Great Big Yes!!

引っ越ししました。
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Matthew Sweet / In Reverse (1999)

2007年07月23日 | 今日の一枚。(旧版)
 いわゆる世間一般で言われているところの "名盤" って意外と聴く回数が少なかったりします。ちゃんとした理由はよく分かりませんが、おそらくそういった "名盤" って自分で見つけ出したものじゃなく、人から教えてもらって名盤だと知り、その上で購入し聴くからだと思います。もちろん誰もが認めるアルバムなので悪い訳ではないですが、"思い入れ" という点においては自分で "発見" したアルバムより劣ってしまうというのも事実。。

 Matthew Sweetといえば「Girlfriend」であり「100%Fun」であると思います。異論は全くありません。でも個人的に聴いた回数や思い入れで言えば、今回紹介する「In Reverse」が上回ってたりします。おそらく発売当時、リアルタイムで初めて聴いたMatthew Sweetのアルバムだったからだと思うんです。他にも、例えばTeenage Fanclubなんかも普通は「Bandwagonesque」か「Grand Prix」かと思いますが(もちろん名盤ということに異論はありません)個人的には「Songs From Northern Britain」だったりします。そういうのってありませんか?僕は結構あるんです。。笑

 僕が音楽にのめり込むようになった当時の90年代末、後にパワーポップの名盤と呼ばれる類のアルバムはすでに何年も前に出尽くされており、むしろパワーポップ自体が下火になりつつある頃でした。全てが後追いにならざるを得ない時期に知った、そのジャンルを築き上げた人によるニューアルバム発売のニュース。その数ヶ月前には盟友Velvet Crushのアルバム「Free Expression」にプロデューサーとして参加して健在振りを見せており、何の前触れもなかった訳じゃなかったんですが、やっぱり正式にアルバムリリースのアナウンスがされた時はうれしかった。。

 そして届けられたMatthew Sweetからのアルバム。まだ音楽にのめり込んで間もない青年には冒頭3曲+4曲目 "Faith In You" に至る曲の流れは刺激的過ぎて、Phil Spectorを意識したサウンドプロダクションは圧倒的過ぎた。「なんでドラマーが2人もおるのにパーカッションも2人おる?なんならベースも2人おるしギターに至っては何人おるねん!」なんてことを思いながら、よくわからんままに、それでも「なんかスゴい」ということだけはヒシヒシと感じていました。当時も今も中盤の "What Matters" ~ "Write Your Own Song" の流れで震え、次の "Worse To Live" のハーモニーで涙しそうになります。。
 シンプルなロックはシンプルなギターサウンドで、壮大なバラードはコレでもかというほどのウォール・オブ・サウンドで。明確なヴィジョンで鳴らされるサウンドをサポートすべく集められたメンバーは一流ばかりで、Ric Menck & Paul Chastain、Greg Leisz、Fred Maher、Carol Kaye、Jim Keltner、Jim Scott、Bob Ludwigなどなど挙げ出したらキリがないほど。もちろん参加メンバーが一流だなんて後から知った訳ですが、そんな凄腕の人たちが一同に介し練り上げられたサウンドは何も知らなかった音楽初心者を圧倒するだけの説得力に満ち溢れていました。ちなみにそのサウンドを体感するならヘッドフォンで聴くのが一番です。。

 少し話は逸れますが、実は当時何よりも驚いたのは、このアルバムがエイ○ックスからリリースされたということでした。当時はもうTK全盛時代。そんなレコード会社がMatthew Sweetをリリースするなんて・・・。その後の'03年「キミがスキライフ」と'04年「Living Things」なんかもそこからリリースされたので、よっぽどエイ○ックスの中にMatthew Sweetが好きな人が居たんでしょうか。。
 さて、Susanna Hoffsとのカバーアルバムが昨年あったにせよ、オリジナルは'04年「Living Things」以来、3年以上音沙汰無し。彼のMySpaceでは随分前から "Rock Bottom" と名付けられたニューアルバムのダイジェスト的音源が聴けるようになっていますが、ここは気長に待つしかなさそうですね。。


■Matthew Sweetリンク集■
Matthew Sweet MySpace:4曲試聴可能。新作のダイジェスト版が聴けます。
Sid 'n' Susie MySpace:Susanna Hoffsとのカバーユニット。4曲試聴可能。

