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ヨットでの太平洋無寄港単独横断

2021-06-17 | 日記

ヨットでの単独無寄港太平洋横断に挑んでいた辛坊治郎氏が日本時間の17日に無事カリフォルニアに到達したとのこと、とにかく無事に着いたという事で良かった。4月初めに日本を出港し、無寄港で70日かかったという。ヨットでの太平洋横断に挑戦しようという冒険心には憧れるし、賞賛もするが、自分でやってみたいとは思ったことが無い。

 自分は、太平洋の真ん中で嵐に出会い、「誰にも知られず一人ぼっちで沈んで行くかもしれない」などと怯えつつ、運を天に任せ、身を縮ませて何十時間も荒れ狂う大波に揺られるなど、想像しただけでも絶対に嫌である。自分は、死ぬ時にはどんなに惨めな死に様でも良いから近くに誰かの気配がある所で死ぬことを選びたいと思う類の人間だから。そしてそんな人間からすれば、ヨットで単独世界一周や太平洋単独横断をしてのける種類の人間達は超人とか仙人に近い存在で、尊敬を通り越して奇蹟の人々なのだと見える。

 太平洋単独横断と言えば「太平洋ひとりぼっち」の堀江謙一氏が思い浮かぶ。前回の東京五輪の2年前に、世界で初めてヨットで単独無寄港の太平洋横断を行った冒険家、その後は無寄港世界一周も成し遂げている。堀江氏の本だったか、後日のインタビューだったかで「日本では王将という歌が流行り始めたことを、太平洋の真ん中で聞いた携帯ラジオで知った。」と言ったことが印象に残っている。「吹けば飛ぶような将棋の駒に、賭けた命を笑わば笑え・」という歌詞は、まるで堀江氏自身のことを言っているようだ。しかもその時、彼の冒険は一部の友人以外に誰も知られてなかったという。

 堀江氏のヨットが19フィートの木製だったのに比べれば、今回の辛坊氏の39フィートのヨットは随分と大きく頑丈で、様々な通信設備やレーダーなども完備された高性能の船ということになる。しかしそれでもなお、単独太平洋横断などという離れ業はおいそれと挑戦できることではも、成功することでもないだろう。実際、辛坊氏の前回の挑戦は日本近海を離れる前に「遭難・救助」という形で終わっていた。堀江氏の勇気と挑戦を掛け値なく素晴らしいと思うが、人間という生き物はやはり時代々々の知恵を尽くし備えを整えてこそ冒険に挑戦する意義があるのだと思う。そうでなければ唯の無謀。成功を勝ち取った辛坊氏の勇気と知恵と忍耐力に、心からの賞賛を送りたい。

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