Great Big Yes!!

引っ越ししました。
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Brendan Benson / My Old, Familiar Friend (2009)

2010年01月28日 | 今日の一枚。(新版)

■オススメ曲■
1曲目 "A Whole Lot Better" / 7曲目 "Poised and Ready" / 11曲目 "Borrow"

 個人的には過去の3作と比べてもベストのアルバムだと思います。前作「The Alternative To Love」はあまり聴かなかったのが正直なところ。完成度はあいかわらず高かったものの、何となく弾け切れてない感覚を持っていました。が、4枚目の今作でその鬱憤も解消です。。

 Jack Whiteと共にThe Racoteursを結成したときは驚きましたが、それによって知名度が格段に上がったのは良かったし、ファンとしても嬉しかった。またそのThe Racoteursのアルバムの中にはBrendan印とでも呼べそうな楽曲がいくつか聴けたこともあって、俄然ソロアルバムへの期待が膨らんだものです。。

 そして届けられた待望の新作。今までの総決算的なアルバムのように感じます。1stの弾けっぷり、2ndの勢い、3rdの完成度、その全てを網羅したアルバムとでも言えば良いでしょうか。アルバム後半に差し掛かっても楽曲の力強さが全く衰えないのがスゴい。むしろ後半へ向けて、より良くなっていくのが今のBrendan Bensonの実力を表していると思います。。
 もちろんThe Racoteursからの影響も随所に聴き取れ、寄りロックな方向にシフトしているのもその表れかもしれませんね。Jack Whiteという希代の才能との共同作業など、様々な経験を糧に着実にステップアップしているようです。プロデューサーにGil Norton、ミックスにDave Sardyという人選も今回の路線にはピッタリとハマった感があります。。

 ちなみにリリース元のATO Recordsは、昨年の09年だけでもBrendan Bensonをはじめ、Ben Kweller、Fiction Family、The Fireman等をリリース。他にもMy Morning JacketやRodrigo Y Gabriela、Crowded House、Patty Griffin、Gomezなども手掛けており、今後も要注目なレーベルです。。

Brendan Benson - A Whole Lot Better


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Five For Fighting / Slice (2009)

2010年01月23日 | 今日の一枚。(新版)

■オススメ曲■
1曲目 "Slice" / 4曲目 "Chances" / 9曲目 "Story of Your Life"

 驚きました。ここまで自分の琴線に触れるとは思いもしなかったというか、良い意味で完全に裏切られたというか。決して熱心に追いかけてきたアーティストではなく、今回も久しぶりの新譜だったんで何の気無しにチェックしてみたら、これが素晴らしかった。。

 今回の「Slice」。John Ondrasikのトレードマークとも言える極上のメロディーとファルセットを織り交ぜた歌声、哀愁漂うピアノとストリングス、この辺りのバランスが今までの中でも抜きん出て素晴らしいと思いました。ある意味で1つの完成系だと言えそうです。ポップな曲もバラードもどちらも良い。でも決して甘過ぎないのは、基本がロックだからかなと。。
 ファルセットには2種類あると思っていて。1つは歌のメロディーの良さを際立たせるためにここぞと言うところで用いる場合。もう1つは声量の少なさや音域の狭さを誤摩化すために用いる場合。言うまでもなくFive For Fightingの場合は前者に当てはまるわけで、本人が曲作りの段階で計算の上でそうしてるのか本能的にそうしてしまっているのか分かりませんが、かなり効果的に用いられているなという印象です。それを歌いこなす歌唱力もスゴい。。

 そもそも僕が1番最初に聴いたFive For Fightingのアルバムは、数年前に中古屋のワゴンセールで拾い出した97年リリースのデビュー作「Messeage For Albert」。今となってはまだまだ荒削りな部分があったんだなと理解出来ますが、その時はあまりピンと来ずに聴き流した程度で。以降、リリースを重ねるごとに評判は増していってたものの、その時の印象もあってなかなか近年のアルバムには手を出さず終い。唯一、グラミーにノミネートされて一躍彼の名を有名にした00年の「America Town」をチェックしたくらいで、何とももったいないことしてました。とにかく後悔しっぱなしです。。

