傾聴ボランティア~緩和ケアにて~

~薬剤師・社会福祉士による小さなボランティア活動~

ただ見ているだけの私

2007年05月11日 | 在宅ホスピス
いろんな業種のあつまる交流会に出たとき、ある女の子と話をすることがありました。

とてもまじめで素直な人です。

その子はなにやら特殊な水を作る機械(家庭用)をネットワークビジネスで売っているとかで、その機械が何10万とするらしい。

そしてその水ががんに効くのだと。。。

どうしてその機械の販売に携わることになったのかと聞くと、

5年くらい前にがんで母親を亡くしたのだけど、悲惨な最期を迎えた経験から、西洋医学に疑いを持っているそうです。

西洋医学よりもその水が効くのだと、力説していました。

話を聞くと恐らくせん妄が現れたのだと思いますが、そのせいでモルヒネは一番キライな薬みたいでした。

最近父親もがんになったけど、その水を飲んだお陰で治っているのだとか。

お母さんが亡くなる前にもっと早くこの水に出会っていれば、と悔やんでいました。

私は途中で辛くて聞くのをやめてしまいました。クライエントならとことん付き合いますが。

そしてふと絵門ゆう子さんの本「がんと一緒にゆっくりと―あらゆる療法をさまよって」を思い出しました。

あの子はいったいどこまで行ってしまうのだろうかと、時々思いだします。