藤村俊二さん死去 長男・亜実さん思い明かす 教えを胸に「人生の『今』を大事に」
心不全のため1月25日に82歳で亡くなった俳優・藤村俊二さんの公式サイトが1日更新され、長男の亜実さんが「お別れの挨拶」と題し、藤村さんの療養生活の様子や思いを記した。
「生前、父の周りには、たくさんの友人やファンの方々が集まってくださいました。掴みどころがないところが好き、と言ってくださった方も多くいたように思います。父も嬉しかったと思います。ほんとうにありがとうございました」と感謝した亜実さん。
療養中は危険な時期もあったというが「何度も乗り越えてくれました。父をよく知る方々は、その様子を見て驚いていました。誰も頑張る人というイメージを持っていなかったからです」とつづった。
続けて、息子としての思いや、父・藤村さんから学んだことを記し、藤村さんが残したという手書きメモを紹介。「この世でいちばん愉快なことは、何かを持っていることではなく、何かを経験できる瞬間です」。
「父は、そうやって『今』を生きる方が自由で幸せだと知っていたのだと思います。その心が、あの飄々とした生き方の秘密だったのです。すべてを受け入れ、何にもとらわれず、過去や未来から切り離された『永遠の現在』という時に生きる心は自由で幸せです。そのことを最後に父から学ばせてもらった自分たちも、これからの人生の『今』を大事に生きていきたいと思います」と前を向き、改めて感謝の思いであいさつを結んだ。
■以下、コメント全文
生前、父の周りには、たくさんの友人やファンの方々が集まってくださいました。掴みどころがないところが好き、と言ってくださった方も多くいたように思います。父も嬉しかったと思います。ほんとうにありがとうございました。
療養中は、危険な時期がありましたが何度も乗り越えてくれました。父をよく知る方々は、その様子を見て驚いていました。誰も頑張る人というイメージを持っていなかったからです。
実のことを言うと、息子の自分にとっても父は掴みどころがなく、また頑張る人でもなく、その自由で独特な生き方が子供の頃からずっと不思議でした。その秘密がようやくわかるようになったのは、父の病室に付き添いながら、人生を振り返って眺めていた、この約1年のことです。
不思議なことに、療養中の父は決して頑張っているようには見えませんでした。苦痛や不安が多かったと思いますが、いつも穏やかな表情をしていました。いったいどうやっているのかと思いましたが、ある日、父が苦しみや不安にとらわれず、すべてを受け入れて「今」を生きていることに気づきました。父の人生を振り返ってみても、何も不安に思うことなく、いつもその「瞬間」を大事に生きていたように思います。
父は、欲や執着もあまりありませんでした。父の残した手書きメモにこういうものがありました。「この世でいちばん愉快なことは、何かを持っていることではなく、何かを経験できる瞬間です」。
父は、そうやって「今」を生きる方が自由で幸せだと知っていたのだと思います。その心が、あの飄々とした生き方の秘密だったのです。すべてを受け入れ、何にもとらわれず、過去や未来から切り離された「永遠の現在」という時に生きる心は自由で幸せです。そのことを最後に父から学ばせてもらった自分たちも、これからの人生の「今」を大事に生きていきたいと思います。
生前は、たくさんの「今」を親父と共に過ごしていただき、ほんとうにありがとうございました。
長男 藤村亜実
「生前、父の周りには、たくさんの友人やファンの方々が集まってくださいました。掴みどころがないところが好き、と言ってくださった方も多くいたように思います。父も嬉しかったと思います。ほんとうにありがとうございました」と感謝した亜実さん。
療養中は危険な時期もあったというが「何度も乗り越えてくれました。父をよく知る方々は、その様子を見て驚いていました。誰も頑張る人というイメージを持っていなかったからです」とつづった。
続けて、息子としての思いや、父・藤村さんから学んだことを記し、藤村さんが残したという手書きメモを紹介。「この世でいちばん愉快なことは、何かを持っていることではなく、何かを経験できる瞬間です」。
「父は、そうやって『今』を生きる方が自由で幸せだと知っていたのだと思います。その心が、あの飄々とした生き方の秘密だったのです。すべてを受け入れ、何にもとらわれず、過去や未来から切り離された『永遠の現在』という時に生きる心は自由で幸せです。そのことを最後に父から学ばせてもらった自分たちも、これからの人生の『今』を大事に生きていきたいと思います」と前を向き、改めて感謝の思いであいさつを結んだ。
■以下、コメント全文
生前、父の周りには、たくさんの友人やファンの方々が集まってくださいました。掴みどころがないところが好き、と言ってくださった方も多くいたように思います。父も嬉しかったと思います。ほんとうにありがとうございました。
療養中は、危険な時期がありましたが何度も乗り越えてくれました。父をよく知る方々は、その様子を見て驚いていました。誰も頑張る人というイメージを持っていなかったからです。
実のことを言うと、息子の自分にとっても父は掴みどころがなく、また頑張る人でもなく、その自由で独特な生き方が子供の頃からずっと不思議でした。その秘密がようやくわかるようになったのは、父の病室に付き添いながら、人生を振り返って眺めていた、この約1年のことです。
不思議なことに、療養中の父は決して頑張っているようには見えませんでした。苦痛や不安が多かったと思いますが、いつも穏やかな表情をしていました。いったいどうやっているのかと思いましたが、ある日、父が苦しみや不安にとらわれず、すべてを受け入れて「今」を生きていることに気づきました。父の人生を振り返ってみても、何も不安に思うことなく、いつもその「瞬間」を大事に生きていたように思います。
父は、欲や執着もあまりありませんでした。父の残した手書きメモにこういうものがありました。「この世でいちばん愉快なことは、何かを持っていることではなく、何かを経験できる瞬間です」。
父は、そうやって「今」を生きる方が自由で幸せだと知っていたのだと思います。その心が、あの飄々とした生き方の秘密だったのです。すべてを受け入れ、何にもとらわれず、過去や未来から切り離された「永遠の現在」という時に生きる心は自由で幸せです。そのことを最後に父から学ばせてもらった自分たちも、これからの人生の「今」を大事に生きていきたいと思います。
生前は、たくさんの「今」を親父と共に過ごしていただき、ほんとうにありがとうございました。
長男 藤村亜実