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話芸の会

2018-04-01 | 話芸の会・話芸の探究


尾張一宮、第8回一宮駅前寄席、雷門獅篭 旭堂鱗林 二人会を鑑賞した。落語と講談、中休みがあって6時半から8時半過ぎまで。落語は、花見酒に茶をもってする大家と店子の、長屋の花見の一席、そして講談は、大石内蔵助の切腹の場面で介錯をした、安場一平のくだりであった。小田小右衛門としている。
一宮駅前寄席
旭堂鱗林:藤井聡太物語
雷門獅篭:長屋の花見
雷門獅篭:うそつき弥次郎
旭堂鱗林:小田小右衛門

年季明けを4月1日に迎えて記念する、旭堂鱗林の初日公演。会場は満席の盛況であった。








「赤穂義士外伝 大石の介錯人 小田小右衛門」
足軽の小田が大石の介錯人に選ばれた。大石が切腹する時、身分を問われ、物頭役と嘘を言ってしまい、大石切腹後に悩むことになる。『騙されて 心地良く咲く 室の梅』過去に何度かやっていますが、よい話です。
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貧乏長屋の一同が、朝そろって大家に呼ばれた。
みんなてっきり店賃の催促だろうと思って戦々恐々。
なにしろ、
入居してから十八年も店賃を一度も入れていない者もいれば、
もっと上手はおやじの代から払っていない。
すごいのは「店賃てな、何だ?」
おそるおそる行ってみると大家、
ウチの長屋も貧乏長屋なんぞといわれているが、
景気をつけて貧乏神を追っぱらうため、
ちょうど春の盛りだし、
みんなで上野の山に花見としゃれ込もう
と、言う。
酒も一升瓶三本用意したと聞いて、一同大喜び。
ところが、
これが実は番茶を煮だして薄めたもの。
色だけはそっくりで、
お茶けでお茶か盛り。
玉子焼きと蒲鉾の重箱も、
「本物を買うぐらいなら、無理しても酒に回す」
と大家が言う通り、
中身は沢庵と大根のコウコ。
毛氈(もうせん)も、むしろの代用品。
まあ、向こうへ行けばがま口ぐれえ落ちてるかもしれねえ
と、情なくもさもしい料簡で出発した。
初めから意気があがらないことはなはだしく、
出掛けに骨あげの話をして大家に怒られるなどしながら、
ようやく着いた上野の山。
桜は今満開で、大変な人だかり。
毛氈のむしろを思い思いに敷いて、
一つみんな陽気に都々逸(どどいつ)でもうなれ
と、大家が言っても、お茶けでは盛り上がらない。
誰ものみたがらず、一口で捨ててしまう。
「熱燗をつけねえ」
「なに、焙じた方が」
「何を言ってやがる」
「蒲鉾」を食う段になると
「大家さん、あっしゃあこれが好きでね、
毎朝味噌汁の実につかいます。
胃の悪いときには蒲鉾おろしにしまして」
「何だ?」
「練馬の方でも、蒲鉾畑が少なくなりまして。
うん、こりゃ漬けすぎですっぺえ」
玉子焼きは
「尻尾じゃねえとこをくんねえ」
大家が熊さんに、
おまえは俳句に凝ってるそうだから、一句どうだ
と言うと
「花散りて死にとうもなき命かな」
「散る花をナムアミダブツと夕べかな」
「長屋中歯をくいしばる花見かな」
陰気でしかたがない。
月番が大家に、
おまえはずいぶん面倒見てるんだから、
景気よく酔っぱらえと命令され、
ヤケクソで
「酔ったぞッ。オレは酒のんで酔ってるんだぞ。
貧乏人だって馬鹿にすんな。
借りたもんなんざ利息をつけて返してやら。
くやしいから店賃だけは払わねえ」
「悪い酒だな。どうだ。灘の生一本だ」
「宇治かと思った」
「口あたりはどうだ?」
「渋口だ」
酔った気分はどうだと聞くと
「去年、井戸へ落っこちたときとそっくりだ」
一人が湯のみをじっと見て
「大家さん、近々長屋にいいことがあります」
「そんなことがわかるかい?」
「酒柱が立ちました」

世界大百科事典 第2版の解説
ながやのはなみ【長屋の花見】
落語。もともとは上方落語の《貧乏花見》。明治30年代に東京に移入された。貧乏長屋の連中が家主に呼びだされ,店賃(たなちん)の催促ではないかとおそるおそる行ってみると,みなで花見に行こうと言う。家主が用意した酒の代りの番茶,玉子焼の代りのたくあんなどを持って花見に出かけたが,番茶では酔えない。茶を飲みすぎて気分が悪くなった男が,どんな気持だと聞かれ,〈井戸に落ちた時と同じような気持だ〉。東京はここが落ちだが,上方落語は,なれ合い喧嘩でまわりの花見客を退けた長屋の連中が,残った酒肴(しゆこう)で酒宴を開く。



http://www.kusuya.net/%E8%8D%92%E5%B7%9D%E5%8D%81%E5%A4%AA%E5%A4%AB
荒川十太夫

講談
荒川十太夫は浪士が討ち入り後お預けになった松平隠岐守(おきのかみ)さんのところで介錯をやった、三両五人扶持という身分の低い侍。
介錯する段になって安兵衛が十太夫に、「閻魔の庁で土産話にするから」と名前と身分を聞いてきたが、あんまり自分が低い身分なんで、それじゃ悪いんでとっさに「あ…物頭役をつとめまする」と嘘をつく。安兵衛はありがたがって死んでいったが、言っちゃった手前、十太夫は、忌日には身分の高い侍のコスプレをして墓参した。費用は団子の串を削るバイトでまかなっていた。
上司に見つかって最初は官職詐称を詮議されたが事情を知った殿様がそのかいがいしさに打たれ「謹慎のあと、マジで物頭役に取り立てよう」と辞令をくれた。
安兵衛の忠義が余ってほかのひとの徳になったという珍しいおはなし。
「誉れの三百石」
荒川重太夫

※講談には「安場一平」というこれによく似た話しがあり、大石内蔵助の介錯をした安場一平がモデルとなっている。大石が首を切られる前に役職について嘘をついてこたえる場面がそっくりであるが、安場の身分は「足軽」となっている。
安場一平は実在する人物で、実際は「御歩頭(おかちがしら)」200石取りの身分ある侍です。
義士を手厚くあつかった細川家においては格式ある侍が介錯担当に選ばれたことが記録に残っているそうで、武士でもない、身分の低い足軽が介錯をまかされることは考えられない。




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