まなびの途中

色々な仕事をしてまいりました。
色々な出会いがありました。
勘違いもありますが、
学んだことを書いてまいります。

社会保険庁の労働環境と、介護サービスの労働環境の格差

2007年06月12日 | 社会的全般
しつこい話題で申し訳ないんだが、
コムスン外部売却へ、会長が意向…ワタミとニチイ学館浮上

  コムスンの譲渡先を巡っては、居酒屋チェーンのワタミが11日、有料老人ホ
  ーム事業の取得に前向きな姿勢を示した。ワタミは2004年に介護事業の子
  会社を設立し、首都圏を中心に27か所で有料老人ホームを運営しており、事
  業のノウハウがある。ただ、被介護者の自宅などにヘルパーを派遣する訪問介
  護事業の取得には消極的と見られる。

  また、介護事業最大手のニチイ学館も、「コムスン利用者の移管がスムーズに
  いかない地域で協力したい」(広報室)としており、地域事情に応じてコムス
  ンの事業を受け入れる考えを示している。

24時間サービスをまがりなりにもやっているのは、大手ではコムスンだけ。
夜間訪問介護など、コストがかかりすぎて、ほとんどが見向きもしない。
特に、この4月から法の改正があって、
例の「自立支援法」とかいうやつ。
家庭を単位とした、地域で面倒を見ろという、あれだ。

病院でのリハビリも、入院も、短期で「追い出される」。
よって、家庭での負担も信じられないくらい増える。
介護サービスが、それを「補完」できるくらい、
ユーザーにとって、便利なものであれば別だが、
どんどん、締め付けが厳しくなってきた。

障害のランクは、当然、自治体の窓口で「決定」されるわけで、
その介護サービスの内容も、それに準じたもので、
サービサーは従わなくてはならない。
この「認定」ですら、結構、問題になっている。

テレビなどで、サービスが劣化した、なんてユーザーの声を取り上げていたが、
もちろん、サービサーの問題もあろうが、
いやいや、国が、勝手に、劣化させたのである。
もう少し、マスコミは勉強した方がよい。

今まで、できたことも、頼まれれば、やってあげたことも、
どんどん、できなくなっている。
それを越えて、例えば、入浴を、親切で手伝ってしまったとしよう、
介護認定レベルに合わなければ、「不正請求」の1歩となる。

質をあげようとか、ニーズに合わせようとか、
現場レベルの「葛藤」なんて、てんで見合わない。
できない、やれない、応えられない、のオンパレード。
これでは介護サービスをしようと思う企業がでてこないのは当たり前。

ワタミがテレビのインタビューに答えていた。
社長が「老人ホームは、損益分岐点を越えると、あとは全て儲けになるんです」
「我々は、入居率が90%。コムスンは60%台と聞きます」
なんて根拠で、コムスンの老人ホームだけを譲渡したいと。

この利得を前面に出した発言は、どうやら、今回は不問に付されているようだが、
ニチイ学館にしても、
24時間介護は、やっていない。
もちろん、この会社も、数年前に「不正請求」で監査を受け、
4000万円の返還をした「実績」がある。

ニチイの社長ですら、利潤を追求する、普通の企業の有り様では、
この仕事は務まらない、全く別物として考えなければやっていけない。
そういう発言をしていた。

多分、こうしたいくつもの情報をベースに、
最近のマスコミの「魔女裁判」、沈静化してきたように思うが、
正直言って、この「事業体」を解体してしまったら、
本当に、どうなってしまうのか。
「医療崩壊装置」として、以前、毎日新聞のことを引用させていただいたが、
このままでは、確実に、
「介護崩壊」を招きかねない。

社会保険庁の、内部資料が出てきて笑ったが、
労働組合が、労働条件として保険庁と取り交わした「覚書」。
パソコンの入力、5000タイプですって。
A4サイズで1枚半。
これが、1日の「限界」。
45分やったら、15分の完全休憩を入れろとか、
1日の限度が、トータル200分だとか、
本当に、いいご身分だ。

この自治労というか、労働組合を母体にしているのが、民主党。
国の労働者の「労働環境」を、現実離れしたまま放って置いて、
民に、過酷な「サービス」を、まさに押し付けている。

この問題は、まさに我々の問題なんである。
今まで、どうにか触れないで済ましてきた「付け」が、
一気に吹き出てきたというしかない。
誰もが「育てよう」という意識ももたず、
「押し付けよう」とするのであれば、

