メルカリ、自転車シェア発表 放置自転車を駐輪場に戻すとマイル付与
フリマアプリ運営最大手のメルカリは13日、自転車シェアサービス「メルチャリ」を今月27日から福岡市内で開始すると発表した。専用駐輪場(ポート)以外に放置された自転車をポートに戻すことでサービスが優遇されるマイルがもらえるなど利用者同士の「共同運用」型サービスを目指す。情報通信やインターネット企業各社が相次いで自転車シェア事業に参入する中、メルカリは個人間運用で他社と差別化する。
メルカリによると、27日のサービス開始時点では、福岡市内でポート50カ所、自転車400台を用意。今年夏ごろには200カ所2千台まで増やすとしている。首都圏など他都市への拡大も目指す。利用料金は1分あたり4円。
メルカリは得意とするサービスの個人間運用を自転車シェアに取り入れる考え。利用者が放置自転車を元に戻したり、自転車の故障を運営側に報告したりすれば、マイルが付与される。メルチャリのマイルはオリジナルグッズと交換できるほか、将来的にはフリマアプリで利用できるポイントとの互換性も持たせる。民家や個人商店へのポート設置も13日から募集。手軽にポートの増加が目指せたり、運用の一部を利用者に担わせることでコスト削減につなげられたりすると期待している。
13日に東京都内で会見したメルチャリを運営するメルカリ子会社、ソウゾウの松本龍祐代表取締役は、「所有から共有へ、移動がより自由になる世界を目指す。メルカリの目指す世界観に合致したサービスだ」と話した。
中国で発展した自転車シェアサービスは、国内でも参入が相次ぐ。平成23年にはNTTドコモが自治体と協定を結んで事業を始めたほか、昨年11月にはセブン−イレブン・ジャパンがソフトバンクのグループ企業と連携してサービスを拡大させると発表した。LINE(ライン)も昨年12月、中国の自転車シェアリングサービス大手と組んで、今年からサービスを開始すると発表している。