意味作用とすると、意味そのものをとらえやすくなる。その意味作用を記号論で、意味作用とは記号学用語の一つであるとして、ある表現された記号がそのままその事柄を意味するということである、 例えばタヌキを意味するならば、タヌキの絵を示すということでこれが成り立つということである、 この場合ならば文字で表現されている「タヌキ」を示したとしてもタヌキは意味されないということである。意味作用 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/意味作用 というふうに説明して、いま言うところの意味作用を指示義において限定しようとすると、タヌキの漢字では表せないということだが、もう少し、意味作用のよって来たるところをとらえなければならない。記号についての理解が、この記述では、文字記号と言語記号とを区別しようとしながら、絵としての象徴だけをもって、記述説明しているようである。意味作用がアートの用語として説明されて、言語の現象としての作用が、ウイキペディアのこの項目では明らかでない。
ロラン・バルトの記号論と意味作用 - Biglobe
http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/vision/es001/semiotics.html
>『記号論的な意味』とは、『記号(言葉)で表現される内容・記号(言語)を介在して理解される内容』であり、『心理的な意味』とは、『ある事象・行為・表現に込められている理由・目的・肯定感情・意図』のことである。心理的な意味の中には、ある行為や出来事が特定の文脈(状況)の中で帯びてくる価値・意義も含まれていて、その重要な価値が生きる意味や働く意欲につながっていたりもする。また言語表現に明示的に表現されない『暗示的な内容』も意味の一部である。
しかし、『心理的な意味』も、意味を生み出す記号の作用(記号論的な意味)と無関係なわけではない。人間が認知して解釈する意味、他者とコミュニケイトして共感できる意味は、『記号(言語)の意味作用』を受けなければ意味を持ち得ないのである。
>フェルディナン・ド・ソシュール(Ferdinand de Saussure, 1867-1914)は、構造主義の言語学の立場から記号学(semiology)を提唱し、チャールズ・サンダース・パース(Charles Senders Peirce, 1839-1914)は、プラグマティズムの実用的意義の観点から記号論(semiotics)を構想した。
>プラグマティズム(実用主義)の哲学者パースは、人間は記号のみによって思考すると述べて、『対象(object)・表記(representation)・表記の解釈者(interpretant)』の三者関係によって記号の意味作用を定義した。ソシュールの一般言語学では、シニフィアン(記号表現)とシニフィエ(記号内容)の相互的関係を意味作用と考えた。
アメリカの哲学者C.W.モリス(C.W.Morris ,1901-1979)は、その著書『記号理論の基礎』の中で記号論(semiotics)を『syntactics,syntax(形式論)・semantics(意味論)・pragmatics(実用論)』の3つに分類している。
>ソシュールの構造主義的な記号学の方法論を拡張して、社会環境の文化的諸関係を『意味作用の体系』としてセマンティクス(semantics,意味論)を中心に分析しようとしたのが、ポストモダンの思想家ロラン・バルト(Roland Barthes, 1915-1985)である。
ホームアートワード意味作用
Artwords(アートワード)
http://artscape.jp/artword/index.php/%E6%84%8F%E5%91%B3%E4%BD%9C%E7%94%A8
>意味作用
Signification
ある記号の表現と内容が結びつけられる過程で意味が生じるプロセスのこと。「記号学(Semiology)」の始祖であるソシュールにおいて、意味作用は「意味するもの/記号表現(シニフィアン)」と「意味されるもの/記号内容(シニフィエ)」とのあいだに生じるプロセスとして理解され、「記号論(Semiotics)」の始祖であるCh・S・パースにおいては「対象」「表象」「解釈者」のあいだに生じるプロセスとして理解される。いずれにおいても、そこで含意されているのが固定的な「意味(sense)」ではなく、動的な意味の獲得のプロセスであるという点が重要である。所与の事物や現象に対するこうした意味の付与と獲得のプロセスを文化研究の領域において展開したのがロラン・バルトであることはよく知られている。20世紀後半の記号学/記号論の成果によって切り開かれた意味作用の分析は、芸術作品のみならず、さまざまな文化的表象の背後にひそむ諸々の力学を分析するうえでの基本的かつ重要な方法となっている。
著者: 星野太
参考文献
『ソシュール一般言語学講義 コンスタンタンのノート』,フェルディナン・ド・ソシュール(影浦峡、田中久美子訳),東京大学出版会,2007
『パース著作集2 記号学』,Ch・S・パース(内田種臣編訳),勁草書房,1986
『モードの体系 その言語表現による記号学的分析』,ロラン・バルト(佐藤信夫訳),みすず書房,1972
日本語語彙論 意味の記述4
2013-11-09 21:01:09 | 語と語彙
語の意味とはその語が使われる文章においてどのような情報を持つか、説明記述することでとらえられるものである。文章は文脈に支えられ、場面によって実現することがある。文章と文脈はその言語資料によって個別に決まってくる。そのように文章で使われた語の意味は、その語の持つ意味内容としてとらえられ、また、語義はその語の定まった意義を記そうとする。それはときに、用語の定義として述べられる。
その語の意味を日本語では漢字に捉えようとした。漢字は文字であるが、その文字を言葉として理解するので、その語を漢字で表すとどうなるかという作業を、古来、わたしたちの祖先は行ってきた。それは、詞を知るという伝統で脈々と受け継がれてきている。18世紀以降は漢語を国語としてそこに外国語を学ぶということがあったので、19世紀半ばになって漢語と英語という対比構造ができつつある。カタカナ語の増加である。
