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動詞アスペクト

2013-06-15 | 日本語百科
アスペクトとは文法範疇の術語である。相と訳してとらえられた。動詞のあらわす動作、作用を時間の経過に捉えて表現するとアスペクトが現れる。動詞の意味内容を見ると動きの始まるときから終わるときまでを表すものや、そのまま継続した動きで表すものがある。そのようなとらえ方を、動きの始まりからその途中、そして終わりにいたる、その状態を表すなどの文法形式が現れるとアスペクトの範疇が捉えられる。動詞の動きそのものを表し続ける動詞にそれを補助する動詞がつくことで具体的な動きが表現される。その文法形式が、書い‐ている 話し‐ているのように共通する形式、―ている となる。おなじように文法形式で、―てしまう ―てある -ておく などがあり、それぞれ動詞の動きに意味内容を加える。この動詞の動きを捉えさらにほかの動詞が複合して表れると、書きはじめる 書き続ける 書き終わる のように語彙としての動きを詳しくする。そして、書き始めている 書き続けている 書き終わっている などと表現することがあり、その現われ方をなどを分析する。

次に、二つの辞書ではアスペクトと相の用語解説で異なる。

デジタル大辞泉の解説
アスペクト【aspect】
1 外観。様相。
2 文法で、継続・反復・完了など、動詞が表す行為の様相。態。相。


そう〔サウ〕【相】
3 文法で、動詞によって表される動作・作用の性質・あり方とその表現のしかたに関する範疇(はんちゅう)。受身・可能・自発・使役、また、自動・他動・敬譲など。態。



大辞林 第三版の解説
アスペクト【aspect】
① 外見。形勢。局面。見地。
② 〘文法〙 「 相(そう)③ ㋐ 」に同じ。

そう【相】
③㋐動詞の表す動作を,その動作が時とともに展開してゆく過程においてとらえたときのさまざまなあり方,およびそれを表現する組織的な文法形式。「書いている」は動作が継続していることを,「書いてしまう」は動作が完了していることを表すなど,動詞と「ている」「てしまう」「てある」などとが結合した形式によって表される。アスペクト。態。
㋑「 態② ㋐ 」に同じ。






世界大百科事典内のアスペクトの言及
【相】より
…動詞の文法的カテゴリーの一つで,動詞のあらわす行為・過程をどのようにとらえるかの違いにかかわる範疇分け,およびその区別に基づく語形上の交替を相(アスペクトaspect)の違いという。そこで,ある行為や過程を全体として一つの点的なまとまりとしてとらえるか,あるいはその内的な展開の種々相のいずれかに着目するかといった違いによって,完了相,瞬間相,進行相,継続相,習慣相,起動相(動作や過程の開始を示す),終結相などが区別される。…
【日本語】より
…この日英語の違いは,日本語では形容詞が〈今日は寒い〉〈寒い日〉のように,同じ形で名詞修飾(装定)にも述語(述定)としても使われるのに対し,英語では,形容詞は装定には使われるが,述定に使うにはbe動詞の助けを必要とする,ということとつながっている。活用
[時制(テンス)と相(アスペクト)]
 日本語の述語には,すべてについて,〈飲む―飲んだ〉〈寒い―寒かった〉〈休みだ―休みだった〉のような対立がある。この対立が,発話時と発話内容の時との関係に対応している,あるいは少なくともそういう側面をもっている,ことは事実だから,日本語は西洋語と同じくテンス(時制)をもつ言語ということになる。…
【ロシア語】より
…たとえば,/ka|rmán/(карман),/pú|dra/(пудра),/dru|z’já/(друзья),/ka|n’ják/(коньяк)などに対し,/paj|mát’/(поймать),/strój|ka/(стройка),/kár|ta/(карта)などのようになる。
[文法]
 典型的な屈折的タイプ(屈折語)の言語で,名詞類(名詞,形容詞,数詞,代名詞)はその性・数・格を表示する複雑な語尾交替の体系をもつ一方,動詞はそのアスペクト(相)・ボイス(態)・法・時称・人称・数などの文法範疇を表示する形態的手段が発達している。 名詞類は文法上男・女・中の3性と単・複の二つの数,および主格nominative,生格genitive,与格dative,対格accusative,造格instrumental,前置格prepositionalの6格を区別する。…
※「アスペクト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

相(そう)あるいはアスペクト(aspect)は、言語学・文法学の用語で、述語が表す事象の完成度などの差異化をもたらす文法形式である。語交替や語形変化を伴う。
「相」はもともとスラヴ語に見られる完了性と不完了性の対立を呼ぶ言葉であった。なおロシア語の場合、「相」ではなく「体」を用いて「完了体」「不完了体」とするのが慣例である。以前は古典語の文法解説において voice を「相」と訳しているものが多かったが、現代では aspect を「相」と呼んで voice は態と呼ぶようになっている。


世界大百科事典 第2版の解説
そう【相】

動詞の文法的カテゴリーの一つで,動詞のあらわす行為・過程をどのようにとらえるかの違いにかかわる範疇分け,およびその区別に基づく語形上の交替を相(アスペクトaspect)の違いという。そこで,ある行為や過程を全体として一つの点的なまとまりとしてとらえるか,あるいはその内的な展開の種々相のいずれかに着目するかといった違いによって,完了相,瞬間相,進行相,継続相,習慣相,起動相(動作や過程の開始を示す),終結相などが区別される。


【日本語】より

[文法――形態面]
 日本語では名詞の後に種々の助詞を用いて動詞との関係が示される。例えば〈先生が生徒に日本語を教える〉においては,助詞〈が〉は主格で動詞〈教える〉の動作主を,助詞〈に〉は与格で〈教える〉相手を,助詞〈を〉は対格で〈教える〉内容を表している。また,例えば〈たべ・させ・られ・た〉では,動詞語幹〈たべ〉に使役〈させ〉,受身〈られ〉,完了〈た〉の語尾が次々と接合されている。…
【ロシア語】より
…ただし,語頭と語末以外の位置で4音素の区別を保つ(すなわち,/i/と/e/の区別を保つ)体系も標準的とされている(つまり,лиcá(キツネ)とлecá(森林――複数形)を音韻論的に同一としても,しなくてもよい)。 なお,正書法上のи[i]とы[ɨ]の区別は音声上の相違としては存在するが,まったく相補的な分布を示すので同一音素(/í/ないし/i/)と解釈される。また,/ú/,/u/,/ó/の音声的実現はすべて強い円唇性を特徴とすることに注意しなければならない。…



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