊んでいたため、降車後に小磯容疑者が注意しようと呼び止めたとこ
  ろ口論になったという。同容疑者は同僚と酒を飲んだ後、1人で帰宅する途中
  だった。

巷間では、「同僚と酒を飲んだ後」に焦点が当てられ、
賛が多いものの、否が少なからずあった。
しかし、このライター。
案外大きく、人を「不快」にさせるどころか、
恐怖を与える可能性が高く、おまけに当たり前だが「火」も点く。
形状が、拳銃となれば、
「悪ふざけ」の域を超えているのは、自明であろう。

最近、公共の場にとどまらず、あらゆる場で、
明らかに「非常識」な行動をとる若者や、ご年配の方々を見る。
子供が、事の大小を考えもせず、
社会を舐めた行動に出るのは、時間の問題であった。

また一方で、最近のニュースでは、
例の電車内で、女性に乱暴を働いた逮捕歴もあり、収監もされた前科者が、
見て見ぬ振りをする乗客の「無責任」さを、合わせて報道していたし、
あるショッピングセンターの飲食コーナにて、
ごろんと横になっていた人間を「注意」した年配の方が、
いきなり暴力を受け、大怪我?亡くなった?事件もあった。

一昔前では、
これほどまでに、何度も何度もテレビで、こういった事件、
報道されることが無かった。
深夜の時間帯で、ちょこと、非常識な人間たちの「事件」を、
ストーリー仕立てで、面白おかしくやっていたはずであった。

確かに、知ることも大事だし、知ろうとすることも大事である。
が、あまりにも、こういう「過度」の内容は、
自粛したほうが、良いのではないだろうか?

一時、様々なメディアも含め、ネット社会の「弊害」として、
「情報の洪水」をテーマに、
情報の過多が、人間の判断基準を混沌とさせるみたいな内容が、
議論されていたように思うが、
まさに、現実社会が、立証してきているのではないか?

何しろ、平手打ちをされた「子供」は、
どう考えたって、注意された大人に「口論」をしかけることに、
いい悪いの判断がつかない連中だ。
止めさせるために、どうやら結果は、平手打ちになってしまったようだが、
いやいや世間って面白い。

子供がやった「非常識」な行動を問題にするのではなく、
やった大人の「暴力」を問題にしてやがんの。

普通だったら、こういうことをしてしまったら、
「どうされたって文句はいえねぇ」という価値判断が社会的に
用意されていたはずだ。

それが、そういう「事の是非」を飛び越えて、
その行為を、どうあれ、やめさせた大人の行為が「問題視」されている。
これはまさしく、あれやこれやのすさまじい情報が、
あらゆるニュースの形をとって、
考えるまもなく、「脊髄反射」を促すがごとく、
どうやら社会を、人間を、洗脳してしまったかのような「反応」だ。

確かに「暴力」は、歯止めが利かない。
良い暴力、悪い暴力なんて基準なんか無い。
ただ、明らかに常識を超えた行動を、悪意を持った行動を、
やったとしても、「理由」さえ、明確にさせれば、
どうにかなってしまうかも?
という理解は、特に、若年層に広く蔓延しているように思う。

いわゆる「やったもん勝ち」という認識が大手を振って、
たしなめる、注意する、反攻される、仕方なく行動に出てしまう、
が、明らかに注意した側が、圧倒的に「不利」な状況下では、
鉄板で、見てみない振りが、反射的に行動プログラムされるだろう。

万引きで、取り押さえた店員が、「誤って」殴り殺してしまうという
事件があった。
やってはいけない「結果」だった。
ただ、あれやこれや、毎日、ほぼ同時並列に、
あらゆるニュースが流れ込んでくると、
何をどう、バランスとっていったらいいか、
普通、わからなくなるだろう?

最近のニュースを見たりしていると、
どうも、犯罪者の「手口」を、または、犯しても犯罪の回避の仕方を、
懇切丁寧に解説してくださる、事例集を、
ニュースという形をとって、
各種報道番組がやっているように思えてならない。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
基本的に基本を (修一狼)
2007-09-09 20:52:44
こんばんわ KANATAさん
この事件を現在の国民性に照らし合わせてみると安倍首相の主張する「美しい国」とはかけ離れている事が判ります。
こう言う国民性を修正する為にはもっと「良い行い」とはこう言うモノだ。逆に「こう言う事はしてはいけません」と政府はPRすべきだと思うのです。
そう言った活動が「美しい国づくり」と言えるのではないでしょうか?
それが国民を洗脳しようとしている!と、どこかの活動家が言うならその方こそ社会秩序の破壊者と言う事だと思います。
返信する
Unknown (修一狼さんへ)
2007-09-12 18:25:46
すいません、大変、遅れました。申し訳ございません。
コメントありがとうございます。

「美しい国」。メディアでは、色々とちゃかしているようですが、そもそも、こういう「無定見」な国にしてしまった「大人達」(自分も年齢的に除外できないかもしれませんが)に、全くの反省がないこと。
時にして、小泉さんのように、強力なパーソナリティーも必要な時があるのかしら、と、また良くない考えをしてしまいました。
安倍さんの「語り口」。この人、説得性がないんですよね。小泉さんの後だけに、大変なのは理解できるけど、総理大臣、やってはいけなかったのかもしれません。
返信する

コメントを投稿