音読みと訓読みは漢字表記の制限として定められてきた経緯があり、それをさかのぼれば和訓としての日本語読みがあり、漢字に日本語を当てはめることであったとわかる。その作業によって、文章中の語が漢字仮名交じりの文のなかに出現するには、漢文訓読という翻訳が下敷きになっていることがわかる。日本語の意味記述には文字に対する認識とその実践による長い時間をかけた工夫があったのである。いまの英語は翻訳を受けてカタカナ表記になるか、そのまま略された表記を用いて、それは同様に日本語読みを加えることである。
ロラン・バルトの記号論と意味作用 - Biglobe
http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/vision/es001/semiotics.html
>『記号論的な意味』とは、『記号(言葉)で表現される内容・記号(言語)を介在して理解される内容』であり、『心理的な意味』とは、『ある事象・行為・表現に込められている理由・目的・肯定感情・意図』のことである。心理的な意味の中には、ある行為や出来事が特定の文脈(状況)の中で帯びてくる価値・意義も含まれていて、その重要な価値が生きる意味や働く意欲につながっていたりもする。また言語表現に明示的に表現されない『暗示的な内容』も意味の一部である。
しかし、『心理的な意味』も、意味を生み出す記号の作用(記号論的な意味)と無関係なわけではない。人間が認知して解釈する意味、他者とコミュニケイトして共感できる意味は、『記号(言語)の意味作用』を受けなければ意味を持ち得ないのである。
>フェルディナン・ド・ソシュール(Ferdinand de Saussure, 1867-1914)は、構造主義の言語学の立場から記号学(semiology)を提唱し、チャールズ・サンダース・パース(Charles Senders Peirce, 1839-1914)は、プラグマティズムの実用的意義の観点から記号論(semiotics)を構想した。
>プラグマティズム(実用主義)の哲学者パースは、人間は記号のみによって思考すると述べて、『対象(object)・表記(representation)・表記の解釈者(interpretant)』の三者関係によって記号の意味作用を定義した。ソシュールの一般言語学では、シニフィアン(記号表現)とシニフィエ(記号内容)の相互的関係を意味作用と考えた。
アメリカの哲学者C.W.モリス(C.W.Morris ,1901-1979)は、その著書『記号理論の基礎』の中で記号論(semiotics)を『syntactics,syntax(形式論)・semantics(意味論)・pragmatics(実用論)』の3つに分類している。
>ソシュールの構造主義的な記号学の方法論を拡張して、社会環境の文化的諸関係を『意味作用の体系』としてセマンティクス(semantics,意味論)を中心に分析しようとしたのが、ポストモダンの思想家ロラン・バルト(Roland Barthes, 1915-1985)である。
ホームアートワード意味作用
Artwords(アートワード)
http://artscape.jp/artword/index.php/%E6%84%8F%E5%91%B3%E4%BD%9C%E7%94%A8
>意味作用
Signification
ある記号の表現と内容が結びつけられる過程で意味が生じるプロセスのこと。「記号学(Semiology)」の始祖であるソシュールにおいて、意味作用は「意味するもの/記号表現(シニフィアン)」と「意味されるもの/記号内容(シニフィエ)」とのあいだに生じるプロセスとして理解され、「記号論(Semiotics)」の始祖であるCh・S・パースにおいては「対象」「表象」「解釈者」のあいだに生じるプロセスとして理解される。いずれにおいても、そこで含意されているのが固定的な「意味(sense)」ではなく、動的な意味の獲得のプロセスであるという点が重要である。所与の事物や現象に対するこうした意味の付与と獲得のプロセスを文化研究の領域において展開したのがロラン・バルトであることはよく知られている。20世紀後半の記号学/記号論の成果によって切り開かれた意味作用の分析は、芸術作品のみならず、さまざまな文化的表象の背後にひそむ諸々の力学を分析するうえでの基本的かつ重要な方法となっている。
著者: 星野太
参考文献
『ソシュール一般言語学講義 コンスタンタンのノート』,フェルディナン・ド・ソシュール(影浦峡、田中久美子訳),東京大学出版会,2007
『パース著作集2 記号学』,Ch・S・パース(内田種臣編訳),勁草書房,1986
『モードの体系 その言語表現による記号学的分析』,ロラン・バルト(佐藤信夫訳),みすず書房,1972
日本語語彙論 意味の記述4
2013-11-09 21:01:09 | 語と語彙
語の意味とはその語が使われる文章においてどのような情報を持つか、説明記述することでとらえられるものである。文章は文脈に支えられ、場面によって実現することがある。文章と文脈はその言語資料によって個別に決まってくる。そのように文章で使われた語の意味は、その語の持つ意味内容としてとらえられ、また、語義はその語の定まった意義を記そうとする。それはときに、用語の定義として述べられる。
その語の意味を日本語では漢字に捉えようとした。漢字は文字であるが、その文字を言葉として理解するので、その語を漢字で表すとどうなるかという作業を、古来、わたしたちの祖先は行ってきた。それは、詞を知るという伝統で脈々と受け継がれてきている。18世紀以降は漢語を国語としてそこに外国語を学ぶということがあったので、19世紀半ばになって漢語と英語という対比構造ができつつある。カタカナ語の増加である。
音読みと訓読みは漢字表記の制限として定められてきた経緯があり、それをさかのぼれば和訓としての日本語読みがあり、漢字に日本語を当てはめることであったとわかる。その作業によって、文章中の語が漢字仮名交じりの文のなかに出現するには、漢文訓読という翻訳が下敷きになっていることがわかる。日本語の意味記述には文字に対する認識とその実践による長い時間をかけた工夫があったのである。いまの英語は翻訳を受けてカタカナ表記になるか、そのまま略された表記を用いて、それは同様に日本語読みを加えることである。