五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2019・5・9

2019-05-10 09:55:56 | 日記
母が着ている上着代わりのワイシャツが昨日と同じだ。いや、一昨日も同じだったし、一昨々日も同じ紫色のワイシャツだった。気づく度に「昨日と同じシャツだね」とさりげなく注意してきたけど、母は「上着代わりなんだから最低三日は着ないとね」と俺の注意を撥ね除ける。でも、上着とシャツは違うよ。三日も同じワイシャツを着たら匂いがつくから毎日着替えなよ。俺だって毎日違うシャツを着ているだろとやんわり云うと、母は「でもそんなことをしたらワイシャツが何枚あっても足りないわね」とそのまま口をつぐんでしまって気まずい時間が流れる。でも、もう今日で四日目となると我慢の限界だ。それに今日はリハビリに出かけて指導員の人と接するのだ。加齢臭を出来るだけ防止するのが患者のエチケットだし、家族の義務だ。俺は母と会うなり開口一番「あ、又同じシャツだ!」と大声をあげる。母は一瞬びっくりとした表情を浮かべたが、俺は追い打ちをかける。今日はリハビリに行くんだろ?四日間も同じシャツを着ていたら臭くてリハビリの指導員に嫌がられるぞ/大丈夫よ。出かける時には着替えていくから/だったら着替える前に必ずシャワーを浴びていけよな。着替えたシャツに今までの匂いが移ってしまったら元も子もないからね、と云った途端、母は「私、そんなに臭い?」と泣きだす。俺は一瞬やばいと思う。母は泣きながら続ける。私はあんたみたいに何枚もワイシャツを持ってないのよ。節約して倹約して生きているんですからねと低収入の癖して浪費家の息子を責める。俺は一瞬攻撃を躊躇する。でも、ここで引いたら負けとばかりに「ああ、臭う。毎朝シャワーを浴びて、毎朝服を着替えないと絶対不味い!俺の古着でよかったら後で五枚でも十枚届けるから」と言い放つ。その後の母と息子の老老ブレックファーストは何を食べたのか覚えてない。トーストだった気がするけど、卵料理はオムレツだったか目玉焼きだったか?スープはどんなスープだったか記憶からすっぽり抜け落ちている。朝ドラも目の前のテレビから流れていたけど、ストーリーは跳んでしまっている。その時の俺はどうして母はシャワーを毎日浴びないのかと云うことを考えていた。これもまた不思議なことなんだけど、母は週に一度一番下の弟が来る時しかバスタブにお湯を入れて入らない。バスタブに入っていて万が一の時があった時に一番下の弟に助けて貰うのならギリギリ我慢できるけと、俺やすぐ下の弟に裸を見られるのが嫌だと云うのだ。だったら毎朝シャワーを浴びろと忠告してきたのだけと、倹約家節約家の母にしてみればお湯が流れ続けるシャワーがどうしても勿体なくお思えてしまうのだろう。それに毎朝起きてすくシャワーなんて冬場は特に寒くて億劫だったに違いない。でも、これからは夏場だ。寝汗もかくし衣服をシャワーを浴びると気持ちいい。ついでに毎朝下着やシャツも着替えられるじゃないか?こんなことで折角ここまで円満に過ごしてきた母との生活を気まずくしてしまうのは本意ではないけど、悪者になってもいいから俺は言い続けなくてはいけない。お店は早い時間に映画プロデューサーのKさん、十時ごろに美人脚本家のNさんと有名俳優事務所の女性社長のYさん。お客さんが今月に入って初めてだったので、俺も久し振りに楽しくなって焼酎を飲み続けて気づいたら12時半★テアトロジャージャン第16回公演「待ってる。~粗大ゴミ置き場に愛は捨ててあるか~」(作演出・桃井章)/出演・桑原なお、荒木真樹彦、岸本敏伸、茂木英治/日時・7/10(水)~7/15(月祭)開演時間は10日11日は19時のみ。12日13日は14時&19時、14日15時は14時のみ。/料金3000円/お問い合わせは090ー9964ー2231まで

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