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地球の平均気温は

2021-06-27 | 日記

地球温暖化に関する番組を見て、あらためて地球の平均気温上昇のグラフをネットで探してみた。よく言われるように産業革命の頃からこれまで、地球の平均気温は少しずつ上がり続けているのだが、1990年前後からはその上昇率が増えているように見える。気温の情報率は局部的にはほぼ一定で直線的な上昇に見えるが、ある時点から後の温暖化には相乗効果が働き、おそらく気温上昇率が加速度的に増えて行くのだと考えられている。温暖化で極地の地面・海面が濾出し太陽熱吸収面積が増加することや、凍土や深海底にある凍結状態のメタンハイドレートが溶けてCO2の数倍の温暖化効果のあるメタンガスが大気に放出されることなど、そのメカニズムはこれまで多くのメディアや書物で説明されて来た。

 昨年一年で溶けた極地の氷は、東京23区全体を推進800mに満たす量に及ぶという。たしかにその水の量を地球上の海全体にバラまけば、それだけでは海面全体の上昇は大きく無いだろう、しかし多くの人々が気付かない所で解け続ける水の量が想像を絶するほど膨大であることには違いない。そして気温上昇が続けば、溶ける量もさらに増加していく。その影響は海面の上昇だけでなく、極地や高山の氷が解け土や海面が露出することで地球が宇宙へと反射する太陽熱の量が減り、吸収する熱が増加する。

 産業革命からここまでの気温序章は1.2 ℃だというが、それが1.5 ℃を超えると人類が気温上昇を止める術はなくなるとも言われている。後は、地球の自然の摂理に任せて加速度的に気温が上昇していくというのだ。「灼熱地球」と専門家は表現したが、過去には良く知られている「氷河期」と同様に「灼熱地球」も存在したことがあり、大半の生命がそこで絶滅したことが地質学的に証明されている。その1.5 ℃に届かせないためにと、人類は表面上は2030年までの炭酸ガス排出50%削減、2050年までの排出ゼロ実現を目指している。だが、それが達成されるかどうか危ういだけでなく、たとえ2050年までにゼロ排出が実現されたとしても、加速していく平均気温の上昇が止まるかどうかは分からない。

 ゆっくり考えてみると、それは身の毛のよだつような出来事である。もちろんエネルギー転換とか、気候変動への(微々たる)備えを急ぐという漠然とした思いは人々に共有されているが、その一方ではいろいろな制度改革や補修・改修計画に数十年計画で取り組もうとしている。おそらく、上述の気候変動が科学者たちの想定通りに進行するのであれば、洪水や高潮を防ぐために10年・20年後の完成を目指した堤防かさ上げや避難所を作っている場合じゃないのだろう。気候変動がもたらす食糧危機などを想定すれば、貿易によらず自国での食料確保・増産に手を付けなければならないのかも知れない。

 2年に渡るコロナ・パンデミックとオリンピック騒動に目を奪われている間に、それらが通り過ぎた後の数年でどのような国際社会・国内社会の変化が待っているのか、それを想像するのが怖いようでもある。どこかの遅くない時点で、気候変動が核問題よりも覇権主義よりも、想像したくはないが民主主義を巡る対立よりも、共通する重要な国際課題になっていくのかも知れない。その時には、「地球温暖化など科学者のでっち上げに過ぎない」と信じようとする人々との対決もまた激化するのではないかと恐れる。