 気が早いですが、これだけの完成系を見せつけたあと、一体次はどんな曲を作り出すのか?非常に気になるところ。あとライブも観てみたいですね。ストリングスを再現するのは難しいと思いますが、むしろピアノ弾き語りでも十分だと思います。。
 いわゆるピアノ・エモがそこそこ人気があって、ちょっと違いますがBen Foldsも人気があるここ日本なら、もっと知名度が上がる可能性があると思うんですけども。何より日本人はこういう音が好きなはず。久しぶりの国内盤も発売されたようなので、今後に期待です。その前に過去の作品もちゃんとチェックしとかないと。。

Five For Fighting - Chances


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2009年私的ベストアルバム。<番外編>

2010年01月17日 | 年間ベスト。
<旧譜編>からの続きです。。

Josh Rouse / Valencia EP (4曲入り、デジタルリリースのみ)
収録曲 / 01.Valencia / 02.Magdalena / 03.Easy Street / 04.Fiesta Morena

 昨年の10月にリリースされたJosh Rouseの新作。全4曲のEP、しかもデジタルのみということで、アルバムに収録されるだろうからそれまで待とうかとも思いましたが、やっぱり待ちきれずにiTunesにて購入しました。。

 ちょっと驚きました。前々からそんな傾向が無かった訳じゃないんですが、ここに来ていよいよ全開にしたかと。かなりキューバ、ブラジルな感じ。あとスペイン。CD屋に行ったらワールドのコーナーに置いてそうな音とでも言いましょうか。歌詞がスペイン語?ポルトガル語?よく分かりませんが英語じゃないということは確かです。。
 気になったのでオフィシャルのHPをチェックしてみると、1曲目 "Valencia" はアルバムからの先行トラック、2曲目 "Magdalena" と3曲目 "Easy Street" はアウトテイク、4曲目 "Fiesta Morena" は「Bedroom Classics Closet Archives site」っていう会員制のようなサイトがあって、そこではほぼ毎月何かしらの新曲が配信されているんですが、そこから選ばれたインスト曲のようです。。

 また次のアルバムについて書いてあるページがあって。あまり英語がわからないのでアレなんですが、気になった単語を拾い出してみると・・・

Cuba, Brazil and Africa, as well as Nashville . . .
recorded with Rouse’s longtime producer and close collaborator Brad Jones . . .
Afro-Cuban groove, recall Paul Simon . . .
inspired by the Congo music anthology Roots of Rumba Rock . . .
like a Joao Gilberto bossa nova from the ’60s . . .

などが書かれてありました。やっぱりかなり意識してそっち方面に持っていったんだなということが分かりますね。スペインに移住して、そういう音楽に直に触れる。ミュージシャンなら当然影響は受けるだろうし、なんか昔からその手のジャンルが好きそうだし。。
 で、気になるのはやはりBrad Jonesの名前でしょう。正直、ボサノヴァならともかく、キューバ音楽やアフロなどほとんど馴染みが無いので、その辺りはBrad Jonesを通すことによって取っ付きやすくしてくれそうな気がします。むしろ期待の方が遥かに大きいです。。

 とにかく、Josh Rouseの新作がもうすぐ出ます。INT盤が2/22、US盤が3/9予定です。日本でも今のところHMVではINT盤、amazonではUS盤が予約受付中です。お値段的にはUS盤がお得なので、約2週間ほどずれ込んでるその間はジーッと我慢ですね。。

Josh Rouse MySpace ( "Valencia" 試聴あり)
www.joshrouse.com


 これで「2009年私的ベストアルバム。」は終了です。次回からは予定通り<TOP10編>で選んだ10枚の簡単なレビューに移りたいと思ってます。そんなわけで、次回、1位のFive For Fighting「Slice」に続く。。

2009年私的ベストアルバム。<旧譜編>

2010年01月12日 | 年間ベスト。
<11~20位編>からの続きです。。

01位. Jakob Dylan / Seeing Things
02位. Low Stars / S.T.
03位. The Storys / Town Beyond The Trees
04位. Matt Nathanson / Beneath These Fireworks
05位. The Silver Seas / High Society
06位. Jackie Greene / American Myth
07位. Hayes Carll / Trouble In Mind
08位. Sean Watkins / Blinders On
09位. Roger Joseph Manning Jr. / Catnip Dynamite
10位. Daniel Wylie / Car Guitar Star
(09年に購入した旧作のオリジナルアルバムに限る。大御所アーティストは除く。)