Jason Falkner / I'm OK...You're OK

2007年06月17日 | 今日の一枚。(旧版)
 最初に言っておきます。僕はこのJason Falknerの3rdアルバム「I'm OK...You're OK」は間違いなく良い出来だと思います。一部では "イマイチ勢いに欠ける" だとか "やっぱり1stは超えられない" だとか言われているようですが、ずっと、それこそ何百回何千回と彼の音楽を聴いて来た僕の中のJason Falknerという基準に当てはめてみても "これがJasonだ!" と宣言出来るほど彼の現在の実力が滲み出たアルバムじゃないかと思う訳です。。


 1曲目「This Time」のイントロが流れた時点で "あぁ、Jason Falknerが帰って来たんだ" と思わずにはいられないほど彼の音でした。歪んだギターに絡む軽快なドラムとベース。それだけでいわゆる "Jason節" と言われる匂いが十分に感じられます。そしてサビへのメロディーの持って行き方。彼しか作り得ないメロディーです。続く2曲目「NYC」や3曲目「The Knew」もアレンジが冴え渡る曲。そして前半のハイライトとも言える4曲目「Stephanie Tells Me」。Aメロで聴ける特徴的なギターや全体を彩るコーラス、キーボードなど随所にちりばめられたアレンジはJasonならではと言ったところ。。

 以降も5曲目「Hurricane」や6曲目「Anondah」、9曲目「Say It's True」など一聴すると地味に感じそうな曲ではありますが、アレンジはかなり練られている感じがします。全体的にキーボードの役割が大きくなっているのが今作のポイントでしょうか。TV Eyesやその前の「Bedtime With The Beatles」での経験が活かされているんでしょうね。。
 7曲目「Komplicated Man」の最初の "ララララーララー" と歌われる所や、続く8曲目「Runaway」のサビなんかにしてもホントにJaosnのメロディーだなと思いますね。10曲目「Contact」は本人も解説で「僕の作る曲は結局The ClashをMotown風にしたような感じになってしまう」と発言しているように、まさに言い得て妙と言ったところ。。
 ラストの11曲目「This Life Of Mine」はアルバムの幕引きに相応しいバラード。ストリングスのアレンジとJasonの切ない歌声が胸を打ちます。。(国内盤にはこの後にボーナストラック「I Don't Mind」収録)


 こうして聴いてみると、Jasonはアレンジの人なんだなと痛感します。以前リリースしたカバーアルバムでも、特にJoni Mitchelの「Both Sides Now」のアレンジセンスには強烈なものを感じましたし、ビートルズのインストカバー集にしたってそう思います。同業者からサポートの依頼やレコーディング参加、プロデュース業など引く手数多なのも頷ける。。
 なので今回のアルバム、"音が悪い" と言われている方もおられるようですが、それはいちいち突っ込まなくても本人が1番よくわかってるでしょう。音質の善し悪しだけで本作の出来を判断するのは個人的には意味が無いと思いますし、楽曲自体の出来は良いですから。あくまで個人的な意見ですけどね。。
 1つ気になるとすれば、実質6年間のうちに書かれた曲を収録したようなので、アルバムとして少しまとまりに欠けたという事。コレばっかりはリリースを約束されて10数曲を一気にレコーディングするのと、何も決まっていない状態で他の仕事の合間に少しずつレコーディングするのとでは意味が違いますから、仕方が無いと言えば仕方が無いかも。まとめてというよりも1曲1曲の出来を聴くという方が合っているような気もします。。


 発売から随分経ってこの新作を購入しました。その理由は以前にも述べた通り、個人的にJason Falknerに対する思い入れが強すぎて約8年振りの新作を聴くのを躊躇したというのが理由です。それほどまでに待ちに待った新作、8年分の想いが重なった新作だったので、もし好きになれなかったらと思うとどうしても手が伸びませんでした。苦笑
 まわりのほとぼりが冷めた頃にひっそり購入し、ひっそり聴き、ひっそり感想を書こうかなと思っての今回のblogでの紹介です。発売から2ヶ月が経って、今頃このblogを見る人って言うのは、いつも訪れてくれている方やよっぽどJason Falknerが好きで検索しまくっているうちに辿り着いた方がほとんどだと思いますし、僕のblogがJason Falkner至上主義だとわかってる人達で、さらに褒めるしか能がないというのを知っている人達だと思いますので。。