まだ国にまかせるよりはいいのか、国の方がいいのか、
金がかかっても負担できるのか、
民間の多少の瑕疵には目をつぶって、「対処療法」で済ますのか、
どうするのか、
もっと、冷静に生産的に、今回の「コムスン事件」は考えた方がよい。



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
サプライズ! (なるもにあ)
2007-06-14 00:15:33
ものすごく正直に言って、まさかコムスンを
解体させるとは思いませんでした。
だって走ってる電車を乗客乗せたまま止めてしまう行為・・・。

さまざまな不正は確かに許すまじ、ですが
国の年金騒ぎの現状を見てると、
金額的にも規模的にもおままごとレベルに見えてくる。
(コムスン事件自体がなにかの煙幕っぽいですが・・・)

正直、日本の企業のほとんどがどんぶり勘定できていて、
だからこその内部統制祭りで。
政治家の皆様と密着にて親しいおつきあいをしていなければ、
ホリエモンの二の舞・三の舞。

なんだかなぁ、です。

少子化で支える手が減っていく中で
この分野の労働力に外国人がどこまで入ってくるのか。
この際、外資でもバンバンはいってきていただいて、
日本の政府の絵にかいたライスケイクを、
マリー・アントワネットなお菓子に変えていただきたいものです。

このシリーズ、すごく明快で勉強になりますです。
年金問題も楽しみにしています!!!<て、楽しんではいけないんでしたぁ;
※最近、お邪魔すると辛口で、すみませんです;;;
 自分自身にもなんだかなぁ、です。(汗;
返信する
Unknown (なるもにあさんへ)
2007-06-14 18:15:43
以前、なるもにあさんの「死刑裁判」に関するマトメ。本当に、参考になりました。
色々な視点があって、それを、ベースに、なるもにあさんの考え方など、実は、結構、触発されたことを覚えています。

あれこそ、本格的なシリーズとして、僕は、案件によって、突然始まる、なるもにあさんのシリーズものの大フアンです。力いりますよね、あれを書くこと。ご苦労様です。

今回のコムスンですが、あれ、折口さんが厚労省とともに作り上げたとも言われている、介護保険です。
まさか、「やられないだろう」という、折口さんの甘さと、やり放題の本性が招いた1件でもあります。
これに関しては、断罪されるべきです。

とはいえ、いつものように、折口さんの個人資産やら、プロフィール、果ては、グッドウイルまで、焦点を当てた報道。いつもながらなんですが、どんどん、争点がずれていってしまいます。

これでは、折口だから、だめだったんだ、という、なんか、「煙幕」と称されていますが、ほとんど、情報操作に近いです。
ノバもやられましたね。
最近、各省庁、頑張っています。

こうでもしないと、ユーザーから、監督責任を言われ、莫大な賠償金を持っていかれたり、大臣の罷免問題にまでなりかねない昨今です。

こういう脊髄反射的な責任論争は、実は、とっても不毛になりがちなんですが。
あわわわ、また、長々と書いてしまいそうです。
ぜひ、またよろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (なるもにあ)
2007-06-15 23:47:15
>あれ、折口さんが厚労省とともに作り上げたとも言われている、

そうだったのですか!
すると厚労省のタチ位置も微妙ですね;;;
うーん、不勉強を痛感。

コムスンの初期はかなりビジネス研究もしたのですが
「シルバーだから儲かるのではなく、高収入の高齢者だから儲かるんだ」と、当時結論づけていたのを思い出します。

えっと、この件で記事を書こうとおもったのですが
こちら以上の記事は何十年かかっても書けそうもないので
そのままご紹介させていただいちゃいました;

不都合がありましたらご一報くださいませ。

※実はレス、すごく楽しみにしております。
 いつもJUMPの袋とじ付録をあける気分です。
 お忙しいのに、いつもありがとうございます!
返信する
Unknown (なるもにあさんへ)
2007-06-16 16:51:31
いやー、ちょっと驚いております。
何しろ、なるもにあさんとは、ひとまず長いお付き合いをさせていただいておりますが、最近、めちゃ、ランキング入っておりません?
もう、私の記事で、なるもにあさんの評価を下げないことだけを祈っております。

えへつ。

もう、逆に言うと、なるもにあさんにいじっていただくのであれば、それだけで、個人的に満足です。幸せ者です。それでは。
返信する

コメントを投稿