 旧譜編の順位は、単純に聴いた回数が多い順番です。上位の作品はともかく、実は一番聴いた旧譜はGlen Campbell「Meet Glen Campbell」やFreedy Johnston「My Favorite Waste of Time」といったカバーアルバムなんですけどね。あとLucinda Williams「Little Honey」とかWillie Nileの再発盤「Places I Have Never Been」とか。。
 09年の目標は "旧譜を聴く" だったんですけども、そんな時に限って新譜で気になるものがたくさんリリースされるわけです。そのわりにはなかなか充実してた気がします。もちろんチェック出来なかったものもたくさんあるので、その辺は今後のお楽しみと言うことですね。。

 ほとんどのアルバムは以前にこのブログでちょこっと紹介したので、余裕があればまた改めて、ということでご勘弁を。ただやはり何といってもLow StarsとThe Storysですね。僕の中ではほぼ理想的な音です。"良いメロディーとハーモニーがあれば他に何も要らない" を地で行く両バンドの次作がホントに楽しみ。。そしてその2つより聴く回数が多かったJakob Dylan。次はバンドか?それとも再びソロか?こちらも今後が気になるところです。。

<番外編>に続く。。

2009年私的ベストアルバム。<11~20位編>

2010年01月08日 | 年間ベスト。
<TOP10編>からの続きです。。

11位. Pete Yorn / Back & Fourth
12位. Bleu / A Watched Pot
13位. Train / Save Me, San Francisco
14位. Ben Lee / The Rebirth Of Venus
15位. Wilco / Wilco (The Album)
16位. Rhett Miller / S.T.
17位. Howie Day / Sound The Alarm
18位. Ben Kweller / Changing Horses
19位. Fiction Family / S.T.
20位. Son Volt / American Central Dust
(09年に発売・購入したオリジナルアルバムに限る。大御所アーティストは除く。)

 10位以下はあまり考えずにサッと順位をつけています。11月、12月あたりに購入したWilco、Son Volt、Pete Yornなどは単純に聴き込み不足ですね。その割にPete Yornの新作は何かしら惹かれるものがありました。女優Scarlett Johanssonとのコラボ作の方も近いうちにチェックしたいところです。。

 BleuとBen Leeは、共に隙のない音作りとポップな楽曲はさすがと言ったところ。ただ前の記事でも述べたように今の僕のモードがこっちじゃなかったと。しばらくすると「10枚に入れとくべきだった」と後悔しそうなパターンでもありますが、むしろそう思わせてくれるほどの良盤です。。Wilcoの方はファンの間でも評判なようで、聴いてみると確かに今までよりポップな感触があります。個人的には3枚目の「Summerteeth」が好きなのですが、そのアルバム前後の頃が蘇ってくるような感じ。来日も決定したようで、これから盛り上がるでしょうね。。

 Trainに関してはこのアルバムが初聴き。これに収録されている "Hey, Soul Sister" という曲をたまたま何かで聴いて、完全にツボに入ったからなんですが、CDのライナーを見てビックリ。プロデューサーがMartin Terefeでした。お見事。。またMartin Terefeで言えば、Howie Dayのアルバムにも絡んでいます。ただちょっと勝手に期待し過ぎて、聴く前にかなりハードルを上げてしまいました。反省。。
 Rhett Millerの3枚目となるソロはやや落ち着いた印象を持ちました。ソロも3枚目とあって、気負わず好きなように、といった感じでしょうか。あいかわらずJon Brionが参加しているのが嬉しい。。

 カントリーに挑戦したBen Kweller。Pedal SteelやDobroを使ってはいるものの、良くも悪くもいつものBen Kwellerだなと思いました。。Nickel CreekのSean WatkinsとSwitchfootのJon Foremanによるユニット・Fiction Familyは09年の始めの方に購入してよく聴いていた1枚。このユニットが続くかは微妙な感じですが、今後のそれぞれに注目したいところ。。Son VoltはミックスにJoe Henryが参加。今後その辺も加味しながら更にじっくり聴きたいです。。

<旧譜編>に続く。。