 ですので、今回も皆さんの予想通り? "絶賛" で幕を閉じようかと思います。正直、ホントに微妙と感じたならこのまま触れずにそっとしておこうかと思ったほどですけどね。笑 こうして絶賛出来るほど僕の中で満足のいくアルバムで良かったし、「さすがはJason Falkner!」と言いたいです。あとは奇跡の来日を待つばかり。。


■Jason Falknerリンク集■
Jason Falkner MySpace:3rdアルバムから3曲フル試聴可能
Jason Falkner.net:オフィシャルサイト。
@TOWER.JP:3rdアルバムから全曲約30秒ずつ試聴可能。

    
LtoR : Author Unknown / Can You Still Feel? / Everyone Says It's On
    
LtoR : Necessity / Bedtime With The Beatles / Bliss Descending

Ben & Jason / Emoticons

2007年05月07日 | 今日の一枚。(旧版)
 現在のイギリスにおいて美メロバンドと言えば一般的にはColdplayになるんでしょうか?先頃、会心の新作をリリースしたTravisが休んでいる間に一気に代表格にまで登り詰めたようですが、やはり90年代後半を知っている者にとって英国産美メロバンドといえばTravisになる訳で、今回の新作ではその証明をキッチリ聴かせてくれており評判も良いようです。。


 その裏ではBen ParkerとJason Hazeleyという2人からなるユニット・Ben & Jasonがいました。1999年にGo!Beatからミニアルバム「Hello」でデビュー。同年には今回紹介する1stアルバム「Emoticons」がリリースされました。。
 このデビューの時点で既に新人離れした完成度を誇っています。TravisのFranやRadioheadのThom York、はたまたNick Drakeなどを思わせるファルセットを用いた儚げなBenのVoと、サウンド全般を取り仕切るJasonのコンビが生み出す楽曲は泣き所満載。これぞ英国産と言える美メロの応酬です。ある意味、典型的なイギリスの音楽と言えるかもしれません。。
 楽曲のアレンジはアコギ、ベース、鍵盤類、ストリングスといった感じ。特にストリングスのアレンジに関しては名の知れたアレンジャーを起用し相当なこだわりを持っていたようです。あと重要なのはほとんどの曲でドラムが鳴っていないということ。バンドらしさのあまり感じられない仕上がりとなっていて、それが爆発的に売れなかった原因なのかもしれませんね。。

 1曲目からしてレベル的に相当ぶっ飛んでいる訳ですが、ファンの間で人気が高いのは2曲目の「Air Guitar」。昨今のエアギター・ブームを予測してたかのようなまんまのタイトルですが、これがメロディー、アレンジ共に秀逸。適度に哀愁があり適度にポップ。。
 「英国産美メロ」と言えばその土地柄からかイメージ的に少し曇ったような哀愁漂う切ないメロディーが特色ですが、その中にあってこの「Air Guitar」のように雲の切れ間から少し太陽が顔を出したかのようなポップな楽曲が入ってくると、ものすごく栄えてくる訳で、Coldplayの「Yellow」、Tarvisの「Turn」や「Flowers In The Window」など名曲と言われる曲は僕の中でどれもそんなイメージを感じさせてくれます。つまり「Air Guitar」は名曲。。

 もちろん名曲がそんなイメージばかりとは言いません。このアルバムに関しては他にも涙腺を刺激してくれる名曲がたっぷり収録されています。個人的には6曲目「What I Meant To Say」に涙を誘われます。この楽曲は完全に曇り空、いやっ、雨が降っているような曲ですが哀愁の極致とでも言えるような泣きのメロディーで溢れています。BenによるファルセットのVo.も効いています。。
 そして続くタイトル曲でもある7曲目「Emoticons」で晴れ間が覗く訳です。この流れがこのアルバムの中で1番好きな瞬間です。どんなアルバムでもそんな瞬間っていうのがあると思いますが、最近のシングル指向のベスト盤やコンピ物の乱発、デジタルダウンロードでは絶対に味わえない瞬間ですね。。
 以降も唯一まともにドラムが入っている11曲目「Dear Sally」や壮大なオーケストラ・アレンジが映画音楽を聴いてるような気にさせてくれるワルツ調の12曲目「I'll Always Want You」などなど、全13曲、どれをとっても美メロ美メロ美メロ。。


