現代日本語百科   けふも  お元気ですか

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今日は

2013-09-16 | 日本語百科
こんにちは という、挨拶用語はいつごろからか。
今日 を、字音で読んで、こんにち とする挨拶語となると、用例でまず見えるのは、連声にある、こんにった である。
つまり挨拶の発音として、この語の発音は、こんにちは と言うよりも、こんにった と言っていたとなる。

今日 についての例が、本日、その日、と言う例も、漢詩や漢文に次いで、時代が上がる。

また、今日を、きょう けふ と読むのは、日本語読みを宛てる。こんにちは を、呼びかけの語として見るか、挨拶語としての以下の語を続けていたものとみるか、それについては、こんにちわ とすることのない表記で、こんにちは を表記として用いるので、おおかたは、その声がけが行われていたものと考える。

時代を下げて、こんにちは こんにちは 西の国から、と、謡った、世界の国からこんにちは、という歌詞に挨拶語の流行があるのだろうか。作詞者は、世界の人がこんにちは、というタイトルであった。



デジタル大辞泉
こんにち‐は 【今日は】
[感]《「今日はよいお天気です」などの後ろの部分が略されたもの》昼間、人に会ったり、他家を訪問した際などにいうあいさつの語。


日本国語大辞典

こんにち‐は 【今日─】〔連語〕
(「今日は…」と続けた挨拶語の下略されたもの)
昼間、他家を訪問したとき、また、人と会ったときなどにいうかんたんな挨拶語。
*滑稽本・当世真々乃川〔1785〕二「人に対する言葉をも、みなまでは言て居ず、今日はというて御苦労と聞かせ」
*滑稽本・浮世床〔1813~23〕初・上「『ヤ旦那お出なさい』『アイ今日(コンニチ)は』」
*人情穴探意の裡外〔1864頃〕三「此家の婆、門へ出で、チョット会釈して、ハイ今日(こんにち)は」

こんにっ‐た 【今日─】〔連語〕

「こんにち(今日)は」の連声(れんじょう)。室町末期に現われた発音で、謡曲、狂言、芝居などで多くみられる形。
*光悦本謡曲・猩猩〔1466頃〕「今日は(こんにった)潯陽の江に出でて、酒をすすめばやと存じ候」
*ロドリゲス日本大文典〔1604~08〕「Connitta (コンニッタ)」
*虎寛本狂言・鈍太郎〔室町末~近世初〕「定て今日は(こんにった)修行に出られぬ事は御座るまい程に」
*音曲玉淵集〔1727〕一「今日者(コンニッタ)」


こん‐にち 【今日】
〔名〕
(1)話し手が今、身を置いている、その日。きょう。本日。
*懐風藻〔751〕春日〈巨勢多益須〉「今日良酔徳、誰言湛露恩」
*明月記‐治承四年〔1180〕五月一六日「今日朝伝聞三条宮配流事日来云云」
*平家〔13C前〕八・征夷将軍院宣「軈て今日(コンニチ 高良本ルビ)上洛すべきよし申しければ」
*日葡辞書〔1603~04〕「Connichi (コンニチ)。キョウ〈訳〉きょう」
*黄表紙・高漫斉行脚日記〔1776〕下「づい分油断なく武芸はげみ、今日(コンにち)の衣服は見ぐるしくても、具足の一りうも持ちたるをこそ武士とはいへ」
*滑稽本・浮世床〔1813~23〕二・下「今日(コンニチ)はまだ山の手へのさねへきゃアなりません」
*日本読本〔1887〕〈新保磐次〉一「こん日は一月一日なり」
*書経‐「我式克至于今日休」
(2)近頃。この頃。今の時代。現今。
*凌雲集〔814〕伏枕吟〈桑原公宮〉「倒絶兮悽今日、涙潺湲兮想昔時」
*交易問答〔1869〕〈加藤弘之〉下「すべて今日入用な物が揃った上では、又玩具も自然と入用な物になるのでござる」
*安愚楽鍋〔1871~72〕〈仮名垣魯文〉二・下「今日(コンニチ)の形勢を見ても分明(わかる)が」
*吾輩は猫である〔1905~06〕〈夏目漱石〉二「廿世紀の今日交通の頻繁、宴会の増加は申す迄もなく」



きょう[けふ] 【今日】
〔名〕
話し手が、今身を置いている、その日。また、別の年・月の同じ日付けの日もいう。本日。こんにち。
*古事記〔712〕下・歌謡「庭雀 踞集(うずすま)りゐて 祁布(ケフ)もかも 酒漬(さかみづ)くらし」
*万葉〔8C後〕一八・四〇七九「三島野に霞たなびきしかすがにきのふも家布(ケフ)も雪は降りつつ〈大伴家持〉」
*万葉〔8C後〕二〇・四五一六「新(あらた)しき年の始めの初春の家布(ケフ)降る雪のいや重け吉事〈大伴家持〉」




こんにちは?こんにちわ? - トクする日本語 - NHK アナウンスルーム
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こんにちは?こんにちわ?2012年11月21日(水)
10月3日の放送で『こんにちは』をとりあげたあと、発音通り「こんにちわ」と書くのは間違いですか?という質問がきました。『こんにちは』は「今日(こんにち)は天気が良いですね」のような文が省略された挨拶ことば。仮名遣いの決まりで“助詞の「は」は「は」と書く”と決められているために、『こんにちわ』とは書かないのです。でも、そもそもなぜ助詞の「は」は〔ワ〕と発音するのでしょうか。実は、昔の発音は今の発音とだいぶ違っていました。平安時代から室町時代にかけて「はひふへほ」は【ファフィフフェフォ】と発音していたのです。例えば「母は」は【ファファファ】という発音。室町時代のなぞなぞ集「後奈良院御撰何曾」に〔母には二たびあひたれど 父には一度もあはず〕とあります。答えはくちびる。「母」は『ファファ』と発音していたので唇が二度近づきますよね。しかし、〔ファ〕という発音は力がいります。そのためいわば発音の省エネで語の途中や最後の「は」は〔ワ〕に変化し、「母は」は【ファワワ】になりました。室町後期のことばを集めた「日葡辞書」の母の欄には、〔fafa.faua〕両方の発音が書かれています。その後、さらに語頭の「ファ」も変化し【ハワワ】になったことが、江戸中期の方言辞書「物類称呼」に“京にて児童はハワさんと呼ひ…”と書かれていることからもわかります。しかし「母」は同じ語の重なりという意識から【ハワワ→ハハワ】と変化し、今日にいたるのですね。「こんにちは」も古くは【コンニチファ】と発音していたのが、同じ流れで【コンニチワ】になりました。書き方は伝統的なものが残って、発音だけが力のいらない形へ変化していったということなのです。


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