全国の新型コロナの新規感染者が3日連続で20万人を超えたそうだ。「第7波に突入か?」という話題が出てから、あっという間の急激な感染拡大。まだ、いつになったら拡大スピードが落ちるのかすら分からないようだ。
次の感染の波に対しても「万全の策を講じる」、「これまでの経験を基にして十分な準備を」していたはずだった政府は、ただただ呆然と見ているようにしか思えない。既に第5波・第6波で、市中感染がどれくらい進んだら「医療崩壊」の危険があるのかということは経験済み、そのデータはとっくに集まっていたはずだ。
新たな波で重症化率が下がり、症状が軽くなったり、無症状者が増えれば「行動制限」は控えるというのは決めていたようだが、その場合には、1)感染の拡大スピードが格段に上がり、2)市中の検査機関や一般外来、救急外来、救急システムのキャパシティーを易々と超えてしまう、という危険があることを見抜けてなかったのだろうか。もしそうならば、「体験に基づく準備体制」は極めてお粗末でしかなかったことになる。
結局、毎回の波が来るたびに思うのは「対処が遅い」「予測が甘い」「国民任せ」という印象がますます濃くなっていくということ。政府の対応を見ていると、何となく「次の波が来ても、おそらく重症化率は低くなるだろうから、敢えて既存のシステムを強化したり新たな仕組みを考える必要も無いだろう」と高を括っていたという気がして来る。
せめて「波」の冒頭に「検査キットの配布」とか、コロナ以外の診療や救急体制をどのように強化・補強するかという「対応案」を作っていて欲しかった。今聞こえて来るのは「結局のところ、これまでの繰り返し」でしかない気がする。そりゃぁ、少しは変わっているのだろうが、実際に起きている状況は過去の2つの大きな波と同じ。
感染規模は確かに過去を上回るが、「軽症・無症状が増えて感染者が気付かないまま出歩く。まして行動制限も無ければ、過去の2回の波よりもずっと拡大スピードが上がり、ピークも格段に高くなる」ことは当然予測できたはず。唯々、「ああ、またしても口だけだったか・・」と嘆くのみである。