 その後、彼らは2nd「Ten Songs About You」、3rd「Goodbye」をリリースし解散してしまいました。解散後の2人はと言うと、Ben Parkerは今も音楽を続けているようです。最近はソロで活動しているようで彼のMySpaceではデモ音源がアップされていますが契約はまだ無いようです。少し前にはLux Lutherというバンドもやっていた模様。こちらはMyspaceもあるようですが、ほとんど更新されていません。。
 驚くべきは見事なサウンドアレンジを聴かせてくれていたJason Hazeley。彼は現在テレビのためにコメディーを書いているようです。いわゆる放送作家でしょうか?はたまたモンティパイソンを目指しているのでしょうか?まぁ才能がある人なので何でもこなせると思いますが、出来ればもう一度、Benと組んで再びあのサウンドを聴かせてほしいもんです・・・


■Ben & Jasonリンク集■
Ban & Jason MySpace : 4曲試聴可能。「Air Guitar」のデモVer.あり。
Ben Parker MySpace : Ben Parkerのソロ。4曲試聴可能。
Lux Luther Myspace : Ben Parker参加のバンド。4曲試聴可能。
@TOWER.JP : ラストアルバム「Goodbye」が約30秒ずつ試聴可能。

James Iha / Let It Come Down

2007年02月05日 | 今日の一枚。(旧版)
 1曲目「Be Strong Now」を聴いた時の事は忘れられません。これがあのSmashing PumpkinsのJames Ihaか?と。。

 アルバムジャケットの時点ですでにそんな予感はしてたんですが、まさかここまでガラリとスタイルを変えてくるとは・・・。コッチの方が断然良い!と思いました。決して上手とは言えないし個性的でもないボーカルですが、妙に心に響いてきます。このサウンドとメロディーにはこの声しか考えられないというくらいハマってます。そして2曲目「Sound Of Love」が鳴り響いた時点で名盤の仲間入り決定。。

 Smashing Pumpkinsで鳴らされている歪んだギターとは対照的に、アコースティックサウンドに彩られたこのアルバム。一言で表すならば「ナチュラル」と言ったところ。アルバムジャケットの質感そのままのサウンドがぎっしり詰まっています。
 幅広い音楽趣味を持っているであろうJames Ihaの嗜好の中でもシンガーソングライター趣味が爆発したと言った感じかな。国内盤のライナーにも書いていますが、Jackson Brown、Neil Young、Robbie Robertson、Gram Persons、James Taylor等の影響が感じられます。本人は「それとは違う」「だって出来ないよ」なんて言ってますが・・・。もちろん真似事で終わってるわけじゃないところが、今なおこのアルバムが色褪せない所以ですね。。

 ゲスト陣も彼の交友関係からすれば当然と言ったところが勢揃いしてます。ex.Smashing PumpkinsのD'ArcyとMatt Walkner、Greg Leisz、Neal Casal、Nina Gordon (ex.Veluca Salt)、そして盟友とも言えるFOWのAdam Schlesinger。このアルバムを買ったキッカケもFOWのAdamが参加してたから。今でも2人の関係はあらゆるところで見られますが、最新のものとしては先日リリースされたばかりのAmerica「Here & Now」でしょうか。こちらも今回のJames Ihaのソロが好きなら間違いなくハマるアルバムです。ぜひ。。

 他にもSmashing Pumpkins解散後はA Perfect Circle、The Virgins、Vanessa and the O'sなどのバンドで活動していました。ちなみにThe Virginsはファンの間では伝説とも言えるバンドで、Ryan Adams、Evan Dando、Melissa Auf Der MaurそしてJames Ihaという豪華過ぎるメンツが集結したバンド。残念ながら何もリリースすることなく終わってしまった模様です。。
 またJames Ihaは日本とはかなり縁深いアーティストで、よく知られているのは日本名が「井葉吉伸」だということ、両親が日本人だということ、でもずっとアメリカ暮らしなので日本語はほとんどしゃべれないということ、といったあたりですね。そんなこともあってか、湯川潮音、つじあやの、Charaといった日本人アーティストに楽曲を提供していたり、映画「リンダ・リンダ・リンダ」のサウンドトラックを手掛けたりと活躍しています。。
 
