愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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ヒグマ、町を走る

2021-06-18 | 日記

朝、起きて早々に、札幌の町の道路を走るヒグマの映像を見て驚いた。サルやイノシシが町中を走り回る映像は何度も目にしたが、ここまで白昼堂々と住宅街や道路を疾走するヒグマの映像を見たのは初めての気がする。近隣の山中での争いで縄張りを持てなかった若いヒグマが、行先を探し放浪するうちに町へと迷い込んだらしいというが、それにしても相手がヒグマなので不意を突かれた住人はさぞかし怖い思いをしただろう。実際、車や人間に怯えて興奮したヒグマに襲われ、怪我人も出たとか。

 札幌でも南側の山に近い地区でヒグマを見たという情報は、これまでにもニュースになったことがあった。だが、近くに山が無い丘珠空港の近くや住宅街でのヒグマ出現は初めてか。「人が野生動物の生息域に近づいたから」という決まり文句では納得できない。それより「山でヒグマが増えすぎた」という事じゃないだろうか、もちろん「山のヒグマの生活圏」を人間が縮めていることは確かだろうと思うが。生活圏が狭まる一方で個体数が増えれば縄張り争いは熾烈となり、争いに負けた個体は危険を冒してでも何処か自分の居場所を探す行動に出るしかない、たとえそれが普段ほとんど足を向けない「人間の住む町」であっても。

 見ていて思ったが、もはや「野生動物の餌となる生ごみを放置しない」とか「庭木に成った実などを除去する」という方策では防げないのでは? 最近の野生動物の町への進出・出現は、餌を求めるのが第一目的では無いように思える。たしかに一度町に来て餌の在りかを覚えれば、繰り返し出て来るようになるのは納得できる。しかし、そもそも多くの人間が暮らす場所に「何となく足を踏み入れる」ということが、本来の野生動物には無いはずではないのか。最初の切っ掛けとなるのは、やはり競争などの結果「山に居場所を見つけられない」という状況ではないかと思えて仕方がない。

 今回のヒグマは無事排除され、これ以上被害が広がることは無い。しかし今後しばらくの間、札幌の人々は、朝一人で散歩に出るにもクマが怖いという心境でいるのだろう。昔の山村ならば「犬」が放し飼いにされ、大型動物が近づけば真っ先に吠えて知らせていただろう。しかし、現在の「犬」はほとんど室内飼いのペットで、屋外で「番犬」として働く犬はほとんど無くなった。「町に迷い込んだ野生動物に吠えたてて山に追い返す」ことを使命とする「野生動物警戒用の番犬」を育成し、今回のような場面に投入しヒグマを山に追い返す、なんてことが出来ないものかとついつい考えてしまう。

 

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