 このアルバムの国内盤のリリースが'98年2月という事で、ちょうど9年前。さすがに国内盤は廃盤ですが、輸入盤はいまだによくお店で見かけます。これってこの手のジャンルのアルバムとしては実はスゴいことですよ。
 Smashing Pumpkinsの再結成には参加しないようなので、どうかソロアルバムをもう1枚作ってほしいところ。また違ったサウンドで驚かしてほしいものです。。

試聴:@TOWER.JP (Media Player / 各曲約30秒)

Myracle Brah / The Myracle Brah

2007年01月19日 | 今日の一枚。(旧版)
 日々新しい音楽が創り出されていく中で、どのようにして自分好みの音楽を見つけ出していくのか?これは音楽好きの一生の課題です。ネットで見つけ出したり、友達に教えてもらったり、音楽雑誌を見てみたり、店頭で試聴してみたり。その方法は様々ですが要は少しの努力が必要という事。個人的には雑誌やネットが主な情報源で、最近はブログやMySpaceなど便利ものも増えてきたので今度は溢れる情報を如何に整理していくかが鍵となりそう。。
 ネットがここまで便利になる以前は雑誌のアルバム紹介やジャンル別の特集などを中心に目を通していました。そんな数ある特集の中でいまだに利用というか、その時の雑誌をそのまま残しているものがあります。。「ストレンジ・デイズ No.34 2002年6月号:ビートルズの遺伝子part.7 2000~2002年編」。。ジャケ・・・じゃなくて表紙はJellyfishの「Spilt Milk」で題名の通りビートルズの影響を受けた2000~2002年にリリースされたアルバムを紹介しています。という事は、モロにパワーポップな特集なんです。全63枚のアルバムを掲載。その中の1枚であり結構大枠で紹介されてるのが今日の1枚。。

 Love Nutのリーダー・Andy Boppのソロプロジェクトとして始まったMyracle Brah。Love Nut自体がモロにパワーポップなバンドではありますが、こちらも負けてません。しかもThe Beatles度で言えばMyracle Brahの方が上かも。。
 1曲目のギターリフから既にぶっ飛んでます。そこに被さる軽快なドラムに乗って少し甲高いAndy Boppの歌が響くと、もう極上のパワーポップの出来上がりです。続く2~4曲目はミディアムテンポではありますが哀愁の入ったメロディーが心地良く、基本はやはり美メロなんだと確信。5曲目は再びギターのカッティングで始まるロックナンバーで、コレだけでもかなり渋い楽曲ですがポイントは後半。延々と約2分に渡って同じギターリフとドラムが続いたかと思えば突然6曲目のバラードナンバーへと突入。この繋がりの良さは聴いてみないと分からないかも。ただセンスは抜群です。究極はJohnとPaulが交互に歌ってるような11曲目。モロにThe Beatles愛丸出し。。
  全体的にミディアムテンポの曲が多めながら、時にシャウトするボーカルと歪んだギターの音色が心地良く響く曲ばかり。このテンポで飽きずにアルバム1枚を聴かせてしまう力量はさすが。。

 このアルバム後もコンスタントにリリースは続いたようで、今のところ最新作は'03年の「Treblemaker」。こちらも相変わらずのパワーポップ振りですので要チェック。ちなみにメンバーにはSplitsvilleのPaul Krysiakも名を連ねてます。その関連も合ってAndy Bopp自身もSplitsvilleの名盤「The Complete Pet Soul」にパーカッションと6弦ベースにて参加。その辺りが好きな方もど真ん中では?
 現在は活動を休止しているのか、オフィシャルHPではTOPページでアルバムのジャケットが並ぶのみ。MySpace等も持っていないようなのでこのまま消え去らないよう祈るのみです。音が気になる方はAmazon.comにて約30秒ずつ試聴出来ます。。

試聴:Amazon.com(各曲約30秒。Media Playerでは12曲、Real Playerでは5曲試聴可)